日本レコード協会は24日、携帯電話向けの違法音楽配信に関するユーザー利用実態調査の結果を公表した。違法サイトの利用率は全体では2007年からやや減少したが、10代後半では増加しており、違法音楽ファイルのダウンロード数は1年間で推計で約4億ファイルに上ったとしている。
調査は、2008年10月10日~12日にモバイルアンケートを実施。対象者は12歳~39歳の携帯電話利用者で、サンプル数は1050。調査結果には、日本の人口構成比(国勢調査結果)と事前調査による着うた/着うたフル利用率に基づいた補正が行われている。
調査では、常にすべての音楽を無料でダウンロードできる携帯電話向けサイトを「違法サイト」と定義。ただし、プロモーション目的で一定の期間、無料で音楽をダウンロードできるサイトは含まれず、アンケートにもその旨を明示している。また、掲示板サイトにおけるファイル投稿(アップロード)も違法サイトに含まれる。
違法サイトの利用率は、「よく利用している」「たまに利用している」の合計は34.5%で、2007年の37.1%からは減少。また、違法サイトの存在を知っているとする割合は80.8%で、こちらも2007年の82.5%から減少した。一方、違法サイトの利用率を回答者の年代別に見ると、12~15歳は63.6%、16~19歳は59.5%と10代が高く、特に16~19歳では2007年(56.8%)から増加している。
違法サイトに音楽をアップロードした経験があるという回答は11.6%で、2007年の14.0%から減少。こちらも12~15歳では前年の17.2%から20.2%に増加したが、35~39代では前年の16.3%から5.9%に減少している。
違法サイトの利用に後ろめたさを感じるかという質問に対して、「とても感じる」「多少感じる」という回答の割合は28.2%で、2007年の22.9%から増加。年代別では、12~15歳が44.0%、16~19歳が34.3%、20~24歳が23.7%、25~29歳が21.1%などで、若い世代ほど後ろめたいと感じている割合が高い。
違法サイトからのダウンロード頻度は、「着うた」が月平均1.8曲、「着うたフル」が月平均2.4曲。日本レコード協会では、今回のアンケート結果と国勢調査、携帯電話保有率、モバイルインターネット利用率などから、違法着うた・着うたフルの年間ダウンロード数を推計。1年間に4億714万曲の違法着うた・着うたフルがダウンロードされたとしている。
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■URL
ニュースリリース
http://www.riaj.or.jp/release/2008/pr081224.html
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( 三柳英樹 )
2008/12/24 18:16
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