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Monotype社のフォント9005書体が年額2万4000円で使い放題、フォントワークスが日本市場向け定額制サービス

 米Monotype Imagingのフォント9000書体以上が年額2万4000円からの定額料金で使い放題となるサブスクリプション制サービス「Monotype LETS」を、ソフトバンク・テクノロジー株式会社の子会社でフォント事業を展開するフォントワークス株式会社が11日、提供開始した。

 Monotypeは、「Helvetica(ヘルベチカ)」「Frutiger(フルティガー)」「Optima(オプティマ)」に代表される定番フォントなど1万8000書体以上を有する世界最大のフォントメーカーだという。今回、フォントワークスとMonotypeが業務提携に合意し、日本市場向けのサブスクリプション制サービスを展開することとなった。

(向かって右から)フトバンク・テクノロジー株式会社代表取締役社長CEO兼フォントワークス株式会社取締役の阿多親市氏、フォントワークス株式会社代表取締役社長CEOの原田愛氏、米Monotype Imagingシニアバイスプレジデントのジョー・ロバーツ氏。11日に都内で行われた記者発表会で

 Monotype LETSで提供するのは、欧文フォントおよび多言語フォント計9005書体。言語別では、欧文(Latin/Extended Latin)7743書体、アラビア(Arabic)119書体、タイ(Thai)34書体、ベトナム(Vietnamese)58書体、中国語簡体字(Simplified Chinese)77書体、中国語繁体字(Traditional Chinese)150書体など。

 Monotype初のオリジナル日本語フォント「たづがね角ゴシック」も4ウェイト(主に本文向けのUltra Light/Lightと、主に見出し向けのBold/Black)収録する。たづがね角ゴシックは、Monotypeの欧文書体である「Neue Frutiger(ノイエフルティガー)」に合う書体としてデザインされた日本語フォント。英数字のサイズ・位置は日本語に合わせて最適化され、漢字やひらがな・カタカナとの組み合わせでも視認性を高める工夫がなされており、多言語表記の際にも統一したイメージでの表現が可能だという。

 なお、フォーマットはOpentypeが5631書体、TrueTypeが3374書体。

 Monotype LETSの利用料金(税別)は、入会金が1事業所につき3万円、年会費が「1年コース」でPC 1台につき3万6000円、「3年コース」でPC 1台につき2万4000円(3年間で7万2000円)。6月23日までサービス開始記念キャンペーンを実施しており、入会金が無料となる。

 フォントワークスによると、日本市場ではこれまで、Monotypeのフォントは国内の販売代理店などを通じて1書体ごとの売り切り方式で提供されていたという。一方、米Monotype自身がグローバルでサブスクリプション制サービスを展開しており、日本のユーザーも利用可能だったが、申し込みサイトや契約文書などはすべて英語で、決済もドル建てだったという。フォントワークスが開始したMonotype LETSは、Monotype製フォントのサブスクリプション制サービスが日本語で提供され、決済も円建てで行える初のサービスだとしている。フォントワークスのウェブサイトからオンラインで申し込み・契約手続きが可能で、契約後すぐにフォントを利用できる。

 さらにMonotype LETSでは、オプションとして「ゲームLETS拡張ライセンス」を用意しているのも特徴だ。これは、ゲームへのフォントファイルやアウトラインの組み込み、チャットやプロフィール入力などゲームプレーヤーの文字入力を許諾するライセンス。料金(税別)は、PC 1~10台が一律10万円、11台以上の場合が1台につき1万円。このようなゲームへの組み込みなどの利用に対する許諾は、Monotype自身が提供するグローバル向けサブスクリプション制サービスでは提供しておらず、Monotype LETS独自のサービスだとしている。