ソフォスは16日、2008年第2四半期(4~6月)における全世界のスパムメールの配信状況をとりまとめた。新たに、SNSや、携帯電話のSMS(ショートメッセージサービス)を利用してスパムを配信する傾向が見られたという。
SNSを利用したスパムの配信では、「Facebook」や「LinkedIn」などを利用して、懸賞サイトや金銭詐欺サイトなどへのリンクを送りつける手口が増加。この背景としては、企業内メールゲートウェイのセキュリティ対策が進んだ結果、メールによるスパム配信の効果が以前に比べて薄れてきたためと説明している。
Facebookのプロフィール情報にスパムメッセージを埋め込む手法も確認された。SNS利用者は自らのプロフィールを確認する機会が少なく、スパムメッセージに気づきにくいが、日記を読みにきた利用者がプロフィールを確認することが多いため、スパムメッセージが大勢の目に触れることになるという。
また、携帯電話のSMSを使用したスパムでは、4月に「すぐに電話するように」とのメッセージが5000人以上に送信され、連絡先として個人名と電話番号が表示されていた。この電話番号は、ダブリン動物園の交換台のもので、連絡先の人物名としてはRory LionやAnna Condaなど、動物の名前がもじられていた。5月には、ヒューストンやテキサスの動物園も同様の被害を受けた。
携帯電話のSMSを用いたスパムについてソフォスは、「特定の組織へのDoS攻撃を手軽に行うための手口としてSMSが利用されはじめている」と指摘。携帯電話の通信料金が安くなる中で、今後も同様な手口が増加するのではないかと懸念を示している。
このほか、ソフォスが2008年第2四半期に全世界で受信したメールを分析したところ、96.5%がスパムであることがわかった。この数字は、企業が受信するメールのうち、業務上必要なメールが28件中1件に過ぎないことになる。
なお、最も多くスパムを発信していたのは米国で、全体の14.9%を占めた。2位はロシア(7.5%)、3位はトルコ(6.8%)、4位は中国(5.6%)、5位はブラジル(4.5%)。日本は0.3%で33位だった。
関連情報
■URL
ソフォス
http://www.sophos.co.jp/
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( 増田 覚 )
2008/07/16 16:17
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