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趣味のインターネット地図ウォッチ

第132回:世界の古地図を閲覧できるサイト「Old Map Online」公開 ほか


SNSと連動して移動経路をマップ化するサービス「Tripmeter」

 SNSで記録した位置情報を元に移動経路のマップを作成できるサービス「Tripmeter」を、株式会社YAMAKOが公開した。対応しているSNSはFacebook、Twitter、foursquare、Instagram。Facebookおよびfoursquareからはチェックインデータをインポート可能で、TwitterおよびInstagramからは位置情報を含んだツイートや写真をインポートできる。

「Tripmeter」トップページ

 これらのSNSとの連携を設定した上で、メニューの「新しいマップ」をクリックし、作成したいマップの日付を選択すると、Google マップの上に軌跡が表示される。1日の始まりと終わりになる場所をホームポジションとして設定することも可能で、作成したマップにタイトルとコメントを付けることもできる。また、場所を厳密に特定されたくないという人のために、位置をあいまいに表示する機能も搭載しており、ポイントではなく小さな円(約500m)または大きな円(約1500m)で表示できる。

 作成したマップは不特定多数に向けて公開することもできるし、自分だけしか閲覧できないように制限することも可能だ。後で公開・非公開を切り替えることもできる。FacebookやTwitterでマップを共有することも可能だ。

作成したマップ

作成したマップのリスト

 このほか、チェックインツールとしてiPhoneアプリ「Tripmeter for iPhone」も用意されている。App Storeから無料でダウンロード可能だ。Tripmeter for iPhoneは普通に現在地を記録したり、写真やコメントをチェックインに添付したりする機能のほか、3G回線やWi-Fiのつながらない場所でも一時的にiPhone内にデータを蓄積することでチェックインを可能にする機能を搭載。海上や山中など通信環境の悪い場所でもチェックインすることが可能で、蓄積した位置情報データは3G回線やWi-Fiの通信が復旧すると自動的に転送される。

iPhoneでのチェックイン画面 チェックイン完了
ホームポジションを設定可能 iPhoneでのマップ作成画面
円表示で位置をあいまいにすることも可能 iPhone上でも作成したマップを確認できる
3G回線が通じない時に記録した位置情報を蓄積しておける

 オフラインでもチェックイン可能なツールが用意されているとともに、位置をあいまいに表示する機能を搭載するなど便利な作りになっているTripmeter。日増しに暖かくなってきた今の季節、街歩きやアウトドアでの活動の際に使ってみてはいかがだろうか。

Tripmeter
http://tripmeter.me/
Tripmeter for iPhone(App Store)
http://itunes.apple.com/jp/app/tripmeter/id481182007

世界の古地図を閲覧できるサイト「Old Map Online」公開

 世界のさまざまな図書館が所蔵する古地図を閲覧できるウェブサイト「Old Map Online」が公開された。

「Old Map Online」トップページ

 トップページにアクセスすると、Google Maps APIを利用した地図検索画面が表示される。ここで検索ボックスに国名や都市名を入力すると、該当する地域を表示。画面右に古地図のリストが表示されて、各地図に描かれているエリアがGoogle マップ上に四角の枠で表示される。

 また、地図上の任意のエリアをダブルクリックすると四角の枠がそこに飛び、該当エリアについて描いた古地図がピックアップされて右側にリスト表示される。さらに検索ボックスの下にある年代のスライドバーを動かすと、各年代の地図がリスト表示される。

 リストの地図の中からどれかをクリックすると、所蔵されているウェブサイトが表示されて、選択した古地図を閲覧できる。高解像度の画像を拡大して閲覧できるようになっており、細部まで詳しく見ることが可能だ。

地図の詳細情報

「David Rumsey Map Collection」の地図

ヨーロッパの古地図も充実

チェコのモラビア図書館が所蔵する地図

モラビア図書館の古地図ページ

 現在のところ、収録されているのはDavid Rumsey Map Collection、スコットランド国立図書館、英国図書館、チェコのモラビア図書館など。特にDavid Rumsey Map Collectionのものが多いが、今後収録する図書館が増えることを期待したい。

 とにかくこのサイトはユーザーインターフェイスが秀逸だ。探したい地域や年代を簡単に指定することが可能で、検索結果もわかりやすく表示する。残念ながら日本語のサイトは用意されていないが、使い方は簡単なのでぜひ試してみていただきたい。

