趣味のインターネット地図ウォッチ
第109回:連休におすすめの地図系iPhoneアプリ&iPad/スマホサイト3選
●オフラインでも閲覧可能なiPad用の地図帖作成サイト「offchiz」
ルート投稿サイト「ルートラボ」やiPad専用地図サイト「yubichiz」を提供するヤフーのLatLongLabが、iPad用のウェブ地図サービス「offchiz」の提供を開始した。
offchizのトップページ |
同サービスはiPad上で特定のエリアの地図を切り出せるサービスで、切り出した地図を保存しておけば外出先でもオフラインで確認できる。地図上には自由に書き込みが可能で、地図帖のアドレスをTwitterやメールなどで知人に送って共有することもできる。
外出前に地図サイトで目的地周辺の状況を確認し、プリントして持ち歩く人は多いと思うが、offchizを使えばわざわざ印刷する必要がなくなる。プリントの手間もかからないし、インクや紙の節約にもつながるというわけだ。
使い方は、offchizのトップページから「地図帖を作成」をタッチし、「new page」をタッチすると地図画面が表示される。地図をスクロールさせたり、検索窓に地名を入力したりして切り出したいエリアを表示させてから、タイトルを入力。「ページの編集を完了」をタッチすれば作成完了だ。作成画面を終える時に地図帖のタイトルや発行者の名前、説明を入力し、「地図帖を発行」をタッチする。
作成画面から抜けると作成した地図帖のリストが表示されるので、見たい地図帖をタッチすると地図を閲覧できる。切り出した地図はオンラインの地図と使い勝手は同じで、タッチ操作でスクロールできる。ただし縮尺は切り出した時点の状態のまま固定されるので、拡大・縮小しても表示内容は変わらずに大きさが変わるだけとなる。
「new page」をタッチすると地図が表示される | 地図の切り出し画面 |
「編集完了」をタッチするとリスト画面になる | 作成した地図帖にはタイトルや発行者名を付けられる |
地図を表示させた状態で距離測定ツールやメモの書き込みツールなども使える。メモ機能は自分だけが見られる「じぶんメモ」と、複数の人で共有できる「共有メモ」の2通りが用意されている。切り出せる地図は地図帖1つにつき8ページまでとなっている。
実際に使ってみると、いちいち印刷しないで地図を保存しておけるのは確かに便利だ。あらかじめ見たいエリアを区切っておけるので、現地で目的地を検索する手間もなく、必要なエリアの情報だけをすばやく確認できる。この使い勝手のよさは、外出時にオンライン地図を使えるユーザーにとっても十分メリットがあると思った。共有機能を利用すれば待ち合わせ用途にも使えるので、いろいろな使い方ができるだろう。
タイトルとページ構成を見られる | 切り出した地図の画面では指で画面をなぞることで距離を測定できる |
切り出した地図なのでスクロールや縮小を行うと上下左右が切れる | 地図上に手書きでメモを書き込むこともできる |
なお、筆者が試したところ、PC上でもウェブブラウザー「Google Chrome」を使うとiPadと同様に使うことができた。一方、Internet Explorer 8では使うことができなかった。また、LatLongLabのブログによると、4月20日付のアップデートでiPhoneにも対応した。将来的にはほかのデバイスにも対応してもらいたいものである。
■URL
offchiz
http://latlonglab.yahoo.co.jp/atlas/
■関連記事
・ヤフーがiPad専用地図サイト「yubichiz」公開、指で道をなぞって検索可能
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100528_370162.html
●絵地図を見ながら街歩きを楽しめるiPhoneアプリ「東京下町散歩」
一般的に、地図というのは位置や大きさ、縮尺の正確さが求められるものだが、それとは全く異なったコンセプトを持った地図もある。手書きの文字とイラストを使った“絵地図”と呼ばれる地図だ。
絵地図の作家の中で特に有名なのが、“絵地図師・散歩屋”を名乗る高橋美江さん。もともとはグラフィックデザイナーだった彼女は、全国200カ所以上もの絵地図を制作し、絵地図の本も出版している。今回紹介するiPhoneアプリ「東京下町散歩」は、彼女の手による同名の本をデジタル化した作品だ。価格は350円。
内容はタイトルの通り、東京の下町の絵地図を収録している。“街歩きコース”として用意されているのは「浅草表玄関」「浅草観音裏」「御茶の水・神保町」「本郷」「向島」「日比谷・有楽町」「根岸」「谷中」の8コース。それぞれの街の観光スポットやグルメ情報を、親しみやすいイラストを使って地図の上に描いている。絵地図はピンチ操作によるスクロールや拡大・縮小が可能だ。
街歩きコースは8通り | 「本郷」の絵地図 | ガイドの文章 |
地図を表示した状態で下部のガイドボタンを押すと、地図上にスポットアイコンが現れて、アイコンをタッチすると各コースに関する案内の文章が読める。上部には「写真をとってネ」というボタンもあり、ここをタッチすると写真を撮影できる。撮影した写真は文章の欄に埋め込まれて保存できる。
Twitterとの連携機能もあり、上部の「TW」ボタンをタッチすると、位置情報を持ったほかの人のツイートが地図上に表示される。自分でツイートを投稿することも可能だ。
GPSとの連動機能も搭載しており、現地で散策している時に自分の位置を絵地図上で確認できる。前述したように普通の地図とは違って距離などは正確ではないが、おおよその現在地を把握できるので便利だ。
温かみのある絵は見ているだけでも楽しいが、実際に現地に行ってこのアプリを見ながら散策してみると、よりいっそう楽しめる。連休に都内を訪れる機会があったら、iPhoneを片手に下町散歩を楽しんでみてはいかがだろうか?
