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ワンクリ詐欺の理解度が大幅向上、押し売りソフトの対策も進む


 情報処理推進機構(IPA)は15日、情報セキュリティに関する意識調査の報告書を公開した。2007年3月の前回調査と比べると、「ボット」や「ワンクリック不正請求」の理解度が向上したが、「標的型(スピア型)攻撃」は9割が言葉を知らなかったという。調査は1月18日から19日まで、マクロミルのリサーチモニターから15歳以上のPCインターネット利用者を対象として、Webアンケートを実施した。有効回答数は5,148人。

 情報セキュリティに関する単語で最も理解度が高かったのは「ワンクリック不正請求」で、全体の66.2%が正しく理解していた。次いで、「コンピュータ・ウイルス」(61.9%)、「フィッシング詐欺」(50.8%)の順。前回調査と比較すると、「ボット」の理解度が3.4%から9.0%、「ワンクリック不正請求」が35.4%から66.2%と、ともに向上した。一方、「標的型(スピア型)攻撃」は9割が言葉を知らなかった。

 被害状況では、「全く知らない差出人から大量にメールが送られてきた」が31.1%で最多。次いで多かったのは、「コンピュータ・ウイルスに感染した(感染後にセキュリティ対策ソフトが検出したケースを含む)」の15.4%(前回17.3%)だった。

 「ワンクリック不正請求」の被害では、「ホームページ閲覧中に、契約した覚えのない料金の支払いを要求するメッセージが表示された」が10.6%(前回8.7%)、「覚えのない料金の支払いを要求するメールが送られてきた」が8.3%(前回6.3%)で、前回調査から微増。支払いを求めるメッセージやメールを受け取ったのは754人で、うち実際に料金を支払ったのは20人だった。

 また、セキュリティ対策ソフトの押し売り行為では、インターネット利用中に「貴方のPCがウイルスに感染しています」といったメッセージが表示され、セキュリティ対策ソフトのダウンロードを勧められた人は全体の32.5%(前回30.7%)。うち、「ダウンロードおよび購入した」は12.8%と、前回調査時の19.0%から減少した。IPAでは、「金銭的被害やPCの使用に不具合が出る実害を被るケースは減少しており、対策が浸透した」と推測している。

 このほか、情報セキュリティ対策で最も実施率が高かったのは、「怪しいメール・添付ファイルの削除」(84.6%)。以下は、「セキュリティ対策ソフトの導入・活用」(74.3%)、「Microsoft Update等によるセキュリティパッチの更新」(67.3%)が続いた。前回調査と比べると、各対策項目とも横ばいだったとしている。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.ipa.go.jp/security/fy19/reports/ishiki02/index.html

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セキュリティ意識は向上したが実際の対策は不十分、IPA調査(2007/07/10)


( 増田 覚 )
2008/04/15 15:52

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