楽天は8日、「楽天市場」の出店店舗を対象にした「楽天物流サービス」を開始した。商品の管理・配送を楽天がワンストップで行なう。利用料金は商材によって異なるため、別途見積もりとなる。
楽天物流サービスでは、入出荷・在庫保管・配送などの物流業務を楽天が代行する。楽天の専門スタッフが各店舗のニーズをヒアリングした上で、店舗の状況に応じた物流サービスを設計。入荷・検品・保管・ピッキング・梱包・包装・配送・棚卸しなど一連の作業工程を細かく分類し、各作業工程の中に店舗のニーズを反映することが可能という。
出店者は、仕入先へ発注した商品を、楽天が借りている専用倉庫に保管する。ユーザーから購入の申し込みがあれば、専門作業員が店舗の指定した方法で荷造りを行ない、配送業者に引き渡す。また、楽天物流利用店舗には、「出荷処理・在庫管理支援システム」を提供。倉庫管理システムと連動することで、商品の在庫状況を効率的に管理できるという。
楽天では、今回のサービス開始にあたり、専用倉庫となるディストリビューションセンター(DC)を東海地域に設けた。今後は首都圏・関東エリアをはじめ、各地にDCを設置し、拠点間をネットワークでつなぐ。これにより、全国に迅速な対応が可能になるという。
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楽天物流サービスのスキーム
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入出荷代行サービスの例
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楽天経営戦略本部事業統括室の平野雅史氏は、「楽天市場や楽天ブックスなど、2007年における楽天の流通総額は約5,400億円で、注文件数は7,000万件を超える」と説明。「ECサイトは、商品がユーザーの手元に届くまでに物流を介するため、多くのマーケットニーズが存在する」とした。また、「出店者は出荷作業や在庫管理、商品の保管場所など、物流に関する悩みを持っている」とのことで、そういったボトルネックを解消するため、楽天物流サービスを開始するという。
楽天物流サービスの特徴としては、「煩雑な物流作業から開放」「リーズナブルな価格」「出荷・在庫管理の効率化」を挙げる。平野氏は、「各店舗の取り扱いに応じて、安価かつワンストップのサービスを提供できる。また、荷姿・梱包は店舗に応じた対応が可能であり、高品位にすることで、ユーザーからも喜ばれる。物流支援システムにより、楽天市場での販売状況と在庫状況をシームレスに確認できる」と説明。配送業者は非公開だが、「1社とエクスクルーシブな契約をしているわけではない」と話す。
物流システムを効率化することで、ユーザーにとっては、商品配送時間の短縮なども見込めるとのこと。今後は、利用店舗数および物流ネットワークの拡大を目指す。
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楽天経営戦略本部事業統括室の平野氏
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今後はDCを全国に拡大し、ネットワーク化
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.rakuten.co.jp/info/release/2008/0508.html
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( 野津 誠 )
2008/05/08 17:40
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