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署名ページでは、規制の概要を説明
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メッセージと、署名入力フォーム
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楽天は13日、一般医薬品のネット販売を規制する厚生労働省の省令案について、修正を求めるための署名活動を開始した。「楽天市場」の医薬品関連カテゴリー内に署名ページを開設し、消費者や事業者に賛同を求めている。
医薬品のネット販売規制は、2006年6月に成立した改正薬事法が2009年6月1日に完全施行されるのを受け、薬事法施行規則の一部を改正する省令案によって予定しているもの。改正薬事法では、一般医薬品を、特にリスクの高い「第1類」、リスクが比較的高い「第2類」、リスクが比較的低い「第3類」に区分しているが、省令案では、インターネットを含む通信販売は第3類に限定することとしている。理由は、対面販売でないからだという。
その結果、現在はインターネットで購入できている一般医薬品のうち7割近くが販売できなくなるとされる。具体的には、「ガスター10」などのH2ブロッカー含有薬、「リアップ」などの発毛薬、「ウィンダム」などの水虫薬、「ルル」などの風邪薬、「コーラック」などの便秘薬、「ボラギノールA」などの痔薬はじめ、多数の一般医薬品が該当する。
これに対して楽天では、消費者の利便性を損なうことや、中小薬局の販路が制限されること、インターネット販売が店頭販売に比べて安全性に劣ることが実証されていないこと、省令で規制することに法的根拠がないことなどを指摘。ヤフーや医薬品のネット販売事業者らとともに規制反対の意見書を厚労大臣宛に出したり、省令の改正案についてのパブリックコメントも提出していた。
また、政府の「規制改革会議」も11月11日に同様の見解を表明。インターネット販売などに関する規制を省令案から撤回した上で、「公平性を確保したIT時代に相応しい新たなルール整備を早期に行うべきである」としている。
しかし楽天によれば、こうした多くの問題点が指摘されているにもかかわらず、厚労省は規制を実施に移す姿勢を崩さないという。そこで今回、消費者や事業者から声を集め、同省などに訴えていくことにした。
署名ページは「困ります、私たち。~ネットで薬が買えないなんて~」というタイトルで、規制の概要を説明するとともに関連資料もリストアップ。「現状問題なく行われている医薬品のネット販売が継続できる内容に省令案を修正することを望む」とのメッセージを掲げ、賛同の署名を求めている。署名は、氏名、住所、メールアドレスを同ページ上で入力することで行える。
集めた署名は、厚労大臣や規制改革担当大臣、経済産業大臣、IT担当大臣、自民党幹事長、民主党幹事長をはじめとした関係者に意見書とともに提出する予定。
関連情報
■URL
署名ページ
https://common2.rakuten.co.jp/form/medicine/net_signature/index.html
ニュースリリース
http://www.rakuten.co.jp/info/release/2008/1113pa.html
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( 永沢 茂 )
2008/11/13 20:52
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