Old Map Online
http://www.oldmapsonline.org/

200年前の日本橋の町並みがわかる「熈代勝覧」絵巻のiPadアプリ

 1999年にドイツ・ベルリンで発見された作者不明の絵巻「熈代勝覧(きだいしょうらん)」。12メートルにも渡る長大なこの絵巻は文化2年(1805年)の江戸・日本橋の姿を描いたものとして知られている。東京メトロ・三越前駅の地下コンコース壁面にも複製絵巻が常設されているので、すでにご存じの人もいると思う。

 この熈代勝覧のiPad専用アプリ「お江戸タイムトラベル 200年前の日本橋 〜絵巻『熈代勝覧』の世界〜」がリリースされた。App Storeからダウンロード可能で、価格は850円。

アプリの起動画面

絵巻の遠景

 200年前の日本橋に軒を連ねていた89軒の商店に加えて、そこを行き交う商人や武士、職人、子どもなど1671人の姿が描かれたこの絵巻を途切れることなく閲覧できるアプリで、拡大・縮小しながら自由にスクロールさせて隅々まで眺められる。

 また、絵巻の表示には人々の表情や町並みの細部がよくわかる「推奨サイズ」を設けており、推奨サイズモードを選択すると、スクリーンセーバーのように自動的に絵巻がスクロールする。スクロールの途中、さまざまな個所に吹き出しが現れて、人々の台詞が表示される。吹き出しをタップすると台詞に関する説明も読める。

 さらに、絵巻のいろいろな個所を解説する「グランドツアー」と「ミステリーツアー」も用意。武家が身分に応じて出勤の時に連れ歩く人数が決められていたことや、この時代の武士がお忍びで町に訪れる際は頭からすっぽり覆う頭巾が用いられたことなど、ちょっとしたうんちくを学べる。

「推奨サイズ」モードにすると画面に吹き出しが現れる

吹き出しをタップすると詳しい説明が表示される

絵巻に関するさまざまな謎を解説する「ミステリーツアー」

見どころを紹介する「グランドツアー」

さまざまなうんちくを紹介する「ちょこっと図鑑」

 熈代勝覧で描かれているエリアは今川橋から日本橋の終点までで、日本橋通りの西側(江戸城側)を東から俯瞰する構図で描かれており、まるで古地図を3Dで見ているような気分になれる。残念ながらGPSで測位した現在地を地図中に示す機能などは搭載されていないが、将来的にiPhoneやAndroidスマートフォン版などがリリースされる機会があるならば、ぜひ実現してもらいたいと思う。

 ちなみにアプリ発売元の株式会社アリギリスのサイトでは、熈代勝覧に縁のある日本橋のスポットを尋ね歩いたレポートが掲載されており、各スポットの位置を示した地図も見られるようになっている。この地図とiPadを見比べながら、実際に日本橋を散歩してみるのもお勧めだ。価格は安くないが、古地図好きなら買って損はないアプリだと思う。

 ただし1点だけ注意点がある。筆者が第3世代iPad(新しいiPad)にこのアプリを入れて試したところ、絵巻の画像が不鮮明になってしまう不具合が見られた。ちなみに初代iPadでは問題なく動作する。App Storeの評価でも、同じような現象が起きたという報告がいくつか見られた。いずれ修正版がリリースされると思うが、第3世代iPadのユーザーは気を付けていただきたい。

【追記 2012/3/23 13:45】
 アリギリスは3月23日、第3世代iPadにおける動作の不具合を修正したバージョン「1.0.1」を公開した。第3世代iPadでこのアプリを購入したユーザーに謝罪するとともに、修正バージョンをダウンロードするよう求めている。

アプリ紹介ページ
http://www.arigillis.co.jp/productin/oedotimetravel.html
日本橋散歩レポート
http://www.arigillis.co.jp/productin/nowtime/index.html
お江戸タイムトラベル 200年前の日本橋 〜絵巻『熈代勝覧』の世界〜(App Store)
http://itunes.apple.com/jp/app/o-jiang-hutaimutoraberu-200nian/id500915522?mt=8


2012/3/22 06:00


片岡 義明
 地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。書籍「パソ鉄の旅−デジタル地図に残す自分だけの鉄道記−」がインプレスジャパンから発売中。