趣味のインターネット地図ウォッチ

第161回

山岳立体地図「山っぷ」、セブン-イレブンでプリント可能に ほか

山岳立体地図「山っぷ」、セブン-イレブンでプリント可能に

 アジア航測株式会社は、スカイビュースケープ「山っぷ」のプリントアウトサービスを開始した。全国のセブン-イレブンの店舗にて地図のプリントアウトが可能だ。

 スカイビュースケープとは、国土地理院の基盤地図標高10mDEMを加工した赤色立体地図に、2万5千分の1地形図を重ねて作成した地図で、地形の凹凸が分かりやすく見た目も美しい。アジア航測はこれまで、スカイビュースケープのデジタルデータを代理店を通して販売してきたが、今回のサービスで全国のセブン-イレブンのマルチコピー機で購入できるようになった。価格は280円で、サイズはA3版。

 購入方法は、まず専用サイトから希望する図面を選択する。図面の検索は地図から探せるほか、名称やエリアでも探せる。用意されている地図は日本百名山を中心とした山々で、地図を拡大すると番号が表示される。番号をクリックすると地図の右側に山名とプリント予約番号が表示される。

 名称から探す場合は、ページ上の50音から山名の最初の文字を探すか、一覧リストを見てプリント予約番号を確認する。この一覧リストには山体写真も掲載されている。エリアで探す場合は、「北海道」「東北」「北関東・尾瀬・日光」「上信越」などエリア名を選んで、各エリアに含まれる山の名前とプリント予約番号を確認する。

「山っぷ」プリントアウトサービスのサイト
地図上の山をクリックすると右側に予約番号が表示される
名称からも探せる
エリア別のリスト

 このほか、すべての山のプリント予約番号と商品名、エリア、都道府県、標高などの情報をまとめたPDFファイルも用意されているので、これをスマートフォンなどに入れて持ち運べばいちいちウェブ上で検索する必要がなくなる。

PDFファイルも用意

 目当ての山のプリント予約番号を確認したら、番号を控えてセブン-イレブンのマルチコピー機のメニュー画面から「ネットプリント」を押し、案内に従って8桁のプリント予約番号を入力する。入力後、「確認」を押すとファイルのダウンロードが始まり、ダウンロード完了になるとファイルの内容のプレビューが表示される。内容を確認後、「これで決定」を押して、支払い方法を選んで「プリントスタート」を押すとプリント開始となる。支払い方法はコイン(現金)か電子マネー(nanaco)かを選択可能だ。

 プリントアウトに使われる紙は普通紙で、市販の2万5千分の1地形図に比べると印刷の品質は劣るが、細かい数字や文字もだいたい読み取れるので、実用性は十分。普通の2万5千分の1地形図に比べて凹凸が分かりやすく立体的に見えるので、見ていてとても楽しい。

 ウェブでプリント予約番号を調べればセブン-イレブンですぐに出力できるので、例えば登山に行く途中で地図を忘れたことに気付いた場合に、その日に登ろうと思っている山の地図をセブン-イレブンでプリントアウトするといった使い方もできる。山好きな人にはおすすめのサービスだ。

プリントアウトした「剱岳」の地図
凹凸が分かりやすい
「蓼科山」の地図。「剱岳」に比べて標高が低いので全体的に色が薄い
横岳の山頂付近

主要観光地のイラストマップを収録したiPhoneアプリ「みどころマップ」が更新

 株式会社フォアフロントテクノロジーが提供するiPhone向け観光情報アプリ「みどころマップ」のバージョン2.0がリリースされた。iTunes App Storeからダウンロード可能で、アプリ本体は無料。エリアごとに有料の地図が用意されているが、現在、札幌・会津若松・名古屋・高知の4エリアの地図が同アプリのストアから無料で入手できる。

