あちこちのServersManノードをWindowsにマウント可能、シェルアプリ公開


フリービットの石田宏樹代表取締役社長(14日に行われた決算説明会で)

 フリービット株式会社は14日、同社が提供している何でもサーバー化ソフト「ServersMan」シリーズを連携させて使用するためのWindows用ソフト「ServersMan Shell」を公開した。Windows 7/Vista/XPに対応しており、ServersManのサイトから無料でダウンロードできる。

 ServersManシリーズは現在、スマートフォン用の「ServersMan@iPhone」や「ServersMan@Android 」、iPad用の「ServersMan HD」、NAS用の「ServersMan@CAS」、Android搭載フォトフレームの「ServersMan Cast@net」、Windows PC用の「ServersMan@Desktop」などがあり、これをインストールした機器が、インターネットから直接アクセスできるサーバーとして機能するようになる。また、VPSサービスの「ServersMan@VPS」というものもある。

 今回公開したServersMan Shellは、これら複数の場所に分散して存在しているServersManのストレージ領域を、Windowsのエクスプローラーと同様のUIから扱えるシェルアプリケーションだ。

 ServersMan Shellをインストールした後、ServersManの機器の種類を選択し、アカウントのメールアドレスとパスワードを入力することで、その機器のServersManノードがマウントされる。あとはエクスプローラーと同様の操作で、各ストレージ領域にあるファイルを開いたり、ドラッグ&ドロップでコピーするといったことが可能になる。アップロードできるのは1ファイルにつき最大2GBまで。なお、ServersMan Shellは「ServersMan@Windows Mobile」には対応していない。


「ServersMan Shell」の利用イメージ「ServersMan Shell」に各種機器のServersManノードをマウントした状態

 フリービットによると、従来もServersManでは同様の機能を有するWebDAVをサポートしていたものの、OSごとの設定のわずらわしさがあったり、OSのバージョンによっては設定が難しく容易に接続ができない状況も発生しているという。ServersMan Shellを使えば、ServersManによるクラウドのストレージ領域と、Windows PCのローカルディスク領域を透過的に利用できるとしている。

 Windows PCとServersManノードの間でファイルをやりとりできるだけでなく、ServersManノード同士でのやりとりも、ServersMan Shell上からドラッグ&ドロップ操作で行える。その際、PCのローカルディスク領域を経由することなく、ServersManノード間で直接ファイルがやりとりされる仕組みのため、フリービットではこれを“Cloud to Cloud”と表現している。

 このほか、共有機能を備えているServersMan@CASについては、その中の共有フォルダをServersMan Shellにマウントし、複数ユーザーで利用することも可能だ。共有機能は、ServersMan@Desktopでも近日中にリリース予定だという。

 このほかフリービットでは14日、ServersMan@CASとServersMan Cast@netのバージョンアップも発表。ServersMan@CASではデータ伝送の高速化を図った。一方、ServersMan Cast@netでは安定性が向上するとともに、写真の大量アップロード・保存が快適に行えるようになったとしている。

 また、14日に行われた決算説明会では、ServersManの新サービスとして「ServersMan@Storage」を近日中に投入予定であることも明らかにされた。これは、Hadoop技術を利用してクラウド上に10GBのオンラインストレージを提供するもの。各機器のServersManノードをここにマウントしてバックアップとして利用できる。フリービットでは、いわばAmazon S3のServersMan版と説明している。ServersManシリーズとの連携のほか、ローカルファイルとの同期も行える。また、ファイルの履歴管理・復元機能も備えるという。


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(永沢 茂)

2010/12/15 06:00