中小規模サイトも、コストゼロでソーシャルゲームを導入できる「aima」
アプリケーションプラットフォーム「aima」を運営するACCESSPORT社長 沈氏に聞く


「aima」プラットフォームを運営する、ACCESSPORT株式会社 代表取締役社長 沈 海寅(しん かいいん)氏

 「aima」(Alliance of Internet Media for Applications;アイマ)は、国内のポータルサイトやポイントサービス、ネットカフェなどが集まって設立したアプリケーションプラットフォームだ。mixiアプリのようなソーシャルアプリのプラットフォームを独自に用意し、提携サイトが自由に自サイトにソーシャルアプリケーションを組み込めるようになっている。

aimaは2010年7月21日に設立を発表、同9月よりアプリケーションの提供を開始した。設立から半年あまり経った現在、約30サイトの6000万人以上のユーザーに対してアプリケーションを提供している。aimaの狙いや特徴などについて、aimaを運営するACCESSPORT株式会社 代表取締役社長の沈 海寅(しん かいいん)氏に話を聞いた。

 なお、ACCESSPORT株式会社 沈 海寅社長は、3月15日に開催されるOGC2011で「ソーシャルアプリのメジャー化に向けてのACCESSPORTの両輪戦略」と題してaimaサービスについての講演を行う予定だ。


中小規模のサイトでもソーシャルアプリを導入可能にするプラットフォーム

―― aimaを始めた狙いを教えてください

沈氏:mixiやモバゲー、グリーなど、ゲームを中心としてソーシャルアプリが盛り上がっています。ただ、興味を持った中堅のサイトがやってみようかと思っても、時間もお金もかかるため、大手サイト以外は手を出せません。

 一方、アプリを開発する側としては、たとえばmixiアプリでは数千のアプリが登録されていて、新着のときの1週間でランキングに入らないとユーザーが集まらないのが現状です。また、せっかくゲームを開発しても、プラットフォームごとに細かい仕様が違うため、ほかのプラットフォームに出すには手直しが必要で何作も出せないことや、そもそもプラットフォーム数が限られるというのも難しいところです。

 そこで、サイト側とアプリ開発側との間で、オープンなプラットフォームをやれば面白いことができるのではないかと思い、aimaを立ち上げました。サイト側にとっては、アプリはaimaが用意するので、サイトのユーザーから使えるようにするだけでアプリを組み込めます。また、アプリ側としては、サイトごとにアプリを対応する必要がありません。仕様はmixiアプリなどと同じOpenSocialベースですので、独自の開発ノウハウも必要ありません。こうして、みんなを巻き込んでエコシステムを作っています。

aimaで提供されているソーシャルゲーム。左から、「キュービッツ」「ダンダンTown」「農場パラダイス+」
経営シミュレーションゲーム「ビジネスライフ」昭和初期の財閥界を舞台にしたノベルゲーム「牡丹の庭」

会員を持たないサイトでもユーザーはOpenIDで利用

―― 設立当初からパートナーの分野が多岐に渡って、ネットカフェ(自遊空間)やPCショップ(TWOTOP等)なども参加しているのがユニークですね

沈氏:いままでの事業でのつながりもあり、さまざまな企業に参加いただきました。例えば、ネットカフェは滞在時間を長くするビジネスモデルですので、コンテンツが重要です。ゲームは今もネットカフェで人気がありますが、流行しているソーシャルアプリをどう取り入れるかが、各社とも課題になっています。aimaの場合は、自遊空間さんなら自遊空間のゲームとしてメニューを作って見せられますので、それならやりましょう、と乗っていただきました。

 ネットカフェの場合、独自にIDを発行しなくても、OpenIDでログインできるようにできます。ユーザーはGmailやYahoo!、mixi、Twitterなど、OpenIDに対応したIDを持っていれば、そのIDでゲームができます。お店で会員のIDやパスワードを管理する必要がないわけです。

 一方、会員制のサイトであれば、そのサイトのIDを使うようにできます。たとえばポイントサイトでは、ゲームのアイテムをポイントで買えるようになりますので、ユーザーが余っているポイントを使えるなど、お金より低いハードルでゲームを楽しんでもらえます。そうした利点と、ACCESSPORTとポイントサイトとのつきあいがあることもあって、多くのポイントサイトにaimaに参加いただいています。

