中国音楽著作権協会(MCSC)や国際レコード連盟(IFPI)などが3日、中国の検索エンジン最大手である百度(Baidu)が音楽著作権を侵害しているとして、百度に経済的な制裁が必要とする共同声明を発表した。百度に広告を出稿する企業に対して、出稿を停止するよう呼びかけている。
今回の声明にはMCSCやIFPIのほか、映像著作物の集中管理団体である中国集体管理協会(CAVCA)、4大レコード会社であるUniversal、EMI、Sony BMG、Warner、中国内のレコード会社などが共同で署名した。
声明文では、百度について「中国最大の海賊版音楽提供者」と指摘。音楽市場の環境を整備するためには、従来から行なってきた法的措置だけでなく、経済的な側面からの制裁も必要であるとしている。
MCSCで会長を務めるQu Jing Ming氏によれば、広告主や広告会社に対して、「海賊メディアに広告を掲載し続けるべきかどうか慎重に判断してほしい」という趣旨の文書を送付したという。
また、経済制裁を呼びかける理由については、「訴訟が解決するまでに1年以上の歳月がかかることがあるが、権利者が受け取る賠償金は訴訟費用をカバーできる程度。この状況で我々が手を打たなければ、海賊行為が悪化する一方。あらゆる手段を使って、権利者が共同で行動した方が賢明と考えたため」と説明している。
なお、百度に対しては、Universal Music、Sony BMG Music Entertainment、Warner Music Hong Kongの3社が2008年2月に提訴。百度が検索結果などで、著作権侵害楽曲をホスティングするサイトへのリンクを掲載する行為が、著作権侵害に当たると訴えている。
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■URL
ニュースリリース
http://www.ifpi.org/content/section_news/20080603.html
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・ Sony BMGなど3社、百度を著作権侵害で提訴(2008/02/05)
( 増田 覚 )
2008/06/05 17:24
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