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現在はベータ版を公開中
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マイクロソフトは13日、「Windows Live」新バージョンの正式版を12月から段階的にリリースすると発表した。
主なソフトは、「Windows Live メール」や「Windows Live Messenger」をはじめ、画像管理ソフト「Windows Live フォト ギャラリー」、ブログ記事作成ソフト「Windows Live Writer」、フィルタリングソフト「Windows Live ファミリーセーフティ」など。新たに「Windows Live ムービー メーカー」ベータ版も加わった。
また、Webサービスでは、「Windows Live Hotmail」をはじめ、オンラインストレージ「Windows Live SkyDrive」、ブログサービス「Windows Live スペース」、カレンダーサービス「Windows Live カレンダー」など。新たに、写真共有サービス「Windows Live フォト」も加わった。さらに、主要なサービスをまとめたホームページもリニューアルする。
本稿では、メインの機能強化ポイントについて紹介する。
● 写真共有サービスの開始とストレージ容量の拡大
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Live フォト
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スライドショーの画面
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「Windows Live」の新バージョンは、マイクロソフトの社内用語で「Wave3」と呼ばれていたもの(2007年にWindows Live日本語正式版を公開した時はWave2バージョンだった)。現在は各ソフトのベータ版を公開している。Wave3の特徴はソーシャル機能の強化だ。
目玉は、「Windows Live フォト」の追加と「Windows Live SkyDrive」の保存容量拡大だ。Webフォトは、「Windows Live スペース」のアルバム機能を独立・強化したサービスで、保存領域としてSkyDriveを利用しているのが特徴。また、SkyDriveは従来の5GBから25GBに容量を拡大した。
Live フォトでは、画像のアップロード・共有が行える。トップページでは、ユーザーが更新した「最新のフォトアルバム」と「つながりの更新情報」がわかる。つながりの更新情報では、Messengerのバディリストなどに登録している相手が新しい画像を追加した際に、その内容がわかる。更新情報はMessengerでも確認できる。
アルバムページでは、画像のサムネイルを一覧表示するほか、ブラウザ上でスライドショーを再生できる。スライドショーは、画像に合わせて背景色を自動で変える機能も備える。さらに、Silverlight版のスライドショーも用意。ページの背景に他の画像をランダムで散りばめるなど、よりリッチな表現が可能になるという。
フォトアルバムには個々に細かく共有設定ができる。まず、全体公開または「つながり」登録者のみを選べ、加えて、Messengerのバディリストにあるカテゴリー別に共有することが可能。メールアドレスを指定すれば、特定のユーザーとだけ共有できる。このほか、画像のダウンロードやブログなどへの貼り付け用HTMLタグも生成する。
クライアントソフトの「Windows Live フォト ギャラリー」にも、ソーシャルの概念を追加している。ポートレートに「人物タグ」を付加できるようになった。フォト ギャラリー上で顔認識が可能になり、指定した人と名前(タグ)を紐付けて保存できる。その後、人物名での検索や、写真の人物にマウスオーバーして名前を表示するといった使い方が可能となる。同時に、オンライン上のアルバムから指定したタグ付きの写真もチェックできる。
日本独自で、Windows Vista用のLive フォトガジェットもリリースする。指定したアルバム内の画像をテスクトップ上で閲覧できる。スライドショー再生や「つながり」登録者の更新情報を確認可能。画像の追加もガジェットから行える。ガジェットで画像追加ウィンドウを開き、PC内にある画像をドラッグ&ドロップでLive フォトにアップロードできる。この技術を応用してWindows Mobile版のLive フォトアプリケーションも開発する予定という。
フォトアルバムは従来、バックエンドでLive スペースの保存領域に画像を格納していたが、次期バージョンからSkyDriveに統一する。SkyDriveでは、利用可能な容量を25GBに拡大。従来バージョンから20GB増える。トップページもリニューアルし、ここでも「つながり」登録している相手のファイル更新状況を確認できる。フォルダのジャンルは、「文書」「お気に入り」「写真」に変更した。「写真」にはLive フォトの画像が保存される。
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Live フォトの個別画像ページ
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SkyDriveのトップページ
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Windows Vista用のWebフォトガジェット
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ガジェット経由の画像アップロード
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Windows Live フォト ギャラリーの人物タグ機能
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SkyDriveのフォルダ構成
