趣味のインターネット地図ウォッチ

第167回

“位置情報ゲーム”の季節がやって来た! 各社の夏企画めじろ押し

 ここ数年、夏休みの時期に増えているのが“位置情報ゲーム”のキャンペーンだ。スタンプラリーやカード集めなど、実際に各地を巡ることでさまざまな特典を得られるこれらのキャンペーンは、位置情報ゲーム好きの人には見逃せないイベントとなっている。そこで今回は、今夏に開催される位置情報ゲームのキャンペーンをまとめてみた。ゲーム内容とともに紹介していこう。

位置情報ゲームの草分け「コロプラ」のスタンプラリーキャンペーン

 株式会社コロプラが提供する位置情報ゲーム「コロニーな生活」のキャンペーン。「コロニーな生活」は、今や膨大な数のゲームアプリを提供している同社にとっては主力ゲームであり、位置情報ゲームの草分けでもある。iOS/Androidアプリが用意されているほか、フィーチャーフォンでも楽しめる。

コロプラ

 「コロニーな生活」はプレイヤーの移動により「街=コロニー」を育てていく“街育成ゲーム”で、ユーザーが移動してチェックインすると、「プラ」というゲーム内通過が1kmにつき1プラがもらえる。そうして貯めた「プラ」を使って設備を作り、人口を増やしてコロニーを大きくしていくのが目標となる。通勤・通学や仕事上での外回り、出張など、日常で活動する上で発生する“移動”によってゲームを進める仕組みになっており、頻繁に移動する機会の多い人や長距離の移動が多い人にはおすすめだ。

位置登録の画面
位置情報を取得
コロニー
施設を建造

 位置登録の仕方は、メインメニューで「位置登録」を選択して、地図上で現在地を確認する。表示中のピンの位置でよければ「ピンの場所で位置登録する」ボタンをタップすれば位置登録が完了となり、移動距離と獲得したプラが表示される。プラを貯めること以外にも、全国を回って「スタンプ」や「お土産」を集めたり、コロプラの提携店を訪れると「コロカ」というカードがもらえたりするのも大きな魅力となっている。コロプラは、この「コロニーな生活」と連動したさまざまな夏のキャンペーンを開始した。

お土産の購入画面

関東エリア限定スタンプラリーキャンペーン

 「地域応援キャンペーン[関東編]」を7月20日からスタート。この企画は関東地方の地域活性化を目的としたもので、関東1都6県のコロカ提携店や交通機関を横断したキャンペーンとなる。対象コロカ店は31店舗で、交通機関は12社。これらのコロカ店または交通機関を指定の条件で利用すると、特製スタンプとキャンペーン台紙がもらえる。スタンプはコロカ店ごとに別の種類が用意されているほか、全社共通の交通機関スタンプもある。入手条件はコロカ店の場合は2000円以上購入するごとにスタンプ1個、交通機関は対象きっぷ購入1枚につきスタンプ1個。

 スタンプを3個集めて台紙に貼り、対象のコロカ店に持って行くと、コロカ店の所在都県ごとにキャンペーン特別コロカ1枚と引き替えられる(スタンプ3個押印済みの台紙1枚につきコロカ1枚)。また、「コロニーな生活」内でコロカ裏面のシリアルナンバーを入力すると、各コロカに応じたオリジナルデジタルアイテム「コロカ店な心」も取得できる。さらに、「コロカ店な心」シリーズ4種類のうち、異なる3つを合成すると限定デジタルアイテム「関東応援なペイント2013」を取得できる。

 このほか、 「コロニーな生活」内にてキャンペーン特別コロカ裏面のシリアルナンバーを4枚分入力すると、 もれなく「関東サポーター2013」の称号を獲得できる。また、「関東コロカ」の[東京][神奈川・埼玉][茨城・千葉][栃木・群馬]」4種類すべてのシリアルナンバーを入力すると、「関東応援団長2013」の称号を獲得できる。

キャンペーン特別コロカ

全国乗り物コロカ制覇の旅

 日本全国の公共交通事業者と提携して実施している企画で、2012年4月にスタートした。提携している公共交通事業者で対象となるきっぷを購入すると、各社の「乗り物コロカ」を入手可能で、乗り物コロカ裏面のシリアル番号をゲーム内で入力すると、各社オリジナルデザインのデジタルアイテム「○○○の模型」を獲得できる。さらに、「乗り物コロカ」入力により、事業者ごとに用意された「デジタルスタンプラリー」に参加できる。指定された駅や観光地、デジタル上のお土産を集めるミッションをクリアすることで、クリア数に応じて限定デジタルアイテム「乗り物コロカ旅なテーマ[昼]「夕」「夜]」や、「乗り物コロカ旅金貨」などを獲得できる。

