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楽天の第3四半期決算、営業利益が過去最高、前年同期の2倍に


三木谷浩史代表取締役会長兼社長
 楽天は7日、2008年第3四半期(7~9月)の連結決算を発表した。売上高が623億7000万円(前年同期比19.8%増)、営業利益が125億4000万円(同100.2%増)、経常利益が116億6000万円(同89.9%増)だった。営業利益は前年同期の2倍に達し、第3四半期としては過去最高を記録した。

 売上高増加の要因としては、楽天市場の成長加速やフュージョン・コミュニケーションズの連結、楽天トラベルが順調なことを挙げている。利益増加については、楽天市場の増益や楽天KCの損益改善、楽天トラベルの利益率向上のほか、コスト構造の見直しに取り組む「Project V」による費用減少の成果を挙げている。

 Project Vでは、二重家賃の解消や開発の効率化、業務委託の見直し、派遣社員の削減などを行ったほか、交通費や印刷費、光熱費などを削減する「ケチケチプロジェクト(KKP)」も進めている。KKPでは、例えばコピー機の利用料金や紙代を節約する取り組みも行っており、2008年9月の印刷コストは、3月に比べて68%(月額960万円)減少したという。

 実際、7日に行われた決算説明会で報道関係者に配布されたプレゼンテーション資料は、複数スライドを1ページ内に印刷したものだったが、類を見ないのは、A3サイズを使って紙の枚数を少なくしていること。三木谷浩史代表取締役会長兼社長は、これも印刷コスト削減の一環だと説明した。

 こうした取り組みにより、営業費用は第1四半期に比べて4.8%(約25億円)削減。一方で売上高は4.8%増加したことから、営業利益率は第1四半期の12.1%、第2四半期の17.7%から、今期はさらに20.1%へ改善した。

 なお、2008年1~9月通期では、売上高が1841億8500万円(前年同期比22.0%増)、営業利益が308億1500万円(同56.2%増)、経常利益が290億6400万円(同37.5%増)だっだ。当期純利益は134億6800万円(同69.1%減)だったが、これは、前年同期は関係会社の有価証券売却による特別利益があったためと説明している。楽天会員数は9月末現在で4254万人になった。

 三木谷社長は世界経済が減速している中で業績が順調に推移している点に関して、従来インターネットで買い物をしていない層が利用するようになったことを挙げたほか、ガソリンの高騰で家にいる時間が長くなっていることもECの利用を増加させていると指摘した。全体的な購買傾向を見ると、ファッションなどの日用品などが購入されるようになったとしており、特に若年層を中心に「普通の商品」を買うようになったという。単価は下がってきているのが現状だが、購入の頻度は上がっているとした。

 また、日本の小売業におけるECの比率は2%程度だとしており、米国や韓国の5%に比べると日本は遅れていると説明。今後、日本でもEC率が2倍、3倍になっていくとした。来期についても、世界経済が崩壊しなければ、楽天市場の成長トレンドが続くのではないかとした。


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URL
  楽天株式会社 投資家向け情報
  http://www.rakuten.co.jp/info/ir/

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( 永沢 茂 )
2008/11/07 20:02

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