初音ミクの立体映像が流れる、アキバに近未来献血ルーム

「fg」協力によるフィギュア展も


akiba:F

 日本赤十字社は、東京・秋葉原に献血ルーム「akiba:F」を10月1日にオープンする。休憩スペースでは“アキバにふさわしい”展示イベントを行うとしており、その第1回は「初音ミク 未来へ」を10月1日から2010年1月8日まで開催する。

 展示イベントでは、初音ミクなどのVOCALOIDシリーズを販売するクリプトン・フューチャー・メディア株式会社が協力しているほか、株式会社エンタースフィアが運営する立体物のコミュニティ「fg」と、3DCGコミュニティ「cg」のユーザーが提供した作品を休憩スペースに展示する。

 休憩スペースの中央にある円筒形のショーケースには、「fg」のユーザーが作成した初音ミクおよびVOCALOIDシリーズのキャラクターフィギュアが20体展示されている。さらに、「日本に5台しかない」というデンマーク製の3Dホログラム装置が3台あり、初音ミクの立体映像を流している。

 休憩スペース窓側の席にはガラスケースの中に初音ミク関連の商品を展示する。窓側左奥には、PCが設置されており、「cg」の「AR(拡張現実)表示」機能を体験できる。また、エンタースフィアが株式会社アイジェットとの協業で立ち上げた「立体出力サービス」によって作成されたフィギュアも展示している。

 9月30日に行われた「akiba:F」の内覧会に出席していたエンタースフィアの岡本基代表取締役は、「今年のお盆明けに今回の話をいただいた。ユーザーの皆さんが積極的に協力してくれたおかげで、オープンに間に合った」と話す。フィギュア作成者も事前に「akiba:F」を訪れていたようで、「休憩スペースの中央に飾られると知って、ドキドキしていた」という。岡本氏は、「今後もフィギュア関係の展示があれば協力したい」とした。

ショーケースに並ぶフィギュアfgユーザーのフィギュア20体を展示

初音ミクの立体映像が手を振るcgのAR表示機能を体験できる

採血スペースは全席に「iPod touch」完備

採血ルームの椅子

 休憩スペース窓側の席には電源があるほか、休憩スペース内は公衆無線LANサービス「FREESPOT」を利用できる。日本赤十字社の説明員は、「PCをつないでもらうというよりは、携帯端末で利用してほしい」とした。

 採血スペースは、中央に円形のスタッフカウンターがあり、それを囲むように椅子が並べられている。各席には、「iPod touch」が備えてあり、あらかじめ用意された映像を視聴できる。映像は献血啓発ビデオなど数種類から選べる。

 東京都赤十字血液センターの中島一格所長は、少子高齢化で輸血用の血液が不足し、その状況は特に若い世代が少ない地方で深刻だと説明する。都市部での献血者確保が必要となり、「サブカルチャーの発信源として若い世代が集まる場所」である秋葉原への期待は大きい。

 「秋葉原にあるもう1つの献血ルームは、週末になると混雑するほどで、利用者にはご迷惑をおかけしている。そこで、秋葉原のイメージにマッチするような新しい献血ルームをオープンすることになった」とのことだ。ちなみに、「akiba:F」の「F」は「未来(future)」を意味しているという。

 なお、「akiba:F」は、献血目的以外で立ち入ることはできない。また、オープン当初は混雑が予想されるため、献血者の同伴人数に制限を設けている。詳しくは、東京都赤十字血液センターのWebサイトにある「akiba:F」ページで確認してほしい。

iPod touchはAVケーブルでモニターに接続採血ルーム。中央にスタッフカウンター椅子も近未来的なデザイン

問診室の入り口ドリンク販売機。横のゴミ箱はゴミを入れると照明の色が変わる本棚にはマンガのほか、今回のイベント中は初音ミクの関連書籍も並ぶ

 


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(野津 誠)

2009/9/30 19:40