 7月末から8月初旬にかけて、この「乗り物コロカ制覇の旅」の提携事業者に新しく5社が加わり、計62事業者となった。新たに加わったのは小湊鐵道、遠州鉄道、宮崎交通、IGRいわて銀河鉄道、のと鉄道。これにより、千葉県、静岡県、岩手県、石川県の各県にて「乗り物コロカ」の提供会社がさらに拡大した。ちなみに宮崎県では初の提供となる。

乗り物コロカ

東急電鉄×コロプラ スタンプラリー2013

 「全国乗り物コロカ制覇の旅」の特別編として実施するキャンペーンで、期間は9月30日まで。期間内に対象の乗車券を購入すると、「東急電鉄ご利用記念コロカ」を入手できる。対象となる乗車券は、東急線1日乗り降り自由の「東急ワンデーオープンチケット」(おとな640円)。指定駅で当日有効の同チケットを提示すると獲得となる。

記念コロカ

 さらに、ゲーム内で記念コロカの裏面に記載されたシリアル番号を入力することにより、限定デジタルアイテム「東急電鉄の模型」を獲得できる。また、東急沿線の全12カ所の指定スポットで位置登録してデジタルスタンプを集めると、限定デジタルアイテム「東急電鉄な金貨」も獲得できる。このほか、「東急電鉄の模型」と、「全国乗り物コロカ制覇の旅」に参加中の「伊豆急行の模型」および「上田電鉄の模型」の3つを合成すると、レアアイテムの「東急電鉄なペイント」も獲得できる。

 記念コロカを受け取れる指定駅は、渋谷駅(渋谷ヒカリエ2改札・ハチ公改札)、二子玉川駅、あざみ野駅、長津田駅、田園調布駅、菊名駅、横浜駅(正面改札・南改札)、大井町駅、蒲田駅。

アイテムイメージ

マピオン「ケータイ国盗り合戦」もスタンプラリーやテレビ番組連動企画

 地図サイトでおなじみの株式会社マピオンが提供している位置情報ゲーム。iOS/Androidアプリのほか、フィーチャーフォンでも利用可能。ゲームの内容はモバイルを使ったスタンプラリーで、現在地の位置情報を送信することにより、その場所の“国盗り”を行い、全国600国の天下統一を目指して進軍する。国盗りを行った際に、地図上で獲得したエリアの境界が示されるのを見るのも楽しく、旅行やアウトドアスポーツが好きな人にはおすすめだ。

 また、“鷹狩り”を全国6000エリアで楽しめるスタンプラリーRPGや、旅先で集めた“ご当地武将カード”で対戦する「チャンバラ」、移動距離によって城下町を育てる「城下町」などのゲームも用意されている。

ケータイ国盗り合戦
メニュー画面
国盗りの画面
城下町

日本周遊スタンプラリー“夏の陣”~鬼の信長100日天下~

 「ケータイ国盗り合戦」にて毎年恒例で開催される“夏の陣”の2013年度版。昨年は延べ90万人が全国の攻略スポットを訪れて、100カ所すべてを達成したユーザーも450人に上った。ルールはスポット付近にて「国盗り」ボタンを押して位置情報を送信するというもので、今年の攻略スポットは“日本の城”。戦国時代を舞台にしたゲームを進めながら楽しめる。100カ所達成者にはゲーム内特典のほか、抽選で純金や旅行券、寝台特急「トワイライトエクスプレス」寝台券なども当たる。開催期間は10月31日の15時まで。

 対象となる100城は、熊本城や姫路城、竹田城など、天守や石垣が残る城のほか、城址碑だけのスポットも含まれる。ゲームのテーマは「鬼の信長100日天下」で、天下奪取のため暴れる信長が魔王となるのを阻止するために、信長に制圧された100城を開放して、城に眠る「兵法書」を手に入れるという内容だ。「兵法書」を集めて、信長軍勢との攻防戦に打ち勝ち、太平を取り戻すのが目標となる。

 このキャンペーンには、特別コースとして、東北の城を巡る「東北 3年目の夏」、身近に埋もれた城を発見する「夏休みの宿題:お城発見」、富士山の周辺の城を巡る「富士五名城めぐり」、愛知県の城を巡る「愛知 茶の湯めぐり」、関西の名城を巡る「関西うまいもんめぐり」、九州における歴史ドラマの舞台を巡る「九州 歴史浪漫めぐり」などが用意されており、各コースの達成者からそれぞれ抽選で1名にプレゼントが当たる。

