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携帯フィルタリング外す理由、親が書面で提出を〜東京都が条例案


 東京都は、青少年が使用する携帯電話のフィルタリング解除を認める際の理由を規則で定め、保護者に対して解除理由などを書面で提出することなどを義務付ける。24日に本会議が始まる定例都議会へ提出する議案「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」に盛り込んでおり、会期中の成立、10月1日からの施行を目指す。

 「東京都青少年の健全な育成に関する条例(青少年健全育成条例)」の改正は、東京都青少年問題協議会(会長:石原慎太郎東京都知事)が1月14日にとりまとめた答申「メディア社会が拡がる中での青少年の健全育成について」を受けたものだ。

 この答申では、青少年保護の観点から、携帯フィルタリングの実効性を向上する必要性を指摘。携帯電話の契約時における使用者の年齢確認を厳格化することを携帯電話事業者に要請することや、「容易にフィルタリングを解除できない仕組みを制度化する」ことを求めていた。

 条例改正案では、青少年のインターネット利用環境の整備に関する規定を改定している。例えば、青少年の使用する携帯電話には原則適用となっているフィルタリングサービスについて、保護者が利用しない旨を携帯電話事業者に申し出る際には、東京都規則で定める正当な理由や、ログ閲覧サービスを利用するなどして有害情報にアクセスすることがないよう監督することなどを記載した書面を、携帯電話キャリアに提出しなければならないとしている。

 このほか、青少年の所持に適した携帯電話の基準を定め、都が推奨する制度についての規定も盛り込んだ。「携帯電話端末等の推奨」の条項を追加しており、「青少年がインターネットを利用して青少年の健全な育成を阻害するおそれがある情報を得ることがないよう必要な配慮を行つていることその他の東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な育成に配慮した機能を備えていると認めるもの」を、青少年の年齢の応じて知事が推奨することができるとしている。

「mixi」「GREE」などへのアクセス可否は、親が選択する仕様に?

 答申ではこのほか、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)が定めたコミュニティサイトの管理・運用基準に合格し、携帯フィルタリングの対象外となっている“健全サイト”であっても、これを利用した青少年が犯罪に巻き込まれるなどの被害が発生していると説明。フィルタリングから除外するサイトの基準に関して、青少年が実際に被害に遭わないよう、望ましいフィルタリングの水準に関する規定を条例に盛り込むことを求めていた。

 携帯電話事業者に対しては、EMAのような第三者機関による認定の有無のみにとらわれず、コミュニティ機能を有したサイトはフィルタリングで遮断することを基本とし、それら認定サイトの中で閲覧してもよいと保護者が判断したサイトのみを、後から閲覧可能に設定できるような仕様にすることを検討するよう求めている。

 今回の条例改正案では、青少年のインターネット利用にかかわる事業者やフィルタリングソフト事業者の責務として、提供するフィルタリングソフト/サービスついて、「青少年がインターネットを利用して自己若しくは他人の尊前を傷つけ、違法若しくは有害な行為を行い、又は犯罪若しくは被害を誘発することを容易にする情報を閲覧する機会を最小限にとどめるものとなるように務めなければならない」との規定を加えた。

 答申ではこのほか、青少年がインターネットや携帯電話に関連して被害やトラブルに遭った事件について、利用されたサイトやフィルタリングの利用状況を公表する必要性なども指摘している。

 東京都青少年問題協議会がコミュニティサイト対策の強化を求めているのは、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(出会い系サイト規制法)」による規制の対象外であるSNSやプロフサイト、掲示板などを介して青少年が福祉犯罪被害に遭う事例が報告されているためだ。

 答申では、「mixi」や「GREE」など大手サイト事業者10社に対して警視庁が2009年2月〜6月、「利用規約に違反して実質的に出会い系サイト化しているコミュニティサイト等」の解消を要請した件を取り上げ、そのうちの6社がEMA認定サイトであり、フィルタリングの対象外だったことも挙げている。

 携帯電話の推奨制度については、すでに子ども向けの端末が販売されているものの、機種が少ないことやデザイン面から敬遠され、普及していない事情を考慮した。答申では、安全に利用でき、青少年に受け入れられるデザインなどを備えた端末の多様化を進めるよう、携帯電話事業者などに要請するよう求めている。

 答申では、ネットリテラシー向上のための啓発の必要性についても指摘しており、条例改正案でも、都の責務として、青少年におけるネットリテラシー教育を推進することや、啓発の指針を定めることも盛り込んだ。そうした取り組みに関する施策についても2010年度予算案に盛り込むという。また、推奨携帯の仕様を検討する委員会の予算も計上する。


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(永沢 茂)

2010/2/18 20:07