■URL
東京下町散歩(iTunesプレビュー)
http://itunes.apple.com/jp/app/id356143653?mt=8
●高速道路情報サイト「ドラぷら」のスマートフォン版が登場
高速道路の情報サイトとして有名な、NEXCO東日本が運営する「ドラぷら(ドライブプラザ)」。全国の高速道路料金の検索機能や道路交通情報の配信、サービスエリアの情報などさまざまな情報を取得できる便利なサイトだが、このドラぷらのスマートフォン用サイトが登場した。PC用サイトのトップページは道路交通情報や料金検索の検索窓など数多くのメニューが並んでいるが、スマートフォン版はメニューアイコンだけのシンプルなデザインとなっている。
用意されているメニューは「ホーム」「エンタメ」「高速人カード」の3種類。「ホーム」では料金検索や渋滞予測、渋滞・規制情報などのアイコンが並んでいる。また、SA・PA情報や、大型SA施設の「Pasar」の紹介、地域の特色を生かしたSA・PAを紹介する「ドラマチックエリア」や、テーマ型PAなどの紹介コーナーが用意されている。
ホームメニュー | エンタメメニュー |
スマートフォン版独自の機能としては、GPSで現在地を測位して地図上に表示する機能がある。地図上には全国のPA・SAが目印として登録されており、現在地の近くにあるPAやSAをGoogle Mapsの地図上ですぐに探せる。目印をタッチすると「上り」「下り」のボタンが表示され、選択すると該当するPA・SAの情報ページが表示される。現在地の近くのPA・SA情報にすぐアクセスできるので便利だ。
公衆無線LANおよびWiMAXの対応エリアを簡単に探せるのもスマートフォン版ならではだ。「公衆無線LAN」のアイコンをタッチすると利用可能な一覧リストが表示される。WiMAXについては「快適に利用できる」「施設内で利用可能だが一部圏外の場合あり」「駐車場・屋外では利用可能だが施設内では利用できない可能性あり」と、電波状況が詳しく書かれている。これはWiMAXユーザーにとってかなり役に立つだろう。
高速料金・経路検索画面 | 検索結果 |
GPSで測位した現在地の最寄りのPA・SAが地図上に表示される | 「どら弁当」のコーナー |
一方、トップページで「エンタメ」を選ぶとエンターテインメント系コンテンツを見られる。旅行ジャーナリスト・小林しのぶさんが監修した、ドライブの途中で食べられる新スタイルの弁当を紹介する「どら弁当」や、クーポン情報なども利用できる。
また、全国のPA・SAで配布されているフリーマガジン「ハイウェイウォーカー」も全ページをPDFでダウンロードできる。バックナンバーもダウンロードすることが可能だ。PC上からもダウンロードは可能だが、スマートフォンでダウンロードしておけば出先で読めるので便利だろう。連休中にドライブに行く予定がある人は、ぜひ活用していただきたい。
PA・SAごとにWiMAXの利用可能エリアを収録 | ハイウェイウォーカー |
■URL
ドラぷらスマートフォンサービス案内ページ
http://www.driveplaza.com/smartphone/
■関連記事
・趣味のインターネット地図ウォッチ
第67回:お盆の高速道や観光地、渋滞予測をPDFなどで配信 ほか
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/chizu/20090806_307276.html
2011/4/28 06:00
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