World Wide Webの発明者であるTim Berners-Lee氏は15日、新財団「World Wide Web Foundation」の設立計画を発表した。
この新財団は、Webの最終的な目標を「人類を結び付けるための技術になること」とした上で、1)フリーでオープンなただ1つのWebを発展させていくこと、2)Webの能力と堅牢性を広げていくこと、3)地球上にいるすべての人にWebの恩恵を広げていくこと――という目標を掲げる。
新財団の設立は2009年初頭に予定しており、すでにJohn S. and James L. Knight Foundationから500万ドルのシード資金を寄贈されている。
新財団では、具体的には3つの分野で活動を行う。1つ目は、Webサイエンスの研究支援だ。Webが将来も安定して使用できるように、必要な事柄の研究を支援する。その中にはプライバシーやセキュリティの問題、Web全体が関わる脆弱性の問題なども含まれる。
2つ目は、Webテクノロジーとベストプラクティスの研究支援だ。この分野では、コラボレーションとコミュニケーションを促進するような技術と基準の発展を支援する。
3つ目に、社会のためにWebができることについての研究を支援する。例えば、社会的あるいは経済的に恵まれないコミュニティに住む人々から学び、そうした人々を助けるためにWebが何をできるか研究する。また、医療、看護、教育、災害や緊急事態支援のために適切で、実際に使用でき、かつ役立つコンテンツを提供することも含まれている。
Tim Berners-Lee氏が関わっている団体には、W3CやWeb Science Research Initiativeが存在する。これらの団体はすでにコミュニティの中で独自の役割を果たしているため、新たな役割を担うことは適切でないと考えられた。そのため、Webの恩恵を受けられない人々をさらに支援するために新財団設立が計画された。
新財団は現在受けているシード資金以外に、将来的には5000万~1億ドル規模の資金を集めることを計画している。さらに、より少額の資金の寄附や、時間、サービス、ハードウェアなどの寄贈、草の根レベルの会員制度などによって、数百万単位の人々の関与を期待している。
関連情報
■URL
World Wide Web Foundation(英文)
http://www.webfoundation.org/
Web Science Research Initiativeに掲載されたニュースリリース(英文)
http://webscience.org/node/68
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/09/16 12:45
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