いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説

今年もあらためて見直しておきたい防災情報に「goo防災アプリ」

goo防災アプリ
サービス名goo防災アプリ
リリース日2014年7月10日
運営会社名NTTレゾナント株式会社
料金無料
登録不要(安否確認サービス用の登録は任意)
URLhttp://advance.bousai.goo.ne.jp/web/

 今年も防災に対して考える時期を迎えました。これまで「Yahoo!防災速報」や、「NHKニュース・防災」をご紹介してきましたが、今回ご紹介するのは「goo防災アプリ」です。

 goo防災アプリは、NTTレゾナントが2014年7月10日から提供している総合災害アプリです。iOS版とAndroid版があり、災害情報や気象警報、注意報をプッシュ通知で受け取れるだけでなく、防災に役立つ地図、災害関連ニュース、「教えてgoo」の防災カテゴリ情報の閲覧、病気や薬の検索、通信事業者各社の災害用伝言板サービスなどを対象に一括検索ができる「J-anpi ~安否情報まとめて検索~」への対応など、防災全般をカバーしているのが特徴です。

 アプリを使い始めるときに、初期設定として、通知地点3カ所の登録(任意)や、通知して欲しい災害などの選択を行うほか、J-anpi向けの自分の情報(名前、読み方、住所、固定電話番号、伝言、家族と申し合わせた避難場所)などを設定できます。あとから簡単に変更できますが、最初にやっておくほうが忘れずに済みます。

“そのとき”の行動をサポートする「ホーム」

 アプリの画面は「ホーム」「防災情報」「SNS」の3つのタブで分かれています。

「goo防災アプリ」のホーム画面

「ホーム」は、gooのサイトから情報を表示する「ニュース」「天気・気象」、避難場所や公衆電話等の場所やルートが調べられる「防災マップ」、安否確認ができる「安否登録・検索」、10件まで家族のメールアドレスが登録できる「家族へ連絡」、プッシュ通知設定で指定した地点の防災情報を表示してくれる「Lアラート 防災情報」、各種注意報、警報、震源・震度情報などが並ぶ「i お知らせ」と、いざというときの行動に直結する情報が集められています。

 中でも「防災マップ」は必見です。避難所、公共施設等のオープンデータ、公衆電話の検索が可能なので、現在地から最短距離の場所を把握できます。アイコンをタップすると、目的地の住所と現在地からの距離を表示してくれますし、指定した標高で避難所や病院、電話、交番などの場所を絞り込めるため、自分のいる場所が安全かどうか、いざというときどこに逃げればいいのか、あらかじめ確認するのに役立ちます。独自の避難訓練機能もあるので、一度も避難所の存在を確認したことがないという方は、これをきっかけに足を運んでみるとよさそうです。

防災マップ。災害時に必要となる施設の場所がすぐ分かります。右側のスライダーで標高での絞り込みができます
右上のアイコンをクリックすると、地図の標高が視覚的に分かりやすくなります
施設の情報には住所と標高が記載されています
表示項目の選択画面。初期設定ではすべて表示します
特定の施設までのルートで避難訓練もできます。向いている方角に矢印が現れるので、現在地からのルート検索とあわせると移動しやすくなります

 「安否登録・検索」は、J-anpi(http://anpi.jp/top)に有事の際に自分の安否情報を登録・検索できる機能です。初期設定で「j-anpi」に登録した情報の表示や更新もできます。

 J-anpiは、氏名と電話番号を使って、通信キャリア各社が提供する災害用伝言板、さまざまな団体が提供している安否情報や、Googleのパーソンファインダーを一括で検索できるサービスです。複数の安否情報サイトのどこに登録されているか個別に探すよりも、J-anpiで検索したほうが手間がかからないというわけです。

 伝言内容として「無事です」「被害があります」「自宅にいます」「避難所にいます」「事前に登録した伝言」が用意されているので、いずれかをオンにしておけば、登録も楽に。Twitterとも連携できるので、いざというときはオンにしておくと、自分の安否をより伝えやすくなるでしょう。

J-anpi
どこにいるか安否を登録することで自分の安否を確認してもらいやすくします

 「家族へ連絡」は、災害時に家族に向けて、最小限の情報をすばやくメールで送信するための機能です。家族のメールアドレスを最大10件登録、同時に送信できます。メール本文には現在地のリンクも入れられ、できるだけ簡単かつ確実、シンプルになるよう配慮されているのが分かります。

 最近ではLINEなどのSNSアプリで連絡を取るケースがほとんどだと思いますが、何があっても稼働しているという保障はありません。念のため登録しておくと安心でしょう。

「家族へ連絡」画面。メールアドレスを登録しておくと、一斉に送信できるように

知識を強化できる「防災情報」、公的情報が得られる「SNS」

 「防災情報」は、その名の通り事前に見ておきたい防災に役立つ項目が用意されています)。

「防災情報」画面

 用意されているのは「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」、gooヘルスケアのウェブページ版「家庭の医学(病気 病状 原因)」を表示する「家庭の医学」、gooヘルスケアの薬検索を表示する「くすり検索」、疑問を解決できる「教えて!goo」、各通信キャリアの災害伝言板のリンク集になっている「災害時の連絡手段」などです。

 必見なのは「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック(東京消防庁提供)」です。東京消防庁が実施した近年の地震被害調査で、負傷者の3~5割が屋内における家具類の転倒・落下によって負傷していることが判明したとのことで、具体的な転倒防止方法などを公表しています。今は引っ越しシーズンでもありますから、大きな家具を動かすタイミングで同時に対策が取れるよう、一度は目を通しておきたいですね。

あとから一人で家具を動かすのは大変なので、安全対策は引っ越しのついでにやっておけると便利

 「SNS」は、自分のFacebookやTwitterへのログインのほか、内閣府防災、防衛省のFacebookページ、首相官邸(防災情報)、内閣府防災、総務省消防庁、防衛省、国土交通省のTwitterアカウントにアクセスできるリンク集で、国レベルで発表される情報を得やすくなっているようです。

 実際はデマなどに惑わされないためにも、地元自治体などの公式アカウントもフォローしておきたいところ。現在アプリ内では登録先がないので、必要な方は独自にリストなどを作ってフォローしておくなどの対策が必要かもしれません。

「SNS」にはFacebookとTwitterのアカウントが並びます

新生活なら、避難場所の確認くらいはしておこう

 goo防災アプリは、防災に必要な知識や情報や連絡先、連絡手段がすべて1つの画面に集まっているので、必ず入れておきたいと思えるアプリです。

 特に地域社会との接点が薄くなりがちな一人暮らしでは、防災マップを見直して、せめて最寄りの避難場所の確認くらいはしておきましょう。

 ちなみに、災害時には通知してくるという点で、goo防災アプリは「Yahoo!防災速報」や「NHKニュース・防災」とかぶります。しかし、「Yahoo!防災速報」は、気象・災害情報の通知がメイン。また、「NHKニュース・防災」は、気象・災害情報の通知に加え、災害情報をライブで放送するなど、現在進行形のニュースを得るのにとても役立つのが特徴。goo防災アプリは、災害時の具体的な行動をサポートすることが目的になっています。それぞれ、通知、報道、行動とポイントが分かれているといえるでしょう。

メニューからプッシュ通知の設定画面も。火山情報を選択すると、対象となる火山を指定できるようになります

すずまり

プログラマからISPの営業企画、ウェブデザイナーを経て、現在はIT系から家電関連まで、 全身を駆使してレポートする雑食性のフリーライターに。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。 睡眠改善インストラクター、睡眠環境診断士(初級)。