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神奈川県立高校生の情報再放流者に、「再発信禁止」の仮処分命令


 日本IBMは13日、神奈川県立高校の生徒の個人情報がファイル共有ソフトに流出した件について、流出した情報の削除と情報拡散の阻止のために実施してきた対策の状況を公表した。

 この問題は、日本IBMが神奈川県教育委員会から受託していた授業料徴収システムに関連する資料の一部が、業務委託先の社員が所有するPCから流出したもの。この業務委託先の社員が所有するPCに情報が保存されており、ウイルスに感染したことからファイル共有ソフトのネットワークにファイルが流出。情報には生徒の口座情報などの個人情報約11万人分が含まれていた。

 ファイルは当初「Winny」のネットワークに流出したとみられ、日本IBMではWinnyネットワークの監視を行ってきたが、2008年11月には「Share」のネットワーク上に流出ファイルが流通していることを確認。日本IBMではISPに協力を要請し、ファイルをShareでダウンロード可能にしているユーザーを特定、ファイルの削除を要請してきた。この結果、2009年2月末時点で、ファイルをダウンロード可能にしていたユーザーのほとんどが当該ファイルを削除し、情報の拡散が回避されつつあるという。

 また、2009年1月には、Winnyネットワーク上に流出ファイルが再放流されているのを確認。調査の結果、ファイルとして完全にダウンロードすることは極めて難しい状態となっているが、当該ユーザーに対してはShareのケースと同様にファイルの削除を要請していくという。

 日本IBMでは、今後もShareおよびWinnyのネットワーク上を継続して観測し、該当の個人情報が含まれるファイルの検索および入手が実質的に不可能となるまで対処していくとしている。

 また、情報の再放流者に対する法的措置としては、意図的に情報の拡散を図ったと見られる人物に対して、2009年12月から該当ISPに対して発信者情報の開示請求を要請してきたが、任意の開示が得られなかったため、日本IBMでは2月9日に東京地裁に当該ISPへの発信者情報開示の仮処分を申請。2月26日に仮処分が認められたことから、開示情報をもとに、3月5日には当該人物に対して「情報の再発信の禁止」を求める仮処分を申請し、6日に仮処分が認められた。既に当該人物には裁判所からの仮処分の通知がなされており、対応を注視していくとしている。

 さらに、この件については経済産業省にも報告しており、ウイルスなどが介在して不正に取得された個人情報を意図的に拡散させる行為に対する法整備や規制強化を、関係省庁に求める活動も継続して実施していくとしている。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www-06.ibm.com/jp/news/2009/03/1301.html
  神奈川県授業料徴収システムに係る個人情報の流出に関する対応状況について
  http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/ed_zaimu/ryushutu/keika.html

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( 三柳英樹 )
2009/03/16 17:23

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