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BBIXとBIGLOBE、「アット東京」に接続拠点を新設、接続環境の整備で“日本をアジアのハブ”へ

 BBIX株式会社とビッグローブ株式会社(BIGLOBE)は、株式会社アット東京が運営するデータセンター「アット東京中央センター(CC1)」に新たな接続拠点を開設し、接続サービスを開始したことを発表した。

 CC1は、都内某所にある総床面積14万平方メートル、約1万5000ラックを収容した国内最大級のデータセンターだ。2001年に運用を開始した。3系統受電と非常用発電機による電源環境や、20社を超える国内外の通信事業者の接続拠点になっていることなどを特徴としている。

 アット東京の富岡正行氏(ネットワークサービス部サブグループマネージャー)は、「規模が大きな事業者がデータセンターを利用する場合、電源やスペースの新設・増強といった拡張性の限界などトラフィック集積拠点の課題が浮き彫りになってくる。また、インターネット業界では大手町(東京都千代田区)に集まっている事業者が多数おり、拠点の過度な集中化により、障害や災害発生時における被害リスクが甚大になる」という。

 アット東京では、国内外通信キャリアPOPの誘致、クラウドやコンテンツ提供事業者などインターネットの利便性を求める顧客の誘致など、インターネットトラフィックの集積拠点化に向けて取り組む。また、今回のBBIX、BIGLOBEとの協業により、インターネット接続性の強化や、トラフィック集積拠点として顧客の利便性が高められるとしている。

 同社常務執行役員の小笠原寛氏は、「データセンターが局所的に集中しており、事業者からは設備をなかなか増強できないといった声があった。アット東京は総床面積14万平方メートルで事業者はスペースを気にすることなく利用できる。また、BBIX、BIGLOBEと協業することで、よりインターネットの集積拠点になると思っている。インターネットの接続性を高めてビジネスで活用できるデータセンターになって欲しい」と述べた。

通信事業者一覧。新たにBBIXとBIGLOBEが加わった
アット東京データセンターの特徴
株式会社アット東京常務執行役員の小笠原寛氏
株式会社アット東京ネットワークサービス部サブグループマネージャーの富岡正行氏

国内の接続環境を整え“日本をアジアのハブ”へ

 BBIXはCC1内に、都内で5カ所目、全国で9カ所目の接続拠点となる「BBIX東京第5センター」を開設する。大手コンテンツ事業者と国内ISPの円滑なデータトラフィック交換の実現に向けて新設したもので、アット東京のデータセンターサービスを利用するISP、データセンター事業者、金融機関、企業などを対象に、ユーザー間のデータトラフィックを交換する相互接続ポイントを提供する「IX コネクトサービスLite」を開始する。

 BBIXの佐々木秀幸氏(企画部企画課課長)は、国内の接続環境の整備により、海外の通信事業者が参入しやすくなる“アジアのハブ”になることを目指している。しかし、国内の接続環境は一部の地域にデータセンターが集中していること、オーナーの意向によって回線を選べない点、英語対応ができるプロバイダーが少ないことを課題として挙げる。

 BBIX東京第5センターは同社が都内に設置している他の4センターと広帯域回線で相互接続しているため、各センター間のデータトラフィックも可能となるほか、国際間接続サービス「US延伸」および「Smart IX」などの付加サービスを利用することで、米国、香港、シンガポールのインターネット事業者にも直接接続することができる。

 「各拠点とも冗長が取れたネットワークで、太束のバックボーンで繋いでいるため、アット東京で接続すれば、他の拠点と接続されているユーザーとも問題なくトラフィック交換ができる状況になっている。」

都内で5カ所目の接続拠点となる「BBIX東京第5センター」
BBIX株式会社企画部企画課課長の佐々木秀幸氏

ISPサービスの安定通信と海外への接続拡張に向けて

 BIGLOBEは、ISPサービスの安定した通信と、海外への接続を拡張するためCC1内に接続拠点を開設する。キャリアやIX、クラウド事業者やCDNなどと同じデータセンター構内で接続できることにより、安定したサービス提供や拡張性の高いネットワーク構築が可能になるという。同社では、大容量でも国内外への遅延が少ないインターネット接続を提供する「IPトランジット」を本データセンター利用者向けに展開する。

 「近年急増する国内のトラフィックの中でもクラウド事業者とのトラフィックは過去5年間で8倍増加している」とBIGLOBEの川村聖一氏(システム基盤本部マネージャ)は述べる。そのため、トラフィックが増える中で安定通信を実現するためにはバックボーンの強化が必要になる。主にネットワーク用データセンターを活用したコンテンツ/クラウドサービスとの接続の強化、IXの接続強化、アジアなど海外との接続強化を挙げる。

 「BBIXがIXサービス、BIGLOBEがインターネット技術コンサルティングとIPトランジットサービスを提供することで、日本に海外のキャリアが参入する際にオールインワンでサービスを提供できる。単にデータセンターを借りて通信をするだけでなく、今後のグローバルビジネス発展のきっかけになる」と述べた。

BIGLOBEのグループ会社FullrouteとBBIXで、日本進出企業向けのデータセンターコンサルティング、IPトランジットサービスを提供
ビッグローブ株式会社システム基盤本部マネージャの川村聖一氏

アット東京中央センター(CC1)内部

アット東京中央センター内BBIX・BIGLOBE接続拠点設置スペース
中央センター休憩コーナー
免震装置
ハウジングサービスのラック
コロケーションサービスのスペース
ケージングコロケーションサービスのスペース
変圧器
冷凍機