国際レコード連盟は7日、大手レコード会社3社が中国の百度を相手に起こした著作権侵害訴訟が、審理に入ることで合意したと発表した。3社は、百度が著作権を侵害しているすべてのリンクを削除するよう、北京中級人民法院に対して求めている。訴えを起こしているのは、Universal Music、Sony BMG Music Entertainment Hong Kong、Warner Music Hong Kongの3社だ。
百度は、中国国内でMP3検索サービスを展開。このサービスでは、MP3ファイルを直接検索することができ、手軽に音楽を入手できるため人気を博している。国際レコード連盟ではこのサービスについて、数十万の著作権を侵害した音楽ファイルにリンクが張られていると推定している。
レコード会社3社では百度に対して、127の楽曲に関して合計6,350万人民元(約900万ドル)の損害賠償を請求している。この金額は、1楽曲当たり50万人民元(約7万1,000ドル)の計算となる。また、百度は25万曲以上の著作権侵害に加担していると推定しており、今後総額では数十億ドル規模の訴訟に直面する可能性があると、国際レコード連盟では指摘している。
同様のサービスを展開していたYahoo! Chinaに対しても訴訟が起こされており、2007年12月には北京高級人民法院が有罪判決を下し、判決が確定している。
また、中国国内で音楽配信サービス「Sogou」を展開しているSohuに対しても、レコード会社4社が法的措置を取ることも明らかになっている。こちらは、総額で750万ドルの損害賠償を請求している。
こうした措置について、国際レコード連盟の会長でCEOであるJohn Kennedy氏は、「レコード業界は中国のインターネット企業との提携関係を望んでいるが、それは著作権と法を遵守する態度に基づいた関係だ。インターネットの巨人である百度のような会社が、アーティスト、作曲家、レコードプロデューサーの権利を侵害することによって富を築くということは完全に間違っている」とコメントしている。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.ifpi.org/content/section_news/20080407.html
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・ Sony BMGなど3社、百度を著作権侵害で提訴(2008/02/05)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/04/08 12:12
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