いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説

みんなが本当はいまさら聞きたかった“Amazonのサービス”ベスト7

 本連載「いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説」でこれまでに掲載した記事の中から、アクセス数の多かった人気記事をピックアップ。みなさんが本当にいまさら聞きたかったと思われるサービス・アプリをジャンル別に振り返ります。

 今回はベスト50に7本ランクインしたAmazonのサービスを振り返ります。

※各記事で説明しているサービスの内容は、それぞれ掲載時点のものです。その後、機能や提供条件などが変更されている場合も考えられますので、実際に利用するにあたっては各サービス紹介サイトなどでご確認ください。

電子書籍を定額制で読み放題にした「Kindle Unlimited」

 最もアクセスが多かったのは、「Kindle Unlimited」でした。2016年8月の紹介でしたが、本連載記事全体の中でも3位に食い込む健闘ぶりを見せました。

 紹介したサービスのほとんどはプライム会員(Amazonプライム、Amazon Student)向けのものでしたが、「Kindle Unlimited」はプライム会員向けではない、Amazon.co.jp会員向けのサービスです。プライム会員向けには「Kindleオーナーライブラリー」というサービスがあり、こちらは毎月1冊無料で読めますが、「Kindle Unlimited」は月額980円(税込)で「kindleunlimited」のアイコンがついた本がAmazon.co.jp会員なら誰でも読み放題になるというもの。プライム会員ではない方々の注目を集めたのは大いに想像できます。

 ダウンロードできるのは10タイトルまでで、11タイトル目以降は読み終わったどれかの本と置き換えるなどの仕組みは今も変わりません。大きな変化はなさそうですが、サービス開始直後の紹介時はラインアップとして“小説、ビジネス書、実用書、コミックスを含む和書12万冊以上”とされていましたが、現在のタイトル数は 15万1098件。約3万タイトルは増えたと見てよさそうです。読みたいと思っていた本が「Kindle Unlimited」の対象になっていたというケースも少しずつ増えていてうれしい限りです。

iOS端末でタイトルを探すのに便利なBook Browserを起動すると対象のタイトルだけが表示されます
10冊を超えてダウンロードすることはできません

無料で音楽が聞き放題になる「Prime Music」

 続いてアクセスが多かったのが「Prime Music」でした。

 「Prime Music」は、プライム会員なら100万曲以上の楽曲や数百のプレイリストが無料で楽しめるというもの。Amazon.co.jpのウェブサイトや、同社が販売するFire TV、Fire TV Stick、Fireタブレットなどのオリジナルデバイスで再生できるほか、スマートフォンなどでは「Amazon Music」アプリを使います。ほかの定額制サービスと比べると曲数に差はあるものの、メジャーな曲を無料で聴けるのは大きな魅力ですね。

 2016年4月には、同じくプライム会員向けに「プライムラジオ」も追加されました。これはPrime Music対象の楽曲をジャンル別に24時間聞けるというもので、新たなサービスというよりは「Prime Music」の1機能といえそうです。

 ジャンルを選ぶだけですぐ再生が始まるため選曲はできませんが、気に入った曲にはサムズアップ、気に入らない曲にサムズダウンを繰り返すことで、自分好みの曲が流れるステーションに育てられるといいます。Amazonのレコメンド力を信じて試してみるのも悪くないでしょう。

アプリ「Amazon Music」に追加された「プライムラジオ」
ジャンルがそのままチャンネルになっているので、好き嫌いでカスタマイズするようです

やっぱり注目を集めるのがフォトサービス

 続いてアクセスが多かったのは、「プライム・フォト」でした。

 プライム会員であれば、無料の「Prime Photos」アプリなどを通じて、写真を「Amazon Drive」に無制限にアップロードできるサービスです。

 保存先の「Amazon Drive」は、Amazon.co.jpが会員向けに提供しているクラウドストレージサービス。以前はストレージ容量ごとに細かく料金が設定されていましたが、現在は年額1万3800円で容量無制限のストレージプラン「Unlimitedストレージ」に統一されました。最初の3カ月間は無料のお試し期間になっています。

 この「Amazon Drive」、プライム会員は5GBまで無料で使えますが、「写真」なら容量にカウントされません。事実上無料かつ無制限に保存できるというわけです。

 アップロードされた写真は、Prime Photosアプリでいつでも閲覧できるため、スマートフォンやタブレットから削除しても安心。RAWファイルにも対応しており、圧縮はされません。しかも、量が多くてパソコンではなかなか整理しにくい写真も、クラウド上では自動的に撮影日やアップロード日で分類してくれますから、PCの中を探さなくても、アプリで探して必要な写真だけダウンロードすることもできます。

 そんなわけで、端末だけでなくPC内のストレージも厳しくなりがちな方の手軽なバックアップ先として注目されたのではないかと思われます。

スマートフォンで撮影した写真をどんどんアップロードしてくれる

ビデオライブラリが見放題の「プライム・ビデオ」

 音楽、写真と来れば、続くのはビデオ。プライム会員なら無料で楽しめる「プライム・ビデオ」でした。

 プライム会員が利用できる無料のビデオ視聴サービスで、プライム・ビデオ対象となっている映画やテレビ番組が見放題になるというものです。

 海外旅行中でも見られるコンテンツも用意されており、公式ページから確認できます。

 海外視聴に対応しないコンテンツでも、ダウンロードに対応したコンテンツであれば、Android/iOSデバイスやFireタブレットのダウンロード対応端末に事前に保存しておけば、海外でも視聴できます。視聴期間やダウンロード数の制限はあり、ダウンロード可能なのは、アカウントに登録されたすべてのデバイスで25本までです。海外旅行中にビデオを視聴できる環境をどこまで用意できるかは環境次第といえそうですが、もし可能ならお子さんがいる方にはいいかもしれません。

