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さくらインターネット、「さくらのIoT Platform β」の申し込み受付を開始

 さくらインターネット株式会社は5日、IoT向けの通信環境やデータ処理に必要となるシステムを一体で提供するプラットフォーム「さくらのIoT Platform β」の申し込み受付を開始した。正式版サービス提供開始までのベータサービスとしての提供で、提供開始は11月1日。

 「さくらのIoT Platform」は、モノとネットワークでデータを送受信するための通信環境、データの保存や処理に必要なシステムを一体で提供するIoTのプラットフォーム。モノに組み込むための「さくらの通信モジュール」と、さくらインターネットのデータセンターを、安全性を確保するためのLTE閉域網で接続。ストレージ、データベースなどのバックエンドシステム、外部のクラウドやアプリケーションサービスとAPI連携システムを一体型で統合的に提供する。

「さくらのIoT Platform β」サービスロゴ

 提供する通信モジュールは、通信モジュール単体で利用可能な「単体方式」と、ゲートウェイを経由して利用する「ゲートウェイ方式」の2方式を開発中。通信モジュールは共通の形状・インターフェイス仕様で提供されるため、顧客が用途に応じて通信モジュールを交換できる。

 単体方式の通信モジュールは、キャリアのLTE閉域網を利用して「さくらのIoT Platform」に接続し、データを送受信する。通信モジュールは、ソフトバンク株式会社、Altair Semiconductor、太陽誘電株式会社が協力して開発したIoT機器向けのLTEモデムを採用した。

単体方式の通信モジュール

 ゲートウェイ方式では、2.4GHz帯または920MHz帯(LoRa)の変調方式の通信モジュールから各変調方式に対応するゲートウェイを経由して「さくらのIoT Platform」に接続し、データを送受信する。2.4GHz帯は大量のデータを1km程度の比較的短距離で、920MHz帯は少量のデータを15km程度までの比較的長距離でやり取りする場合に適している。

 10月5日時点では、単体方式の通信モジュールと、オプション品としてブレイクアウトボード(検証ボード)、Arduinoシールドを販売する。販売価格(税別)は、単体方式の通信モジュールが9960円、ブレイクアウトボードが5000円、Arduinoシールドが8000円。正式サービス開始まではキャンペーン期間として、通信モジュールおよびオプション品をそれぞれ半額で販売するほか、サービスの月額利用料金を無料とする。また、ベータサービスに申し込んだユーザーは、正式サービス開始後も1年間無料で利用できる。

 「さくらのIoT Platform β」は、パートナー各社が提供するサービスと連携した利用が可能。サービス開始時点では、日本アイ・ビー・エム株式会社のアプリケーション構築基盤クラウドプラットフォーム「IBM Bluemix」、Amazon Web ServicesのIoT向けプラットフォーム「AWS IoT」、ヤフー株式会社のIoT・サービス連携アプリ「myThings」、株式会社ウフルのリアルタイム通信データ送受信プラットフォーム「Milkcocoa」、株式会社ZEALSのチャットボット開発運用フレームワーク「BOT TREE for IoT」の各サービスと連携する。

 また、2016年冬をめどに、株式会社ABEJAのビッグデータAI解析プラットフォーム「ABEJA Platform」と連携を予定。さらに、新たなプライオリティパートナーとして日本マイクロソフト株式会社が参加を表明しており、正式サービス提供時から「Microsoft Azure」の「Azure IoT Suite」および「Windows 10 IoT Core」と連携を開始する予定としている。