―― いろいろなサイトから、人を集めるキラーコンテンツとしてゲームが欲しいが、コストが大変という話を聞きます

沈氏:ゲームコンテンツは、集めるのが大変ですね。時間やお金もかかりますし、交渉も必要で、場合によっては前払いで支払うなど、いろいろな対応が求められます。また、ゲームをどんどん追加していかないとユーザーが飽きてしまいますので、導入後も継続的に新ゲームを提供する必要がある。現在aimaに参加いただいている企業では、以前自社でゲームコンテンツの導入を検討したがコスト面で断念した経緯があり、すぐに提案に乗っていただけたというケースもありました。

―― ゲーム集めは自信のある分野でしょうか

沈氏:はい。特に、中国と日本のインターネット企業とビジネスをしてきたので、両方の国の企業につながりがあります。中国ではサンシャイン牧場のRecooなども、そうしたつながりがあるので快くゲームを提供してくれました。ゲーム会社側にもサイト側にも、また中国と日本のどちらの国にでも話を持っていけるのが、ACCESSPORTが他社と比べて優位性があるところではないかと思っています。

ACCESSPORTが自社で運営するソーシャルゲームサイト「WoopieBIGLOBEの運営する「ゲーマーズワン」。オリジナルコンテンツも多数用意し、トップページも独自デザインネットカフェ「自遊空間」のソーシャルゲームサイト。Yahoo、Google、mixiなどのOpenIDで利用可能

アプリケーション提供側も導入サイト側も、aimaのためのコスト負担はゼロ

沈社長は、aimaでは配信サイトが増えるたび新規ユーザーが獲得できることを図を描いて説明してくれた。会議室は壁の一面がホワイトボードになっているユニークな作り

―― パートナー15社でスタートしましたが、現在の参加社の数は

沈氏:ほぼ確定しているところも入れますと、約30社になります。

 aimaの特性として、サイトが増えるとユーザー数がそのたびに一気に増えるという階段状の成長するという点が上げられます。アプリケーション開発側から見ると、この点が、特定のプラットフォームのみで提供する場合との大きな違いですね。1つのプラットフォームだけで提供していると1回勝負になってしまいます。母数の大きなサービスでは競争も激しく、最初の1週間でランキングに入れないと厳しいと言われますが、aimaでは何回もチャンスがあります。また、提供先はサイトごとにユーザー層が違うので、いろいろな層にリーチできるのも特徴です。

―― 発表では、売り上げの3割がaima、7割がアプリケーション開発側という話でした

沈氏:はい。また、アプリケーション開発側もサイト側も、aimaのための費用負担はゼロです。自社サービスで会員を持っているような場合には、会員IDをつなぎ込む必要があればその部分は対応する必要がありますが。

 導入サイトでは、最低限ヘッダーとフッターを用意すれば、テンプレートを組み込むだけで、サイトにアプリケーションを埋め込めます。もし凝ったページにしたいなら、サイト側でウェブページのデザインを作り込んだり、サイトの顧客層に合ったアプリケーションを選んで並べたり、広告を入れたりといったことも柔軟に行えます。

 ゲーム開発側でも、サイトごとの数字からゲームとユーザーとの相性を見たり、それを元に特定のサイトでプロモーションして集客してもらったりなどもできますので、やりかたによっていろいろと面白いことができると思います。

 いま、東映の映画「ブッダ」のキャンペーンをゲームを横断して展開しています。例えば、街作りのゲームの中で映画のポスターが見えたり、恋愛ゲームの中でデートで映画館に行くシーンがある場合に、上映中の映画が「ブッダ」だったり、ソーシャルアプリのいろいろなところに「ブッダ」が登場する趣向です。このように、サイトやアプリケーション開発者以外にも、宣伝・販促の場として活用できるのも面白いと思います。

ポイントプログラム「Ponta」が提供する「ポンゲー」。少ないポイントでもゲームで使えるため、ポイントサイトとは相性がいいというポイントサイト「Warau.JP」が提供する「ワラウゲーム」。東映の映画「ブッダ」のプレゼントが当たるキャンペーンを実施中

―― 現在サービスはPC向けに提供されていますが、スマートフォン対応などは

沈氏:いまはPCを対象にしていますが、第2四半期からモバイル向けも開始する予定です。従来型のフィーチャーホンとスマートフォンの両方に対応します。やはり、モバイルは無視できませんね。

―― ありがとうございました。


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(高橋 正和)

2011/3/11 06:00