大阪電気通信大学は15日、コンピュータウイルスを作成して起訴された同大学院生に対して、無期停学の懲戒処分を下したと発表した。
処分にあたって大阪電気通信大学では、大学院生の行為について直接事情聴取を実施。その結果、1)友人の顔写真など個人情報を、本人に無断でネット上の不特定多数に流したことは、取り返しのつかない重大な行為であること、2)ウイルスを潜ませたファイルをネット上に流したことは、社会通念上はもちろん、高度な情報倫理が求められる高等教育機関にあっては決して許されない行為であること――の2点を確認したとして、教授会の審議を経て無期停学処分を決定した。今後は、大学院生の更正を進めるため、補導チームを発足して情報倫理を中心とした教育指導を定期的に行なうとしている。
大学院生は、通称「原田ウイルス」を作成していた。原田ウイルスは、ウイルス実行時にアニメ画像を表示することから、著作権法違反の罪で2月14日、京都地検に起訴されていた。さらに、ウイルスに友人の顔写真などを添付したことから、2月26日には名誉毀損の罪で追起訴されていた。
なお、大阪電気通信大学では、大学院生の逮捕に関連して、大学内の研究室が捜索を受けたり、コンピュータが押収されたことは一切ないとするコメントを発表。また、大学内のセキュリティ対策では、ファイル交換ソフト「Winny」は当初から使用できない設定にしていたため、大学が不正アクセスとウイルス拡散の舞台になったことはないとしている。
関連情報
■URL
大学院生の処分について
http://www.osakac.ac.jp/oecu/news/diary.cgi?no=251
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( 増田 覚 )
2008/03/17 15:19
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