英Sophosは19日、通称「原田ウイルス」を作成して著作権法違反などの罪で起訴された大阪電気通信大学の大学院生が、初公判で起訴事実を認めたことを伝えた。
Sophosは、18日に京都地裁で行なわれた初公判で大学院生が、実行されるとアニメ画像を表示するマルウェアを作成して著作権を侵害したことと、マルウェアに友人の顔写真を貼付して知人の名誉を毀損したことについて認めたと伝えている。
また、弁護側が意見陳述で、マルウェア自体の悪質性は低いことを主張。さらに、処罰する法律がないにもかかわらず、マルウェアを不特定多数に送信した罪を問うべきではないと主張したことも伝えている。
SophosのGraham Cluley上級技術コンサルタントは、「(巨大な犯罪組織を築いた)アル・カポネは、不正な金儲けではなく脱税の罪で逮捕された。これと同じく大学院生も、マルウェア作成ではなく著作権法違反の罪で告発された」とコメント。「大学院生が有罪になれば、多くの人は、ウイルスを作成したことよりも、軽率にアニメ画像を使用したことが問題であることに気をとめないだろう」と懸念する。
その一方で、アンダーグラウンドなコンピュータ関連組織に対しては、明確なメッセージが必要であると強調している。「マルウェアを流通させ、罪のない人々のコンピュータやデータに損害を与えるのであれば、大目に見られることがないということをわからせるべき」。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.sophos.com/pressoffice/news/articles/2008/03/nakatsuji.html
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( 増田 覚 )
2008/03/21 16:29
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