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Google Earthで3D化した東京
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グーグルが提供する3D地図ソフト「Google Earth」で、日本の都市の3D化を開始した。東京、京都、大阪、神戸の4都市から対応し、今後、地域を拡大する。これに関して同社は10日に記者説明会を行った。
「Google Earth」では、従来から海外の主要都市の3D化を行っているほか、日本でもユーザーが作成した3DCGの建物を設置していた。今回からグーグルが作成した3DCGも含めて、日本の都市の3D化を開始。9日から閲覧できるようになったという。
グーグルの河合敬一氏(プロダクトマネージャー)によれば、「東京、京都、大阪、神戸の4都市の中でも、ビルの密度の高い区域や多くのユーザーが閲覧している区域から3D化を開始し、徐々に区域を広げていく」という。今後は、その他の都市の3D化も行う考えだ。
「Google Earth」で3DCGを見るには、「レイヤ」メニューの「建物の3D表示」にある「立体写真モデル」にチェックを入れる。河合氏は、「Google Earth」の既存機能を使って3D化された街並みを見るデモを紹介。日照のシミュレートでは、時間ごとに変化するビルの影がわかる。また、ルート検索機能では、目的地までのルート上を鳥瞰視点で表示し、ビルの谷間を飛行しているように閲覧できる。
河合氏は、「Google Earthはデジタル地球儀」だと話す。「世界中の地域の情報を整理して提供することで、ユーザーは気付きと発見が得られる。航空写真だけでなく、都市を横や斜めなど、普段はなかなか見られない視点で見ることで、都市を身近に感じてもらえれば」とした。3D化された都市の用途については、「教育や行政・自治体でも活用できる。また、自分の家を建てる際に、周りの景観を見比べてみたり。さまざまな使い方が考えられる」と説明した。
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3D表示にするメニュー画面
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ルート案内を3D表示で見た画面
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● ユーザーの3DCGは「3Dギャラリー」で審査を経て採用
グーグルでは、3DCGを作成できるソフト「SketchUp」を提供している。Windows Vista/XP/2000、Mac OS X 10.4以降に対応し、無料版と有償のPro版がある。10日の記者説明会では、「SketchUp Pro」日本総代理店の株式会社アルファコックスで技術責任者を務める田中雅子氏が「SketchUp」のデモを行った。
デモでは、「SketchUp」で簡単な建物を作成し、グーグルが運営する3DCG共有ページ「3Dギャラリー」から素材をインポートしたり、完成した3DCGを「3Dギャラリー」にエクスポートする方法を説明した。グーグルでは、「3Dギャラリー」に公開された作品を確認し、優秀なものを「Google Earth」に設置する。「3Dギャラリー」の中で、「Google Earth」に使われている作品には青いリボンのマークが付いている。作品の選考基準は「Google Earth用モデルの作成方法」で確認できる。
河合氏によれば、グーグルが作成した3DCGは、建物の縮尺などに細心の注意を払っており、ユーザーの作品に関しても精査しているとのこと。「3Dギャラリー」で公開されている作品のうち、公序良俗に反するものや著作権を侵害しているものはユーザーからの指摘を受けて削除しているという。また、実際の街並みを再現するにあたり、例えば、ビルの看板にタレントの写真が使われており、それをそのままユーザーが3DCGのテクスチャに利用することも考えられる。「看板も含めて街の景観だと思う。そういった部分で今まで指摘を受けたことはない」とした。
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3Dのサイクル
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SketchUpの画面
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Google Earthに採用できない作例
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関連情報
■URL
Google Earth
http://earth.google.co.jp/
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( 野津 誠 )
2009/06/10 15:45
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