イー・アクセスは29日、子会社であるアッカ・ネットワークスの普通株式および新株予約権を公開買付けで取得することを決議したと発表した。
イー・アクセスは2008年7月31日付でアッカとの業務提携を発表しており、アッカ株式の45.10%に相当する7万8575株を取得済み。提携を合意した7月31日時点では2社が独立した上場企業として、技術や物流、カスタマーサービスなどで相互補完する方針であり、イー・アクセスのADSL設備と保守業務をアッカに統合、アッカの保守運用業務はイー・アクセスの子会社イー・モバイルに統合するといった施策を発表していた。
イー・アクセスによれば、具体的な事業提携の詳細設計が当初の想定以上のスピードで進み、2カ月間に数十回の検討会議を行った流れの中で、当初は対象外としていた営業・マーケティング部門や間接部門も統合の必要があるとの判断に至ったという。また、10月にはサブプライム問題から生じた国際金融危機や株式市場の混乱なども発生し、こうした事態に対応するためには当初の枠組みを超える企業価値向上策が必要になるとの考えもあるという。
買付け期間は10月30日から11月28日の20営業日で、買付け価格は1株当たり12万円と、10月28日終値の7万4400円に対して61.3%の価格。買付け数に上限は定めず、仮に全株を取得した場合の買付け額は最大約116億円になるという。
買付け終了後は、イー・アクセスを存続会社、アッカを消滅会社とする吸収合併の実施を計画。詳細は現時点では未定であり、今後行われる協議の上で決定するが、アッカの株主に対してはイー・アクセスの株式を交付することを予定。特段の事情がない限りは公開買い付けと同一の価格で交付する予定としている。
なお、アッカはジャスダック証券取引所に上場しているが、今回の公開買付けでは株式の上限を設定していないため、公開買付けの結果次第ではジャスダック上場が廃止となる可能性があるという。また、公開買付けが上場廃止の基準に達しない場合も、イー・アクセスによる吸収合併が行われた場合は上場廃止となる見込み。上場廃止の場合はアッカ株式の取引が困難になるが、イー・アクセスでは今回の公開買付けは上場廃止を意図したものではないと説明している。
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■URL
ニュースリリース
http://www.eaccess.net/cgi-bin/press.cgi?id=814
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・ アッカ、イー・アクセスと業務提携でイー・アクセスの子会社に(2008/07/31)
( 甲斐祐樹 )
2008/10/29 19:42
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