1年で約14万タイトル増!? 止まらない「Amazon Kindle」

 続いてアクセスが多かったのは「Amazon Kindle」でした。

 紹介した当時はアダルトも含め27ジャンル、Kindle本が40万3829タイトル、Kindle洋書が411万5783タイトルとなっていましたが、2017年4月現在は、扱っているジャンルが28、Kindle本が54万8,396タイトル、Kindle洋書が505万580タイトルに増え、さらに進化したことが分かります。以前は電子化されていなかったものも併売されるようになって、買いやすくなっていると感じます。

 ちなみに、Kindle本は購入から7日以内ならカスタマーサービスに連絡することで返金ができます。間違って購入した際のために覚えておきましょう。

いざというときに活用したい「Amazon パントリー」

 アクセスランキングのベスト20には入りませんでしたが、健闘していたのが「Amazon パントリー」です。

 これは日用品を「パントリーボックス」と呼ばれる専用の箱1つにつき290円の手数料で、まとめて配送してくれるプライム会員向けのサービスです。通常まとめ買いが必要な商品も、スーパーでカゴにいれるように1個から低価格で購入できるのが特徴。パントリー対象商品には専用のマークがついており、一般会員は購入できません。

 1人暮らしなのに病気や怪我で動けない、介護やワンオペ育児でなかなか外出できない、スーパーマーケットの営業時間内に帰宅できずになかなか買い物に行けない人でも日用品が買えるので、ぜひ覚えておきたいところ。

 プライム向けサービスなのに手数料がかかるの? という話もありますが、対象商品から5点買うと、手数料290円が無料になるクーポンも用意されていますので、上手に活用すれば無料にできそうです。

 ちなみにパントリーボックスがいっぱいにならなくてもOK。その際は購入した商品の量に見合ったサイズの箱で送られてくるそうです。

いろんな意味でドキドキしてしまう最短1時間配送の「Prime Now」

 「Prime Now」は、専用のスマートフォンアプリから注文すると、対象となる配送地域へ最短1時間で商品が届くプライム会員向けのサービス。「1時間以内配送」では890円(税込)の配送料が必要ですが、2時間便なら配送料は無料です。

 サービスの対象地域は、東京は23区と調布市・狛江市、神奈川県は川崎市6区と横浜市11区、千葉県は浦安市・市川市、大阪府は大阪市17区・豊中市・吹田市・摂津市・守口市、兵庫県は尼崎市・伊丹市で、一部のみの市区もあります。自分のエリアが対象かどうかはアプリで郵便番号を入力すると確認できますが、サービス対象地域でも1時間配送には対応しない地域もあります。

 購入する商品は、専用アプリで選べるものが対象で、1回の注文は2500円以上ですが、商品が2500円以上であれば1点からでも注文できます。

 エリアやサービス内容そのものに大きな変化はなさそうですが、提携店舗として「マツキヨ」「ココカラファイン」「三越日本橋本店」が出品し、それぞれの対象地域で2時間便での配送が可能になりました。

その後もサービスの進化は止まることを知らず

 その後もプライム会員向けのサービス拡充は進んでいます。2016年12月には、ボタンを押すだけで日用品を注文できる小型端末「Amazon Dash Button」が登場したのは記憶に新しいところです。

 登場時は欲しいものが見つからなかった方も、そろそろ対象商品が増えているかもしれません。

 2017年4月には、生鮮食品配送サービスの「Amazonフレッシュ」が日本でもまずは都内6区を対象地域としてスタートしました。月額500円(税込)で野菜や魚、乳製品などの生鮮食品や日用品などを購入できます。

 パントリーとあわせると、もはや買えないものは医薬品くらいか、と思いきや、第1類医薬品の取り扱いを開始し、24時間注文が可能になったという話も。

 腰痛のためにロキソニンを購入しようとドラッグストアを回ったところ、お店は開いているのに「薬剤師が帰ってしまったので販売できません」と3軒も断られたことがある身としては、ちょっと期待してしまうサービスです。

 このほか、スタートアップ企業のガジェットをラインアップする「Amazon Launchpadストア」をオープンしたり、「Amazonショッピングアプリ」に音声検索機能を追加したりと、さまざまな手を打ってきています。

 2016年12月の記事によれば、物販系EC市場の売上高トップはAmazon.co.jpで、2位ヨドバシ.comの10倍以上の差を空けているとのこと。次はどんなことを仕掛けてくるのか、引き続き注目していきたいところです。

すずまり

プログラマからISPの営業企画、ウェブデザイナーを経て、現在はIT系から家電関連まで、 全身を駆使してレポートする雑食性のフリーライターに。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。 睡眠改善インストラクター、睡眠環境診断士(初級)。