|
MySpace Developer Platform
|
|
Consumer Application Gallery
|
SNS「MySpace」のAPIを公開する開発者向けプラットフォーム「MySpace Developer Platform(MDP)」が日本向けにも27日より開始された。また、MDPを利用して開発されたアプリケーションを紹介する、ユーザー向けのサイト「Consumer Application Gallery」も国内向けに公開された。
MDPで公開しているMySpaceのAPIを利用することで、サードパーティはMySpace上で稼働するアプリケーションを自由に開発できる。具体的には、「OpenSocial API」「REST API」「ActionScript API」の3種類のAPIセットを開発者向けサイトで公開。サンプルコードなども用意するとともに、MySpace開発チームによるブログや開発者フォーラムなどのコミュニティを通じて情報を提供していく。
MDPは、米MySpaceでは2月5日から提供されており、2カ月弱で約5,000人の開発者が参加。音楽、映画、テレビ、政治、クイズ、ビデオなど、さまざまなカテゴリーのアプリケーションが開発されており、すでに約600種類が公開されているという。
MDPの特徴として、開発者に用意される「キャンバスページ」が挙げられる。このページは、アプリケーションを公開している開発者が自由に使用できるスペースだ。例えば、提供するアプリケーションによってはユーザー登録を要するものもあるが、開発者がキャンバスページで会員登録の受付を行なうことも許されている。また、広告収入も含め、アプリケーションの提供およびキャンバスページで得た収益は、原則として開発者に100%還元される。
こうして開発されたアプリケーションは、Consumer Application Galleryで探すことが可能だ。MySpace会員は、気に入ったアプリケーションがあれば、自分のプロフィールページやホームページに簡単に貼り付けられる。
● 国産アプリケーションを全世界2億人の市場へ提供可能
|
米MySpaceの最高技術責任者(CTO)であるエイバー・ウィットコム氏
|
|
MySpace会員同士の相性診断アプリケーション
|
MDPの日本展開に合わせて27日、日本法人であるマイスペースの大蘿淳司代表取締役社長と、米MySpaceの最高技術責任者(CTO)であるエイバー・ウィットコム氏が出席して記者説明会が開催された。
デモでは、ウィットコム氏自身のプロフィールページを表示しながら、動画プレーヤーをはじめ、写真や地図を表示するようなサードパーティ製のアプリケーションを貼り付けてカスタマイズしている例を紹介した。
大蘿社長も自身のプロフィールページを披露。デモアプリ段階だとしながらも、プロフィールページを閲覧している友人との相性を診断してパーセンテージ表示する日本語アプリケーションも紹介した。MDPでは、MySpace会員のプロフィール情報のうち、興味や星座といった公開されているデータにアクセスできるため、このような会員ごとにパーソナライズされるアプリケーションも開発が容易だという。
日本市場でMDPを展開する意義について大蘿社長は、全世界2億人以上のMySpace会員をターゲットにしたアプリケーション市場であることを強調する。試しに貼り付けたものだとして「脳内メーカー」のアプリケーションもちらりと見せた上で、「昨年流行した脳内メーカーのようなものもアプリケーション化することが可能だ。日本で開発されたアプリケーションをMySpaceに乗せることで、世界中に配布することが簡単にできるようになる」と説明。さらに「日本の開発者は世界における存在感がまだ十分ではない。日本の開発者がMDPを使い、単にアプリケーションを広く流通させて使用されるだけでなく、実際に収益も上げて大きな成功を収めることを強く期待したい」とも述べた。
● MySpaceは、コンテンツの創造・流通の場
|
マイスペースの大蘿淳司代表取締役社長
|
|
MySpace Developer Platformの日本市場における意義
|
説明会ではMDPのほか、「MySpace Japan」の事業ビジョンについても言及した。MySpace Japanの基本戦略として、「プロフィールを軸とする、アーティスト・クリエイターとファンのための“エンタメ系SNS”」を目指す。
2006年11月にスタートしたMySpace Japanには現在、45,000組以上のアーティストが登録しており、プロフィールページにおいて音楽や動画、さらにはお笑いやアニメなどのコンテンツを公開しているという。
しかも、単に公開されているだけでなく、「大事なのはプロフィール同士が繋がっていること」。気に入ったコンテンツはボタン1つで自分のプロフィールに貼り付けられるとし、その連鎖により友人間の口コミ効果でコンテンツが流通していくとした。この点に関して大蘿社長は、YouTubeなどとの比較で、「人を1カ所に集中させて見せるのではなく、分散型のコンテンツ流通」とも表現する。
さらに大蘿社長は「新しい才能を発見したり、コンテンツを生み出す場にしたい。“流す”インターネットから、“創る”インターネットへ」とも表現。MDPによるアプリケーションと同様、「日本のコンテンツをどんどん生み出して、海外にどんどん出していきたい」と述べ、開発者、アーティスト、クリエイターらにとってMySpaceが自己実現を支援する場であることをアピールした。
関連情報
■URL
MySpace Japan
http://jp.myspace.com/
MySpace Developer Platform
http://developer.myspace.com/
Consumer Application Gallery
http://apps.myspace.com/
■関連記事
・ 米MySpace、開発者向けプラットフォーム公開(2008/02/06)
・ MySpaceのユーザー向けアプリギャラリー、3月中には日本語でも展開(2008/03/14)
・ 米Yahoo!がOpenSocial陣営に加入、Googleらと非営利団体を設立(2008/03/26)
・ MySpace、日本語版「MySpace Japan」のテストサービスを開始(2006/11/06)
( 永沢 茂 )
2008/03/27 18:25
- ページの先頭へ-
|