Winny/Shareファイルの約半数「著作権侵害コンテンツと推測」


 コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)、日本レコード協会(RIAJ)、日本国際映画著作権協会(JIMCA)は22日、権利者に無許諾でファイル共有ソフトのネットワークにアップロードされているコンテンツの流通状況をとりまとめた。

 調査は専用ソフト「P2P FINDER」を使用し、「Winny2」「Share EX2」「Gnutella」のネットワークを巡回。各ネットワークから、ノードおよびファイル名が同じデータを除くファイル2万件をそれぞれ取得・分析した。調査期間は10月2日17時から10月3日17時までの24時間。

 検出されたノードのうち、日本国内のIPアドレスを利用して接続していた割合は、Winny2が99.1%、Share EX2が94.0%、Gnutellaが3.67%だった。なお、Gnutellaで検出されたノードの57.42%は米国のIPアドレスを利用して接続していた。

Winnyで流通するファイルの47.6%は「著作物と推測される」

 Winnyに関しては、Winnyプロトコルを利用したクローラーを用いて、特にキーワードを設定せずに、Winnyネットワーク上に流通するキー情報(ノード情報、ファイル情報)の自動収集を行った。

 Winnyで流通するファイルのうち、「著作物と推測されるもの」は47.6%と半数近くに上り、このうち権利の対象であり、無許諾で送信されていると推定されるものが98.0%を占めたという。

 また、Winnyで流通するファイルのうち、「アダルト」は28.5%、「同人」は16.5%だった。なお、「アダルト」と「同人」は権利の所在が判別できなかったため、権利の対象に関する調査を見送っている。

 このほか、タイトルからはコンテンツの内容が判別できない「不明ファイル」は4.4%、タイトルや拡張子からウイルスなどと推定される「危険ファイル」は0.2%、ウイルス感染などで流出した個人情報と推定される「情報」は2.8%だった。

 「著作物と推定されるもの」に分類されたファイルのジャンルは、「アニメ」が25.0%で最も多く、次いで「音楽」が19.0%、「コミック」が17.9%、「ゲーム」が8.3%、「映像」が7.6%など。

Winnyコンテンツ流通状況Winny著作物と推測されるコンテンツの内訳

Shareで「著作物と推測される」ファイルでは「アニメ」が最多

 Shareに関しても同様に、Shareプロトコルを利用したクローラーを用いて、特にキーワードを設定せずに、Shareネットワーク上に流通するキー情報(ノード情報、ファイル情報)の自動収集を行った。

 Shareで流通するファイルのうち、「著作物と推測されるもの」は52.7%と半数を超え、このうち、権利の対象であり、無許諾で送信されていると推定されるものが98.2%を占めたという。

 Shareで流通するファイルとしてはこのほか、「アダルト」が32.2%、「同人」が7.9%、「不明ファイル」が6.8%、「情報」が0.3%、「危険ファイル」が0.2%。

 また、Shareで「著作物と推定されるもの」と分類されたファイルのジャンルは、「アニメ」が30.7%で最も多く、次いで「コミック」が15.3%、「映像」が11.9%、「音楽」が11.3%など。

Shareコンテンツ流通状況Share著作物と推測されるコンテンツの内訳

Gnutella流通ファイルの90.6%は「著作物と推測される」

 Gnutellaに関しても同様に、Gnutellaバージョン0.6プロトコルを利用したクローラーを用いて、Gnutellaネットワーク上に流通するキー情報(ノード情報、ファイル情報)の自動収集を行った。

 Gnutellaで流通するファイルのうち、「著作物と推測されるもの」は90.6%と大多数を占めた。このうち、権利の対象であり、無許諾で送信されていると推定されるものは99.1%だった。

 Gnutellaで流通するファイルとしてはこのほか、「アダルト」が1.2%、「不明ファイル」が8.2%。「同人」「情報」「危険ファイル」は確認されなかった。なお、「著作物と推定されるもの」に分類されたファイルの96.7%は「音楽」だった。

Gnutellaコンテンツ流通状況Gnutella著作物と推測されるコンテンツの内訳

関連情報

(増田 覚)

2009/12/22 20:17