日本ビジュアル著作権協会は25日、同協会に所属する174人の著作権者が、米Googleの書籍検索サービス「Google Book Search(Googleブック検索)」の和解案に同意しない方針を表明したと発表した。詩人の谷川俊太郎氏、脚本家の倉本聰氏、小説家のねじめ正一氏らが含まれる。
Googleでは、世界各国の図書館や出版社などと提携し、スキャンした書籍を閲覧できる「Googleブック検索」を展開。米国では、作家や出版社などの権利者が2005年に集団訴訟を起こした結果、Googleが著作権保護期間内の書籍の使用により得た全収益の63%を権利者に支払うことなどで、2008年10月に和解が成立していた。
著作権に関する国際条約の「ベルヌ条約」により、同条約の加盟国で出版された書籍は米国でも著作権が発生するため、この和解は日本の著作権者にも影響が出てくる。そのためGoogleでは日本の著作権者に対して、和解案を受け入れるかどうかの意思表示を5月5日までに行うよう求めている。
日本ビジュアル著作権協会では、日本で2月下旬に和解案の公告が出されてから回答期限までの期間が2カ月間で短すぎるだけでなく、和解案には日本の著作権者や出版関係者の意見が反映されていないと指摘。このため同協会は、回答期限に拘束されず、改めてGoogleと交渉していきたいと考え、和解案を拒絶する結論に至ったとしている。
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■URL
ニュースリリース(PDF)
http://www.jvca.gr.jp/oshirase/oshirase20090425.pdf
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( 増田 覚 )
2009/04/27 20:10
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