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家中の壁がディスプレイになるような体験を提供する――Cerevoが移動・変形機能搭載のプロジェクターロボットを発売

「Tipron」が自動的に映像・情報を届ける生活を実現するという

 株式会社Cerevoは9日、プロジェクター搭載ホームロボット「Tipron」を発売した。同社直販サイト「Cerevo official store」での販売価格は22万9800円(税別)。12月中の発送を予定している。

 屋内のあらゆる壁や天井をディスプレイに変えることをコンセプトとした製品で、移動時とプロジェクター投影時で形状を切り替える変形機能を備えている。重量は約9.5kgで、変形前の本体サイズは300×340×420mm(幅×奥行×高さ)。変形後は300×330×810mm(幅×奥行×高さ)。バッテリー容量は5900mAhで約2時間駆動。最大2個のバッテリーを搭載できる。

映像投影時には全高約80cmの投影形態へと変形
移動時・充電時は障害物接触を防ぐためにコンパクトになる。低重心設計になっており、転倒を防止する工夫も施している。なお、防水・防塵機能仕様だが、屋内での使用を想定している
天井に投影した状態
スムーズに変形して映像を投影
取り外し可能な専用バッテリーを2個まで搭載可能。バッテリー1個につき約2時間駆動する

 背面にはHDCP対応のHDMIポートおよび給電対応のUSBポートを装備。HDMI出力に対応したPCやレコーダー、ゲーム機などの映像や、USBメモリに保存した動画を再生できる。「Chromecast」や、「Miracast」対応デバイスと接続して映像を投影できるほか、YouTubeやRSSリーダーを表示する機能も搭載する。再生対応サービスは今後も拡大する予定としている。

 iOS/Android版スマートフォンアプリのスケジュール機能で指定した場所・時間・コンテンツを自動的に投影することができる。IEEE 802.11b/g/nの無線LAN機能も備えており、例えば、午前7時半にはリビングルームの壁へYouTubeの映像を投影、本体内蔵のRSSリーダー機能を利用してニュースを表示することが可能。指定したスケジュール操作を終えると、自動で充電ステーションへ戻るようになっている。

専用のスマートフォンアプリから投影する場所や角度を変更できる
スケジュール設定も可能だ
充電ステーションに自動的に戻るようになっている

 プロジェクターユニットは左右それぞれ90度、上方向に90度、下方向に35度向きを変えられるほか、左右に90度回転し、縦や斜めに画像を映し出すことも可能。3mの距離で80インチの画面を投影可能で、本体に5Wのモノラルスピーカーを内蔵しており、本体のみで映像と音声を楽しめる。輝度は最大250lmで最大解像度は1280×720ドット、H.264/AACのフォーマットに対応。あらゆる角度でも映像を見やすく投影するための深度センサー、IRセンサー、9軸センサーやオートフォーカス機能、台形補正機能を搭載する。

本体背面にUSB×1ポート、HDMI×1ポートを備える
「Chromecast」などのストリーミング端末から映像コンテンツを再生することも可能
各種センサーを上部に備える
5Wのモノラルスピーカーも装備
テキサス・インスツルメンツのプロジェクターモジュール、Qualcommのsnapdragonプロセッサを採用し、本体製造はFOXCONNが担当している

 Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏によると、Tipronは「3割は男のロマン、7割は実用性」を持たせた製品だという。「ホームロボットで変形機能を持たせたのはこれが初めてではないだろうか」と説明し、同製品がユーザーのシチュエーションに合わせて投影位置を変更できることをアピールした。

 なお、今後はデバイスとの連携でTipronを呼び寄せる機能や、APIの公開も検討しているそうだ。

Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