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「違法ダウンロードには危険が潜んでいる」国際レコード産業連盟が警告


IFPI Digital Music Report 2008
 P2Pネットワークやインターネットからの違法ダウンロードには、スパイウェアやウイルス、個人情報漏洩などのリスクがあるにもかかわらず、ダウンロードしている人たちにはその危険性がまだ十分に知られていないとして、国際レコード産業連盟(IFPI)が警告している。

 IFPIでは違法ダウンロードの危険性を説明するために、複数の調査レポートを紹介している。Symantecの調査によると、ウイルスの拡散手段として最も多いのはメールだが、P2Pもトップ10に入っており、2007年上半期には感染の15%がeDonkey経由だったという。また、McAfeeが2007年6月に出したレポートでは、P2Pサービスを含むようなキーワード(例えば、LimeWireなど)で検索した結果には、スパイウェアやウイルスが仕込まれたページが含まれる確率が高かったとしている。

 2007年11月にIpsos-MORIが英国で行なった調査では、従業員の10人に1人が職場で音楽を違法ダウンロードしていた。特に若い年齢層で顕著で、25歳未満では5人に1人だったという。これを受けてIFPIでは「企業を巨大なリスクに晒すには、1人の人間を連れて行き、感染したファイルをダウロードするだけでいい」と警告している。

 Information Systems Audit and Control Association(ISACA)による米国の調査でも、仕事中に少なくとも1回はP2Pを利用したことがあるとした従業員が15%いることがわかった。

 一方、McAfeeが欧州のIT管理者を対象に実施した調査では、セキュリティ上の脅威と認識しているもののトップとしてWebからの音楽ダウンロードが挙がったにもかかわらず、3分の2は音楽ダウンロードを遮断していないと回答したという。このような状況を受けてIFPIでは、この潜在的な脅威に注意を向け、ネットワークを保護するために必要な処置をとるよう促している。

 このほかIFPIでは、P2Pアプリケーションで情報が漏洩した事例も紹介。2007年6月にPfizerから17,000人の従業員などの情報が漏洩したニュースや、9月にCitiグループから5,200人の顧客情報が漏洩したニュースなどを挙げている。

 このレポートは、「IFPI Digital Music Report 2008」に掲載されており、全文がPDFファイルでダウンロードできる。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.ifpi.org/content/section_news/20080307.html
  IFPI Digital Music Report 2008(英文、PDF)
  http://www.ifpi.org/content/library/DMR2008.pdf

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( 永沢 茂 )
2008/03/11 20:45

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