“夏の陣”~鬼の信長100日天下~
“夏の陣”のゲーム画面

 また、観光施設とコラボしたO2O施策も同時に実施。対象店舗で一定金額以上の買い物するごとに、ゲーム特典付きカード「くにふだ」を配布する。配布対象となる施設や店舗は、攻略スポットとして設定された城の付近に位置しており、スタンプラリーゲームに参加しながら立ち寄れる。「くにふだ」は、8月1日からは岩手県陸前高田市の陸前高田未来商店街、茨城県水戸市の水戸ちゃあしゅうバーガー、福井県福井市の藤島神社、愛知県名古屋市の名古屋鉄道での配布がスタートする。さらに8月10日からは静岡県浜松市の春華堂本店、9月1日からは埼玉県川越市の川越歴史博物館での配布も始まる。

くにふだ

バーチャルすごろくゲーム「国盗りすごろく旅」が8月13日スタート

 テレビ東京「土曜スペシャル」の人気企画「すごろく旅」「ローカル路線バスの旅」とタイアップしたキャンペーンゲームイベント。「すごろく旅」をモチーフに、移動距離を貯めるとサイコロを振れる“すごろくゲーム”と、番組で紹介された場所を実際に巡る“面盗り”と呼ばれるモバイルスタンプラリーの2つの遊び方ができる。

 すごろくゲームは、日常の移動で貯めた距離でサイコロを振ってバーチャルにすごろくを進められる。止まったマスにより、番組に関連した内容のクイズやお宝(ゲーム内特典)が入手できるイベントなどが発生する。ゲーム内には「ローカル路線バス乗り継ぎ人情ふれあい旅」の太川陽介氏および蛭子能収氏のキャラクターも登場し、過去に放送された高松~伊勢までの珍道中体験を楽しめる。モバイルスタンプラリーの面盗りは3コース用意され、9月にはコースの追加が予定されている。スタンプラリーをクリアすると、さらに隠し“すごろく面”が公開される。

“すごろくゲーム”の画面

青森で開催される「モバイル鉄道スタンプラリー ekiSh」夏祭り企画

 株式会社オープンキューブが提供しているモバイル鉄道スタンプラリー「ekiSh(エキッシュ)」は、スマートフォンやタブレット、フィーチャーフォンのウェブブラウザーからGPSの位置情報によりチェックインすることで、駅のスタンプを集められる位置情報ゲームだ。条件を満たすと“バッジ”を獲得することが可能で、ご当地“グッズ”も集められる。駅を次々に制覇していく“乗りつぶし”を楽しめるゲームとして鉄道ファンにはおすすめだ。PCのウェブブラウザーからチェックインの履歴や所有スタンプ、バッジ、グッズなどを確認することもできる。

ekiSh
位置情報を取得
チェックインできる駅のリスト
デジタルグッズ

青森3社合同企画 電車で行こう!夏祭りin青森

 青森では「青森ねぶた祭り」「弘前ねぷた祭り」「五所川原の立佞武多」などさまざまな祭りが開催されるが、この夏祭りに電車で訪れる人に用意した企画。祭り会場の最寄り駅にエキッシュでチェックインした人に、期間限定のデジタルバッジをプレゼントする。開催期間は9月1日の23時59分まで。チェックインポイントは青い森鉄道の青森駅・浅虫温泉駅・八戸駅、弘南鉄道の弘前駅・黒石駅、津軽鉄道の津軽五所河原駅・津軽中里駅の計7駅。さらに、青い森鉄道・弘南鉄道・津軽鉄道の3社のekiShグッズも新登場する。

チェックインポイント
バッジ
車両グッズ

【弘南鉄道×ekiSh】田んぼアート駅開業記念キャンペーン

 7月27日に「田んぼアート駅」が開業したことを記念して開催されるキャンペーン。“田んぼアート”とは、青森県南津軽郡田舎館村が村興しとして始めたもので、田んぼを背景に色の異なる稲を使って巨大な絵を描くアート作品のこと。田んぼアート駅はその第2会場の近くに作られた駅だ。今回のキャンペーンでは、この田んぼアート駅にチェックインすると、弘南鉄道のキャラクター「ラッセル君」がデザインされた田んぼアート駅開業記念バッジをプレゼントする。また、駅の開業を記念してゲーム内コンテンツの「田んぼアートグッズ」も登場する。田んぼにekiShのキャラクターが描かれたグッズで、個数限定販売となる。

限定バッジ

全国ご当地ゆるキャラ巡り

 全国のご当地ゆるキャラとekiShのコラボレーション企画で、6月1日からスタートし、9月30日の23時59分まで開催される。期間中に対象駅を訪れると話題のゆるキャラのバッジを入手できる。タイアップキャラクターは、旭川市のシンボルキャラクター「あさっぴー」や、福島県復興シンボルキャラクター「ふくしまから はじめよう。キビタン」、千葉県PRマスコットキャラクター「チーバくん」、埼玉県深谷市のイメージキャラクター「ふっかちゃん」、長野県観光PRキャラクター「アルクマ」など。また、各地域のチェックポイントをすべて巡ると、特別なバッジも獲得できる。