 みどころマップは主要観光地の見どころをオリジナルのマップで案内するアプリ。マップ上に、そのエリアにゆかりのあるイラストが登場してアニメーションが楽しめる。例えば会津若松では新撰組や赤べこ、酒蔵のイラストなどが動く。ほかにも夜のイルミネーションや花火、からくり時計などさまざまなイラストがマップの中で動くのが面白い。

みどころマップのストア
入手したエリアマップの一覧

 地図は株式会社トヨタマップマスターの開発による地図情報を使用している。昼/夜の切り替えや春/冬の切り替えが可能なエリアもあり、春にすると桜の花びらがマップ上を舞い散るアニメーションも見られる。

高知(夜)のマップ
神戸(昼)のマップ
浅草(昼)のマップ
浅草(夜)のマップ

 バージョン2.0では音声ガイドの再生機能にも対応した。神戸など一部エリアでは音声ガイドは標準語と方言の2通りから選択することが可能で、地域性豊かな音声ガイドを聴ける。また、表示機能を改善し、従来よりも広域のマップが表示できるようになり、見やすくなった。このほか、アプリ全体のデザイン刷新やTwitter/Facebookへの対応など細かい機能が改善されている。

標準語と方言の2通りから選択できる音声ガイド
TwitterやFacebookに連携可能

 無料版の4エリアのほかに、5月4日時点で松島・銚子・浅草・飛騨高山・伊勢・金沢など計14エリアの地図が用意されており、今後は日光・京都・那覇・伊豆・川越など全国各地の地図の公開を予定している。iPhone向け観光情報アプリというと標準地図であるiOS6のマップを使ったものが多いが、ひと味違った観光地図を見たい人はぜひ一度試してみていただきたい。

「電子国土Web.NEXT」が機能強化、明治時代の低湿地や火山土地条件図など

 国土地理院が提供している「電子国土Web.NEXT」に機能の追加や改良が行われた。今回の改良では、まず20万レベルにおいて道路縁の色を濃色に変更となり見やすくなったほか、100万レベルにおいて道路の有料/無料の区別も追加された。また、500万レベルの地図に都道府県所在地が表示されるようになった。

 このほか、右クリックで表示される情報の中に、住所と2万5千分の1地形図名も表示されるようになったほか、地図の凡例が別ウィンドウで表示されるようになった。

有料/無料の区別を追加した100万レベル地図
500万レベルの地図に都道府県所在地に表示
右クリックで住所と2万5千分の1地形図名を確認可能に

 細かい点で使い勝手が良くなった電子国土Web.NEXTだが、さらに今回最も注目されるのが「ライブラリー」で選択できる主題情報が追加されたこと。「明治時代の低湿地」「火山土地条件図」「宅地利用動向調査」のデータが閲覧できるようになった。

 左フレームの「ライブラリー」タブをクリックすると、表示する地図のチェック項目のリストが表示されるので、この中から表示させたい項目にチェックを入れると地図上にそのレイヤーが表示される。

 「明治時代の低湿地」は、明治13年〜23年に作成された地図から、当時の低湿地の分布を抽出した情報で、河川や湿地、水田、葦の群生地など、土地の液状化との関連が深いと考えられる区域を示している。提供されるのは関東地区と近畿地区の2エリアで、関東地区は「第一軍管地方二万分一迅速測図原図」、近畿地区は「京阪地方仮製二万分一地形図」が原典となる。

明治時代の低湿地

 「火山土地条件図」は火山災害の予測や防災対策立案のための基礎資料となるもので、過去の火山活動によって形成された地形や、溶岩流や火砕流など噴出物の分布、防災関連施設・機関、救護保安施設、河川工作物、観光施設などを表示している。富士山をはじめ草津白根山や伊豆大島、三宅島、雲仙岳、桜島など全国各地の火山の地図が用意されている。

火山土地条件図

 「宅地利用動向調査」は首都圏・中部圏・近畿圏の3エリアについて土地利用の状況を示したデータで、住宅地や工業用地、商業・業務用地などの区別が分かりやすく色分けされている。1970年代から約4〜6年おきに調査されたデータを年代ごとに比較できる。

