ソフォスは10日、2008年第4四半期(10~12月)のスパム最多送信国ワースト12を公表した。調査は、世界に展開しているSophosLabsのリサーチャーが受信したスパムを分析したものだ。
調査によれば、スパム最多送信国の1位は米国で19.8%、2位は中国で9.9%、3位はロシアで6.4%だった。中国は、2008年第1~3四半期の各回調査でランクは4位、配信比率は5%台だったが、今回は配信比率、ランクともに上昇した。
ソフォスによれば、ロシア、ブラジル、トルコも上位ランキングの常連国になっているという。「対照的に、カナダ、日本、フランスなどの国々は、5年前まではワースト常連国だったが、対策が進み、もはやスパム配信国のリストに登場しなくなった」とのこと。なお、日本は今回31位(0.6%)だった。
ソフォスは今回のレポートにおいて、2004年1月の世界経済フォーラムでビル・ゲイツ氏が「2年以内にスパムは『過去のもの』になるだろう」と発言したことについて触れ、「この予言から5年経った今も、スパムは依然としてPCユーザーにとって大きな問題として生き残っており、従来にも増して手法が巧みになっている」と指摘する。
ソフォス上級技術コンサルタントのグラハム・クルーリー氏は、「最新の統計数値によれば、国ごとのスパム配信比率は低下したかもしれないが、スパマーはその不正な手法をさらに創造的に変化させ、できるだけ多くの一般PCユーザーにメッセージが届くよう進化を続けてる。スパム撲滅のめどは立っていないのが現状」としている。
ソフォスは最近の動向として、「サイバー犯罪者は、2008年第4四半期において、FacebookやTwitterのようなSNSにますます関心を深めている」と説明する。SNSはユーザーのアクセス頻度が高いため、スパマーやマルウェアの作者の主要なターゲットになっているという。サイバー犯罪者は、一般ユーザーのアカウントに侵入し、SNSが信頼されていることを巧みに利用して、スパムやマルウェアを送信する。
2008年11月には、Facebookユーザーをだましてパスワードとユーザー名を開示させ、その情報を使って個人プロフィールへのアクセス権を得て、スパムメッセージが送信するという事件があった。クルーリー氏は、「サイバー犯罪者は、ユーザーが未承諾メールを受信する場合よりも、信頼できるFacebookの友人から来たように見えるメッセージの方がより簡単にだまされるということを知っている。ユーザーがこうした詐欺にだまされ続ける限り、詐欺師もこの手口を継続して使用する」と説明する。
関連情報
■URL
ソフォス
http://www.sophos.co.jp/
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( 野津 誠 )
2009/02/10 17:07
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