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中国農村部のインターネット最新事情、CNNICが調査報告


 中国ネットワークインフォメーションセンター(CNNIC)は3月28日、中国の農村部におけるインターネットの最新統計についてまとめた「2008年農村互聨網(インターネット)調査報告」を発表した。


都市部との格差でインターネットの普及が遅れる農村部

 中国において農村部と都市部の経済的格差は、日本と比べてより深刻だ。同レポートによると、2000年には都市部の平均年収(6,280元、1元15円とすると9万5,000円弱、以下同)は、農村部の平均年収(2,253元、3万4,000円弱)の2.8倍であるのに対し、2007年には都市部の平均年収(1万3,786元、約20万7,000円)は、農村部の平均年収(4,140元、約6万2,000円)の約3.3倍となっており、都市部と農村部の収入の差は開く一方だ。

 このため、都市部ですらPCを購入するということは容易ではないのに、農村部ではさらにその状況に拍車がかかる。2006年末にはPCの普及率が、都市部において100戸中47.2台という結果だったが、一方で農村部では100戸中2.73台という非常に低い結果となった。

 通信環境においても同様に格差がある。固定電話の普及率については、都市部で100戸中93.30台であるのに対し、農村部では100戸中64.09台。携帯電話の普及率については、都市部では100戸中152.88台、農村部では100戸中62.05台となっている。

 したがってインターネットの普及率においても、都市部と農村部で大きな差がある。2007年12月末時点で、都市部のインターネット利用者が1億5,738万人であるのに対し、農村では5,262万人となっている。農村部のインターネットの普及率について、地域別では沿岸部での普及率は高く、内陸部でかなり低い結果となっている。

 ただし、2006年末における農村部のインターネット利用者が2,311万人だったため、1年間でじつに2倍以上の増加となっている。都市部との収入差は年々広がっているとはいえ、収入自体は増えており、またPCの価格も物価上昇の激しい中国においても年々下がってきているため、インターネット環境が手に入りやすい(インターネットカフェが作りやすい、ないしは家庭にインターネット環境を導入しやすい)というのは一因としてあるだろう。

 CNNICのレポートでは、農村部で多くの人々がインターネットを利用しない理由について、「収入の低さ」「通信環境の問題」「インターネットに対する興味のなさ」「十分な教育を受けていないこと」の4つを挙げている。調査によると、最も大きな理由は、一番最後に挙げた「十分な教育を受けていないこと」であり、インターネット非利用者の53.3%において、利用しない原因がこれにあるという。すなわち、具体的には「インターネットやPCがわからないから、難しそうだから」という理由だ。

 農村部におけるインターネット利用者の構成は、都市部に比べて男性の割合が高く、年齢は若い。最終学歴が高校ないしは中学で、収入が低くなっているという。


インターネット利用者の月収の比較。青が都市部、緑が農村部(CNNICの報告書より)

農村部でのネット利用目的は、都市部よりさらに娯楽中心

 農村部のインターネット利用者の利用目的(複数回答)は、「インスタントメッセンジャー」(81.2%)、「ニュース閲覧」(61.4%)、「オンラインゲーム」(58.2%)、「情報検索」(56.6%)、「電子メール」(40.7%)、「ブログ、個人のWebページの運営」(16.0%)、「電子政府」(14.7%)、「オンラインショッピング」(14.2%)、「eラーニング」(13.6%)、「オンラインバンキング」(9.4%)、「代理決済サービス」(8.5%)、「就職サイト利用」(8.0%)、「オンライントレーディング」(8.0%)となった。

 特に「ニュース閲覧」「情報検索」などの調べ物系の目的や、資金が必要な「オンライントレーディング」「オンラインバンキング」「オンラインショッピング」のほか、「電子メール」や「電子政府」では、利用率が都市部のインターネット利用者に比べて10ポイント以上低い結果となった。電子メールの利用率が少ない反面、インスタントメッセンジャーの利用率は非常に高い。ちなみにこの数字は都市部より若干高い。電子政府の利用率が低いのは、各地方政府のサイトが少ないことが一因としてある。中国全土には農村部の地域が3万4,000あるが、そのうち、1割未満の2,719の地域政府しかWebページを持っていない。

 一方でオンラインでの音楽や映像の視聴サービスの利用者は都市部の利用者の利用率を上回り、音楽視聴は農村部の利用者の86.4%が、映像視聴は76%が利用している。つまり、中国全体として「インターネットは学習よりも娯楽がため」という傾向はあるが、農村部ではその傾向がより一層強いと言える。

 中国全体で言えることだが、インターネットカフェの利用者は、そのほとんどがチャットや音楽・映像の視聴、オンラインゲームをしている。つまりインターネットカフェはインターネットサービスを利用した娯楽施設だと言える。インターネットを利用する場所について(複数回答)、農村部では「家庭内」(53.0%)、「ネットカフェ」(48.5%)、「職場」(15.0%)の順となり、都市部では「家庭内」(76.9%)、「職場」(29.8%)、「ネットカフェ」(28.6%)となっている。つまり、農村部ではインターネットカフェでのインターネット利用者の割合が都市部よりもずっと高く、反面、家庭内ないし職場での利用率は都市部より低い結果となった。


関連情報

URL
  ニュースリリース(中文)
  http://www.cnnic.com.cn/html/Dir/2008/03/28/5036.htm
  2008年農村互聨網調査報告(中文、PDF)
  http://www.cnnic.com.cn/uploadfiles/pdf/2008/3/28/165206.pdf

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( 山谷剛史 )
2008/04/02 12:52

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