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LINE、犯罪捜査への協力要請1719件の58%に対応、2016年下半期分「LINE Transparency Report」

 LINE株式会社は24日、捜査機関からの情報開示請求とその対応状況についてのレポート「LINE Transparency Report」の2016年下半期分を公開した。

 2016年7~12月のLINEメッセンジャーアプリに対する情報開示要請の件数は1719件、このうち58%の要請に対応し、1268回線の情報を開示したという。また、要請のうち1500件(87%)が日本の捜査機関からのもので、国内における対応件数は928件、開示対象の回線数は1167件だった。

 日本に次いで多いのは台湾の要請件数168件、対応件数68件、対象回線数100件。次いで韓国で要請件数43件、対応件数0件。

 LINEでは、「捜査機関による情報の開示請求」のウェブページにおいて、捜査機関による犯罪捜査への協力を例外として、それ以外の場合には、本人の同意なしに第三者へユーザー情報を提供することはなく、サービス提供に必要な範囲を超えた目的で取り扱うこともないとしている。

 捜査協力については、犯罪が発生した場合の事件解決や身体・人命保護のため、被疑者や被害者のLINE登録情報や利用情報を、警察をはじめとした捜査機関に対して提出することと定義しており、例として「LINE上で被害者を特定の場所まで誘い出し殺害したというような事件」で、捜査機関から令状により被害者と被疑者とのLINE上での通信履歴の開示を求められた場合を挙げている。提供しているのは、特定ユーザーに関する以下の情報で、不特定のユーザーの情報を提出することではないとしている。

  • 登録情報(プロフィール画像、表示名、メールアドレス、電話番号、LINE ID、登録日時)
  • 通信情報(送信日時、送信元IPアドレス)
  • 最大7日分のテキストチャット

 なお、テキストチャットの提供については、2016年7月1日よりデフォルトで有効化されているエンドツーエンド暗号化が無効に設定されている場合に限られる。また、裁判所が発行した有効な令状を受領した場合にのみ、テキスト情報に限って提供しており、動画・写真・ファイル・位置情報・音声通話の内容は含まれないという。

 LINEでは、捜査機関への情報提供について、LINEを使った刑法犯罪の被疑者の検挙や被害の軽減、人命保護、犯罪抑止に協力するのは、コミュニケーションインフラを提供する上での責務と考えているとしている。また、LINEのサービスを構成する主要なサーバーは日本国内にあり、国内法に準拠して運用されていることも改めて明言している。