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MySpace Japan Official Avatarの例
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マイスペースは22日、SNS「MySpace」にて3Dアバターサービス「MySpace Japan Official Avatar」を開始した。基本利用は無料で、アバターのアイテムを有料販売する。
「MySpace Japan Official Avatar」は、「MySpaceアプリ」として提供され、ユーザーの「マイアプリ」にデフォルトで設置済み。初期状態は、アバター未登録になっており、アバター作成ページで登録を行う。
アバターは7等身スタイルで、アクションを設定し、動きを付けたり、向きを変えることもできる。登録時に初期アイテムとして顔や髪型、服装が用意されるほか、アイテムショップページで無料アイテムや有料アイテム(40円~)を入手できる。アイテム総数は2000種類以上。決済はクレジットカードとWebMoneyに対応する。
作成したアバターは、ユーザーのプロフィールページに表示できる。アバターの表示は「全身」「上半身」「顔アップ」を選べるほか、コメントや「拍手」を送ることも可能。多く拍手されたアバターは、「MySpace Japan Official Avatar」のトップページでランキング表示される。また、フレンドのアバターも表示され、当該ユーザーのプロフィールページにリンクする。このほか、アバターは携帯電話向けの「MySpaceモバイル」でも表示できる。
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5月以降はプロフィール写真にもアバターを表示可能
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3Dアバターショップ
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アイテムショップ
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アバターが付けているアイテムを確認できるMyコーディネート
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● MySpaceアプリを新しい経済圏に
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左から、Anyの畑野仁一代表取締役CEO、マイスペースの大蘿淳司代表取締役社長、エイチアイの川端一生代表取締役兼CEO
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「MySpace Japan Official Avatar」は、MySpace上でアプリケーションを公開できる「MySpace Developer Platform」を通じて提供するもの。マイスペースでは、3Dアバターサービスを提供する株式会社Anyと業務提携し、日本のユーザー向けに公式アバターの提供を開始した。今夏をめどに海外展開も図るという。
マイスペースの大蘿淳司代表取締役社長は、「MySpace Developer Platform」について、「MySpaceアプリを貼ると、フレンドへ新着情報として通知される。良いアプリであれば、特に宣伝をしなくてもシステム的にフレンドのネットワーク上を伝播するためモメンタム効果が生まれる」と説明。「ターゲットは全世界2億人以上のMySpaceユーザーであり、収益機会も得られるほか、OpenSocialに対応する他のサービスにアプリを移植することも容易」とした。
2009年4月現在、「MySpace」は世界31カ国で提供されており、ユニークユーザー数は2億人以上。「MySpaceアプリ」の公開アプリ数は8325点で、そのうちの50%がゲーム系、20%がコミュニケーション系だ。全アプリの累計インストール数は1億7000万件。最もインストールされているアプリは、育成型RPG「MOBSTERS」で1345万件に上る。「MOBSTERS」はアイテム課金を採用しており、収益は月間数千万円になるという。「MySpaceのアプリプラットフォームは、ゲーム系では世界で一番利用されている」。
また、スクウェア・エニックスが「MySpace Developer Platform」を通じてカジュアルゲームの配信を開始したことに触れ、「大手ゲーム会社にもMySpaceをゲームプラットフォームとして活用いただいている」と説明。「MySpaceアプリは、単にユーザー数を増やすだけでなく、収益へ結び付けることも可能であり、新しい経済圏になりたい。その一歩として、まず日本でAnyと3Dアバターサービスを開始する」とした。アバターに着目した理由については、「ゴスロリファッションなど日本のサブカルチャーに世界中が興味を持っている。そういったものを売り込むにはアバターが合っていると考えた。アバターを通じて、日本の文化を世界に発信したい」と述べた。
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モメンタム効果で短期間にアプリを広めることが可能
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「MOBSTERS」海外のアプリで、マフィアの世界を舞台にしたRPG
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● 国産SNSもAPIやインターフェイスを公開すべき
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主なソーシャルプラットフォーム
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株式会社Anyの畑野仁一代表取締役CEOは、SNS上でアプリを提供するソーシャルアプリケーションについて説明した。ソーシャルアプリケーションを展開できる代表的なプラットフォームとしては、2007年11月にGoogleが発表した「OpenSocial」や、SNS「Facebook」に特化した「Facebook Platform」がある。
畑野氏は、「海外ではソーシャルプラットフォームが広まっているが、日本では流行っていない」と話す。その理由として、「日本のSNSはAPIやインターフェイスを公開しないクローズ型が主流。サードパーティーが自由に参入できないため、コンテンツが充実していかない」と述べた。「クローズ型のSNSでは成長に限界がある。ユーザーはSNS事業者からのみ与えられるコンテンツ・機能に飽きている。海外の事例のように、日本のSNSもプラットフォームを開放し、サードパーティ-のコンテンツを増やすべき」とした。
Anyは、各SNSのソーシャルプラットフォームへアプリを提供する「ソーシャルアプリケーションプロバイダー」として、3DアバターのシステムをASP化して提供する。他のソーシャルアプリとの違いは、アプリによって得た収益を、ソーシャルプラットフォーム側とシェアする点だ。これにより、「ソーシャルプラットフォームとWin-Winの関係を築く」。なお、Anyの3Dアバターサービスは、楽天が提供する自己紹介サイト「前略プロフィール」にも提供している。3Dアバターの技術面では、株式会社エイチアイが協力。同社の川端一生代表取締役兼CEOは、提供しているアバターシステムについて説明し、「サーバー上でレンダリングを行う部分を担当している。大量のデータ処理に対応できるため、世界展開も可能」と述べた。
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日本のソーシャルプラットフォーム
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3Dアバターアプリのビジネスモデル
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関連情報
■URL
MySpace Japan Official Avatar
http://jp.myspace.com/3d_avatar
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・ 「脳内メーカー」のような国産アプリを「MySpace」に乗せて全世界へ(2008/03/27)
( 野津 誠 )
2009/04/22 19:02
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