Winnyで公開しているファイルを確認できる「Nyzilla」公開


 ファイル共有ソフト「Winny」のユーザーが、どのようなファイルを公開しているのかを確認できるソフト「Nyzilla」が、セキュリティ研究者の高木浩光氏によって開発・公開された。

 Nyzillaは、Winnyを稼働しているサイトにアクセスし、そのサイトでどのようなファイルを公開しているかを閲覧できるソフト。WebブラウザやFTPソフトなどのように、Nyzillaで「winnytp://サイト名:ポート番号」という形でアクセスすると、そのサイトで公開しているファイルの一覧を見ることができる。閲覧目的のため、ファイルのアップロード機能やダウンロード機能は持たない。

 高木氏は、Winnyなどのネットワークに、漏洩ファイルや児童ポルノなどが流出している状況は、Winnyのユーザー自身がどのようなファイルを公開しているかを自覚していないことが原因の1つだと指摘。一方、海外で利用されているLimeWireでは、自分が公開しているファイルや、接続先の相手が公開しているファイルを一覧できるような仕組みとなっているとして、Winny利用者がLimeWire利用者と同様に、自らの行いを自覚できるようにするのが、Nyzillaを公開した趣旨だと説明。Winny利用者に対して、自分自身がどのようなファイルを公開しているのかを確認する方法を紹介している。

 また、Nyzillaのもう1つのリリースの趣旨としては、Winnyで流通しているファイルの実態を広く知ってもらうことだと説明。広く一般の人々がWinnyの実態を把握できるようになっていない限り、Winnyなどがもたらす社会問題に対して、誤りのない認識に基づいた正しい世論が形成されることは期待できないとして、Winnyを使わずにWinnyにおけるファイル流通の実態を把握するためのツールとして、Nyzillaを開発・公開したとしている。


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(三柳 英樹)

2009/12/25 15:06