いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説
Amazonプライム会員なら写真を無制限にアップロードできる「プライム・フォト」
(2016/2/24 06:00)
サービス名 | プライム・フォト |
リリース日 | 2016年1月21日 |
運営会社名 | アマゾンジャパン株式会社(Amazon.co.jp) |
料金 | 無料 |
URL | https://www.amazon.co.jp/clouddrive/prime |
登録 | Amazonのアカウントおよびプライム会員への申し込みが必要 |
プライム会員向けに追加された写真の保存サービス
2016年1月21日、Amazon.co.jpのプライム会員向けに、また1つサービスが追加されました。それが「プライム・フォト」です。Amazonプライムの会員であれば、追加費用なしでカメラやスマートフォンなどで撮影した画像を、無制限かつ圧縮なしで「Cloud Drive」に保存できるというもの。同社のFireタブレットや、iOSおよびAndroidデバイス、PC、Macで利用できます。
Amazonプライム会員とは、年会費3900円の有料会員サービスで、Amazon.co.jpでのお急ぎ便やお届け日時指定便の指定、対象商品の無料配送のほか、タイムセールに30分早く参加できる会員先行タイムセール、日用品などの低価格商品を1つから購入できる「Amazonパントリー」、買い物が1時間で届く「Prime Now」、本誌でもすでにご紹介した無料の映画やビデオが見放題の「プライム・ビデオ」(http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/trendsv/20151007_724369.html)、音楽が聞き放題になる「Prime Music」(http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/trendsv/20151125_732064.html)といった特典が利用できます。今回ご紹介する「プライム・フォト」も、この有料サービスの一環というわけです。
保存先の「Cloud Drive」とは、Amazon.co.jpが会員向けに提供しているクラウドストレージサービスです。もともと保存できるファイルの種類に制限はなく、文書ファイルなどさまざまなファイルを保存できます。Amazon.co.jpの会員になれば無料で5GBまで利用できますが、有料プランへの変更により容量をアップグレードできます。有料プランの料金は、20GBが年額800円、50GBが年額2000円、100GBが年額4000円、200GBが年額8000円、500GBが年額2万円、1000GBが年額4万円です。
プライム・フォトは、Amazonプライム会員であれば写真をCloud Driveに無制限にアップロードできるサービスです。アップロードした写真ファイルはストレージの使用量には含まれなくなり、追加料金なしで写真をいくらでもCloud Driveに保存できるようになります。
失いたくない写真のバックアップと、振り返りに
Cloud Driveには写真と動画をアップロードできますが、プライム・フォトの対象となるのは「画像ファイルとして認識されるファイルのみ」とされています。JPEG、BMP、PNG、TIFFのほか、主要RAWフォーマットにも対応します。スマートフォンやパソコンなら、専用アプリをインストールすることで自動的にアップロードできるので手間いらず。スマートフォンではWi-Fi接続時のみ自動アップロードするといった指定も可能です。
転送後の画像は、「Cloud Drive」で年や月単位で振り返ることができるようになるほか、必要は写真はいつでもダウンロードできます。パソコンのウェブブラウザーからなら、回転、反転、輝度、コントラスト、彩度、トリミング、フレームを付けるといった簡単な編集もできます。SNSへの共有機能やアルバム作成機能もあります。
スマートフォンに入れっぱなしの写真が多すぎて、なかなか振り返る機会もないという人も多いのではないでしょうか。このようなストレージサービスを使うことで、バックアップになるだけでなく、昔の写真もふたたび見る機会が生まれます。そろそろ写真を整理したいと思っている方にもいいかもしれません。
動画は無制限ではない。ファイルの種類や残り容量にも注意
ここで注意したい点が3つあります。1つは無制限にアップロードできるのは写真のみという点。スマートフォン用のアプリは動画もアップロードできるようになっていますが、動画は通常のCloud Driveの容量としてカウントされます。他のクラウドストレージサービスでは、ごく少数のユーザーによって膨大なストレージが占有されてしまうという事態も起きているようで、その対策だと思われますが、スマートフォンで動画を撮影する機会も多いはず。大切な動画のバックアップ先としては、無制限に利用できないというのは残念としか言えません。
スマートフォンのアプリ上では動画も自動アップロード対象にできますが、基本はオフにしておき、どうしても保存したいものだけ任意にアップロードするという使い方をしたほうがいいでしょう。
また、写真として認識されるRAWファイルは、フォーマットが限られる点にも注意が必要です。認識されるRAWファイルは、ヘルプの「RAWファイルについて」(https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html/ref=help_search_1-2?ie=UTF8&nodeId=201649930&qid=1456212807&sr=1-2)に記載されている通り。これら以外のフォーマットの場合、プライム・フォトの無制限アップロードの対象となる保証はありません。RAWデータはファイルサイズが大きいので、「Cloud Drive」にアップロードするには注意が必要です。
もう1つの注意点は、「Cloud Drive」内に空き容量がないと、たとえプライム会員でも写真をアップロードができなくなることです。無料の5GB分を使い切っても写真なら保存できそうな気がしますが、アップロード時にエラーが発生し、正しくアップロードができないとのこと。無料コースのまま運用したいなら、うっかり他のドキュメントなどで埋め尽くさないよう気を付けましょう。
写真の無圧縮はありがたいが、使い方に悩みそう
写真を無制限で保存できるサービスとしては、すでにご紹介している「Googleフォト」(http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/trendsv/20151202_733218.html)に非常によく似ています。どちらがいいでしょうか。
見た目を損なわない程度ではありますが、圧縮してしまう「Googleフォト」に対して、「プライム・フォト」は写真をオリジナルのまま保存できます。これは魅力です。プライム会員なら、無料で使える「Googleフォト」で全体をバックアップしつつ、写真をオリジナルのまま「プライム・フォト」にも保存しておき、2重のバックアップ体制でのぞむという使い方もありかもしれません。今後写真対象となるRAWファイルが増えると、さらに使い勝手は上がりそうです。
ただ、何事にも想定外の使い方をしてみせる人はいるもの。サービスが停止される、無制限枠が撤廃されるといった制限がかからないことを願うばかりです。