シマンテックは、2009年2月のスパム動向をまとめた月例レポートを発表した。アカデミー賞の授賞式や不安定な経済状況に便乗したスパムメールが目立ち、メール全体に占めるスパムメールの割合は1月の76%から86%に増えたという。なお、今回の月例レポートからは、ネットワーク層でフィルタリングされたスパムメールについても統計データに含めている。
アカデミー賞にノミネートされた俳優の中では、特にブラッド・ピットの名前が多く悪用されたほか、妻のアンジェリーナ・ジョリーの記述を含むスパムメールが一時的に流行。件名には、「アンジェリーナ・ジョリーのホームビデオが流出(Angelina Jolie leaked home video)」「減量にはオプラ・ウィンフリーやブラッド・ピットも愛用するAcai Berry Supreme(Acai Berry Supreme Used by Oprah Winfrey and Brad Pitt for WeightLoss)」などの言葉が使われていたとしている。
ブログの執筆者を募るスパムメールが多く検知されたことも2月の特徴だ。具体的には「1時間12-50ドルでブログを書いてくれるフリーランスライターを募集中。1日に1-2回ブログを更新するだけで週給数百ドルの報酬」という内容でブログ執筆者を募るが、スパムメールのリンク先は、クレジットカード番号などの個人情報を入力させる会員制サイトだという。また、そのページにはセキュリティに関するロゴが掲載され、閲覧者に安心させるための工夫が施されていたという。
月例レポートではこのほか、スパマーがグリーン化する傾向も見られたと指摘。2月に報告された“グリーンスパム”では、再生可能エネルギーで電気代を無料にする方法や、電力会社に電気代を肩代わりさせる方法などが紹介されていたという。また、これらのスパムメールには、ユーザーを安心させるために「御社の製品で初めての太陽電池パネルを作りました」などの体験談も記載されていたという。
関連情報
■URL
3月のスパムレポート(英文、PDF)
http://eval.symantec.com/mktginfo/enterprise/other_resources/b-state_of_spam_report_03-2009.en-us.pdf
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( 増田 覚 )
2009/03/23 14:27
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