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● プロフィール公開ページを用意、グループ作成機能も追加
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新しくなったWindows Liveのホームページ
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Windows Liveのホームページでは、各サービスへのリンクをはじめ、設定した地域の気象情報、Hotmail受信トレイのプレビューを表示する。新バージョンでは、Live フォトのアルバム表示、「つながり」登録者のプロフィール更新情報などを確認できる。
ユーザーのプロフィールを公開するページも設けた。プロフィールページは、公開設定に応じて他のユーザーが閲覧できる。ユーザーの自己紹介をはじめ、一言メッセージやLive フォト、ブログの更新情報などを表示する。あしあと登録やメッセージ送信など、SNSのような機能も備える。
また、「つながり」登録者の一覧をアイコンで確認できる。アイコンから相手のプロフィールページへ移動できるほか、Messengerのプレゼンスに応じてアイコンの色が変化するようになっている。さらに、「つながり」登録者の全表示ページで、登録している相手のカテゴリー管理なども可能だ。
このほか、外部のソーシャル系サービスとも連携可能で、FacebookやTwitter、WordPressなど、自分が利用している他のサービスを登録しておくことで、それらの更新状況を表示できる。正式版の開始当初は米国のサービスが中心になるが、日本のサービスも登録できるよう検討を進めているという。
コミュニティ機能「グループ」も追加した。Windows Liveホームページの上部メニューにある「その他」から作成できる。グループページでは、参加メンバーの管理をはじめ、掲示板やLive フォトのアルバム、カレンダー、SkyDriveが利用可能。グループごとに25GBのストレージ容量を付与する。グループを作成すると、自動的にMessengerにグループメンバーが追加され、そこからグループチャットを開始できる。また、グループ用のメールアドレスが与えられ、メーリングリストとして利用できる。
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プロフィールページ
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外部サービスを追加可能
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グループページ
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● Hotmailは容量無制限化へ、他社メールアカウントの登録も可能に
「Windows Live Hotmail」は、すでに9月から新機能を追加しており、現在はすべてのユーザーが新バージョンへの移行を完了しているという。
具体的には、ユーザーインターフェイスを変更し、標準と拡張版を統一するとともに、高速化も図っている。Webメッセンジャーの追加やカレンダー機能の強化、Windows Live Messengerに登録してあるメンバーとアドレス帳にあるメンバーの一元管理も可能となった。迷惑メール対策も向上しているという。
また、2009年初めには、Hotmailに他のメールアカウントを登録し、送受信できる機能を追加する。現在のLive メールでも複数アカウントの設定が可能だが、それと同じ機能をWeb上のHotmailでも実現するイメージだ。さらに、保存容量も拡大する予定で、2009年中には具体的な容量表示を廃止し、実質無制限になるという。
Windows Liveの携帯電話向けホームページもリニューアルする。デザインの変更をはじめ、「つながり」登録者の更新情報を携帯からも確認できる。Live フォトのアルバムも閲覧でき、サムネイルでの一覧表示や、画像に付けられたコメントもチェック可能。このほか、携帯向けにバナー広告の配信も行う。
Windows Live新バージョンの正式版は、12月上旬から順次リリースする。初めにWebサービスの正式版を公開。クライアントソフトについては、まず、現在公開されているWave3のベータ版をそのまま提供し、2009年初めから正式版を公開する。続いて、2009年1月上旬にバックエンド側の機能強化を実施。マイクロソフトによれば、2月頃には全サービス/ソフトが正式版へ移行するという。
なお、今回紹介した以外のWindows Live製品の詳細および機能ついては、12月の正式版公開以降に明らかにされる。
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現在のHotmailの画面
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Messengerでも「つながり」登録者の更新情報を確認可能
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Hotmailの変更・機能追加ポイント
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携帯電話向け新しいホームページ
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リリーススケジュールと製品群
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関連情報
■URL
Windows Live プロモーションサイト
http://go.windowslive.jp/new/
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( 野津 誠 )
2008/11/13 14:22
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