情報通信研究機構(NICT)は9日、高速ネットワークを活用して世界の電波望遠鏡のデータを結合することで、地球規模の巨大な仮想電波望遠鏡を合成するイベントに参加すると発表した。
NICTでは、遠隔地にある複数の電波望遠鏡を結合してVLBI(超長基線電波干渉計)観測を行う技術「e-VLBI」の開発を進めており、今回、「2009年世界天文年」の記念イベントとして15~16日に行われる大規模e-VLBI観測に参加する。
観測は、プエルトリコにある直径305mの電波望遠鏡「アレシボ」をはじめ、世界12カ国・計18個所の電波望遠鏡が参加するもので、過去最大規模の国際e-VLBI実験になるという。日本からは、鹿島にあるNICTの34mパラボラアンテナが参加。観測したデータをリアルタイムに、実験用の高速ネットワーク「JGN2plus」経由でオランダのデータ処理局に伝送する。
NICTによると、VLBI観測では大量のデータを記録・処理するため、従来は磁気テープに記録してデータ処理局に輸送・処理していたが、現在では超高速インターネットを利用してデータをデータ処理局に伝送・処理するe-VLBI技術が盛んに研究されているという。
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今回の国際e-VLBI観測に参加する電波望遠鏡のマップ
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■URL
ニュースリリース
http://www2.nict.go.jp/pub/whatsnew/press/h20/090109/090109.html
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( 永沢 茂 )
2009/01/09 16:19
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