宅地利用動向調査

 いずれのレイヤーも透過率をスライダーで調節できるので、ベースとなる電子国土Web.NEXTの地図と見比べながら情報を見られる。

 このほか、大容量のKMLに対応する実験サイト「電子国土Web.NEXT+」も公開となった。同サイトは、「ある程度大きなKMLの情報を表示したい」「自分のPCにあるKMLファイルを外部との通信をせずに表示したい」というユーザーからの要望に応えたもので、OpenScalesというオープンソースプログラムが利用されており、Flash Player上で動作する。

 なお、大容量のKMLファイルをユーザー自身のPCから表示可能なことを体験してもらうためのサンプルデータも用意している。このサンプルデータには、全国の電子基準点の位置が収録されている。

「電子国土Web.NEXT+」でサンプルデータを表示

iPhone向けカーナビアプリ「マップルナビS」、災害時に役立つ「帰宅支援モード」

 昭文社の子会社であるキャンバスマップル株式会社は、iPhone向けカーナビアプリ「マップルナビS」の地図と検索データを2013年版データに更新するとともに、災害時に役立つ「帰宅支援モード」や、グルメサイト「ぐるなび」の情報を利用した検索機能を追加した。

 帰宅支援モードは、災害発生時の徒歩帰宅の際に注意すべき危険個所や、避難所、災害時帰宅ステーションなどの施設を地図上に表示する機能で、首都圏・名古屋圏・京阪神圏のみで提供される。通常のナビモードから帰宅支援モードに変更すると、地図上に危険個所を示す「危」、避難所を示す「避」、災害時帰宅ステーションを示す「援」といったアイコンが表示される。このほか、宿泊施設、携帯電話ショップ、帰宅困難者一時滞在施設、水場、公衆電話、広域避難場所、救急指定・災害拠点病院、ドラッグストア、レンタカーなどのアイコンも表示される。

帰宅支援モード

 また、ナビモードでは目的地を指定するとルート探索を行うのに対して、帰宅支援モードでは現在地と目的地とを結ぶ直接が表示されて、目的地の方向がひと目でわかるようになる。また、地図色も、大きな道路や徒歩帰宅時の目印が分かりやすいように、建物の色が薄くなったりと配色が変更される。

 帰宅支援モードで特に役立つのが危険個所の情報。「危」のアイコンの横に、“ガラス”“頭上注意””看板”といった注意事項が記載されるので、いざという時もこれを見ながら歩けばリスクを減らせる。これらは昭文社の関連会社である株式会社マップル・オンが提供するアプリ「震災時帰宅支援マップ」の情報をもとにしていると思われるが、マップルナビSのユーザーはぜひ活用していただきたい。

ナビモード
帰宅支援モードでは建物の色が薄くなる

 また、マップル・オンが提供するiPhone/Android向けガイドブックアプリ「ことりっぷアプリ」および「まっぷるマガジンアプリ」もバージョンアップして機能強化した。

 今回の更新で注目されるのは、地図索引機能だ。ガイドブックに紹介されている全スポットの位置を、iPhone/Androidの標準地図上で確認できるようになった。従来は誌面上の地図でしか位置を確認できなかったが、シームレスかつ縮尺自由自在の地図で確認できるようになり、さらに現在地も表示されるので、近くのスポットを探すのに便利だ。

標準地図上でスポットの位置を確認可能

 このほか、誌面上の気になるスポットにシールを貼ると“お気に入り登録”として選んだところだけリスト化される「シール機能」も追加された。いずれもアプリ本体は無料(エリア別コンテンツを有料アドオンとして提供)で、サンプルの無料ガイドブックデータも収録されているので、使いやすくなったこれらの機能をぜひ試してみていただきたい。

片岡 義明

地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。書籍「パソ鉄の旅−デジタル地図に残す自分だけの鉄道記−」がインプレスジャパンから発売中。