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日本のネットユーザーの接続環境は「21.9時間×20.8Mbps」

「インターネット白書2009」発刊

 インプレスR&Dは、インターネットの最新動向をまとめた書籍「インターネット白書2009」(監修:財団法人インターネット協会)を6月18日に発売する。A4変型判・本文304ページで、価格は7140円。

 インターネットを利用する個人・企業へのアンケート調査をもとに利用実態を報告している。また、インターネット関連の技術や製品、インフラ、ビジネスのほか、著作権法改正や医薬品販売規制といった社会動向などのテーマで、46人の識者による寄稿も掲載している。

 「インターネット白書」は1996年に発行を開始し、今年で14年目。今回、1日のうちでインターネット利用可能な時間や速度を調べる「インターネットコネクティビティー調査」を初めて実施した。


インターネット接続可能な環境にいる時間、1日に21.9時間

インターネット白書2009
 個人ユーザーの利用実態調査は、自宅からインターネットを利用している13歳以上を対象に、gooリサーチで4月17日から23日まで実施。性別や年齢層、1週間あたりのインターネット利用時間別人口構成比などに合うよう条件抽出し、3332人の有効回答を得た。

 「インターネットコネクティビティー」は、「1日の平均インターネット接続可能時間×平均実測速度」で表し、今回は「21.9時間×20.8Mbps」という結果になった。

 「1日の平均インターネット接続可能時間」は、インターネットを実際に利用した時間ではなく、インターネットに接続可能な環境にいた時間という定義。内訳は、「パソコン(固定回線)可能時間」が19.7時間、「携帯電話のみ接続可能な時間」が2.2時間。

 回答者3332人のうち、携帯電話の保有者は2593人だった。保有者のうち77.3%は24時間インターネット接続が可能な環境にいると回答したが、残りは、地下鉄などの圏外や学校での使用禁止の時間があるため、利用できない時間も数時間あるとした。

 また、「平均実測速度」は、固定回線と携帯電話回線で大きな開きがあるため、自宅やオフィスなどでは速くなり、携帯電話だけしか持っていない外出先などでは遅くなる。これらの条件から、「インターネットコネクティビティー」は個人のライフスタイルによって大きな差が生じるとしている。

 今後、ワイヤレスブロードバンドの進展が予想されることから、インプレスR&Dでは、どこででも高速でインターネットを利用できる「24時間×100Mbps」の環境をゴールに据え、引き続きこの調査を実施していくとしている。

 なお、実測スピードについては、固定回線は「RBB TODAY」のスピード調査、携帯電話回線はインプレスR&Dの「モバイルスピード調査」のデータを用いた。


「ストリートビュー」利用経験は42.7%、「Twitter」利用率は1.4%

 ネットブックを含むPC、PDA、スマートフォンから無線LANや携帯電話回線を通じてインターネットを利用する「ワイヤレスインターネット」の利用者は8.2%おり、2008年の2.4%から5.8ポイント増加した。低価格のネットブックや、スマートフォン、7月に商用サービスがスタートするWiMAXにより、今後さらに普及すると予測している。なお、ネットブックの所有率は2.8%だった。

 Google「ストリートビュー」の利用経験者は42.7%に上り、認知している人まで含めると61.5%に達した。認知者のうち、「自宅を絶対に掲載してほしくない」との回答は20.7%。住居形態では、「持ち家(一戸建て)」が22.4%、「賃貸(一戸建て)」が32.4%で平均よりも高い結果が出た。

 ブログをはじめとする何らかのコミュニティサービスを利用している人は76.3%で、2008年の79.9%から3.6ポイント減少した。コミュニティサービスの利用率が減少したのは初めてだという。利用率が高いサービスは、「ブログ」が52.0%(前年比2.4ポイント減)、「ウィキペディア」が48.3%(同0.2ポイント増)、「掲示板」が29.5%(同2.7ポイント減)、「ユーザー参加型の商品・サービスのレビューサイト、評価サイト」が26.6%(同1.8ポイント減)、SNSが23.5%(同1.2ポイント増)、「Q&Aコミュニティ」が17.5%(同2.3ポイント増)。多くのサービスが減少か横ばいだという。

 マイクロブログサービス「Twitter」は、日本での利用率はまだ1.4%と低く、市場を形成するには至っていないとしている。


「Interop Tokyo 2009」展示会場で先行販売

 書籍版に掲載できなかったグラフを含むExcelのクロス集計データを収録したCD-ROMも別途発売する。「個人調査編」「企業調査編」「企業ウェブサイト調査編」があり、価格は各71400円。

 インプレスR&Dでは、千葉県の幕張メッセで6月10日から12日まで開催中のイベント「Interop Tokyo 2009」に出展。同社ブースで「インターネット白書2009」を先行販売している。


クロス集計データを収録したCD-ROM 「Interop Tokyo 2009」のインプレスR&Dブース

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.impressrd.jp/news/0900610/hakusyo_09

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( 永沢 茂 )
2009/06/11 16:25

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