ゆるキャラバッジ

全国鉄道むすめ巡り2nd

 「鉄道むすめ」とは、鉄道関連の職場で働く女性モチーフにしたキャラクターコンテンツで、各キャラクターは全国各地の鉄道事業者の現場で活躍する制服を着ている。この「鉄道むすめ」の特製スタンプが各所に設置されるスタンプラリーが2013年1月11日から開始している。開催期間は9月30日まで。スタンプは、東武鉄道の「栗橋みなみ」、三陸鉄道の「久慈ありす」、富士急行の「大月みーな」、広島電鉄の「鷹野みゆき」など13事業者に、ゲストキャラクターとして東武鉄道の“おもちゃのまち”活性化キャラクター「壬生えみこ」と東武鉄道オリジナルキャラクター「姫宮なな」の2人を加えた計15人となる。

スタンプ
グッズ

【嵐電×ekiSh】妖怪電車運行記念イベント

 京福電鉄で夏のイベントとして走らせている「妖怪電車」の運行記念イベント。所定の駅にチェックインすると妖怪電車バッジを入手できるバッジラリーを開催するほか、駅にて夏限定の妖怪電車グッズも販売する。また、姉妹提携イベントとして、江ノ電の駅にチェックインすると同様のイベントを楽しめる企画も開催する。

限定デジタルバッジ
限定デジタルグッズ

「全駅制覇!駅コレクション」でいすみ鉄道・ひたちなか海浜鉄道・由利高原鉄道の駅コレカード発売

 「全駅制覇!駅コレクション(駅コレ)」は、株式会社電波の杜が提供する位置情報ゲーム。フィーチャーフォンやiPhoneからはウェブブラウザーで利用できるほか、Androidアプリも用意されている。スマートフォンやフィーチャーフォンの位置情報を使って全国の駅を集めるスタンプラリーゲームで、登録不要で遊べる。登録が不要な代わりに連番で発行されるプレーヤーIDを使用しているが、このIDも他のプレーヤーからは見られない。駅ごとに掲示板が付いており、プレーヤー同士で交流できるが、書き込んでもIDが表示されないので秘匿性が高い。

駅コレのトップページ

 駅の登録方法は、位置情報を取得すると、現在地周辺にある駅のリストが表示されて、未取得の駅が自動的に登録される。各駅を1つずつ登録する必要のあるekiShに比較すると手間が少なく気軽に遊べるのが魅力だ。

 新駅を発見すると仮想通貨が貯まるほか、1つの路線の駅をすべて制覇すると特別ボーナスとともにさまざまな称号ももらえる。すでに記録した駅を再度取ったときに、タイミングが合うと駅長になって仮想通貨を入手できる。駅長の座は取り合いになっているが、駅長の座を取られても駅の記録は消えずに済む。駅長になると駅周辺を開発することが可能で、その駅の周辺に実在する物件をゲーム内で開発できる。また、ゲーム中で駅に列車が停まっていることもあり、もし「乗車券」を持っている場合はその列車を捕まえてコレクションできる。

位置情報の取得
駅を登録

 この駅コレにおいて、ゲーム内で鉄道各社が運用する車両をコレクションできる「駅コレカード」が駅窓口で販売される。いすみ鉄道と由利高原鉄道はすでに販売が開始されており、ひたちなか海浜鉄道は8月10日から販売される。駅コレカードは鉄道各社が運用する車両の全種類をカードにしており、いすみ鉄道は6種類、ひたちなか海浜鉄道は7種類、由利高原鉄道は6種類が用意される。カード自体をコレクションできるほか、カードの裏面に記載されているシリアルナンバーをゲーム内で入力すると、オリジナルデザインの車両をコレクションすることもできる。

駅コレカード

 なお、駅コレでは、現地の駅を訪問したユーザーが自分だけの駅前風景をゲーム内に作れる「駅前開発」という機能を提供しており、駅コレカードの購入者特典として、コレクションした車両を「自分だけの駅」に走らせることも可能だ。ゲーム用にデフォルメされた車両は、各鉄道会社の監修を受けた公認デザインで、鉄道ファンには魅力的だ。駅コレカードは1枚500円で、フリー乗車券とのセット販売も用意される。

片岡 義明

IT・家電・街歩きなどの分野で活動中のライター。特に地図や位置情報に関す ることを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから法 人向け地図ソリューション、紙地図、測位システム、ナビゲーションデバイス、 オープンデータなど幅広い地図関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「位置情報ビッグデータ」(共著)が発売中。