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米Yahoo!、保有するヤフー日本法人株売却の可能性も


 米Yahoo!のJerry Yang CEOとRoy Bostock会長は17日、株主に現取締役会への支持を求める公開書簡を送った。この中で、アジア資産売却の可能性について触れており、米Yahoo!が保有しているヤフー日本法人の33%の株式が売却される可能性も出てきた。

 この公開書簡で両氏は、現取締役会がGoogleとの提携などを含め、株主の最大利益のために行動していることを説明した。その一方で、Carl Icahn氏は自分の投資を短期的に回収するために株主の利益に反する行動を取る可能性があると指摘。またMicrosoftについても、ネットビジネスを理解していないかもしれず、ライバルの1つを減らしたいだけかもしれないと指摘した。

 その上で、Yahoo!現取締役会は3つの選択肢を株主に提示した。1つめは、会社全体を1株33ドルでMicrosoftに売却すること。2つめに、検索部門のみをMicrosoftに売却すること。そして3つめに挙げられたのが、米Yahoo!のアジア資産を売却し、株主に現金として還元することである。

 米Yahoo!のアジアにおける資産の中には、ヤフー日本法人の株式や、中国アリババの株式などが含まれるものと推測される。

 手紙の中では、「この選択肢は、十分な注意と慎重さを要する複雑な選択肢だ」とされており、言い回しだけからすると、積極的な選択肢ではなさそうだ。しかし、これまでの経緯を考えると、この可能性は一気に高まってきたと言える。

 まず、アジア資産の売却については、Microsoftが今年2月の買収提案以来、その可能性について慎重な姿勢で示唆し、その後、5月に買収合戦に参入したIcahn氏もその可能性について言及した。さらに7月12日のMicrosoftとIcahn氏の共同提案の中でも、アジア資産売却について検討することが必要との見解が明らかになっている。

 今回の手紙の中でYahoo!側は、「MicrosoftとIcahn氏の助けなしに現Yahoo!取締役会で決定できる選択肢である」としている。いずれにせよ、現経営陣も、取締役を入れ替えようとしているMicrosoftとIcahn氏も、双方がアジア資産売却の可能性に踏み込んだことで、この選択肢が実現する公算が一気に高まってきたといえそうだ。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://yhoo.client.shareholder.com/press/releasedetail.cfm?ReleaseID=322710

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/07/18 11:44

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