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Google Labs=イノベーション、すべての実験が成功するとは限らない


 Googleの実験的プロダクトを公開するサイト「Google Labs」の統括チームが来日し、同サイトの運営方針であるイノベーション精神について語った。

 統括チームは、プログラムマネージャーのMamie Rheingold氏、プロダクトマネージャーの井上陸氏、テクニカルリードのArthur Gleckler氏の3名。Googleのエンジニアが自らのアイデアを速やかに形にして、Google Labsで広くユーザーに公開できるようサポートするのが役目だ。

Mamie Rheingold氏 井上陸氏 Arthur Gleckler氏

 具体的には、Googleには従業員が“20%ルール”で取り組んでいるプロダクトの成果を社内で発表する場があるといい、さらにユーザーからのフィードバックを得たいプロダクトについてはGoogle Labsで公開することになる。こうしたプロセスをスムーズに進められるようにするための社内ツールも統括チームでは整備している。

 各エンジニアが持ち込んだプロダクトをGoogle Labsで公開するにあたっては、ガイドラインがある。詳細は明らかにしなかったが、井上氏によると、実験的であること、ユーザーにとって安全であることなどの項目がある。また、既存のプロダクトの枠にはフィットしない、新しいタイプのプロダクトが持ち込まれることが多いとしている。

 Googleの通常のプロダクトとして公開するには相応の完成度が求められるが、Google Labsでは「完璧でなくとも、磨かれていなくてもいい。開発初期段階のプロダクトをできるだけ早く公開する」とGleckler氏は説明する。それゆえに「科学実験と同じで、うまくいかないこともある。すべての実験が成功するとは限らない」とも。Google Labsでは現在、71のプロダクトを公開中だが、これまでには途中で打ち切られたものもある。これらも含めて「すべての実験から何かを学ぶこと」がGoogle Labsの目的だとした。

 一方、めでたく“卒業”するパターンとしては、既存の正規プロダクトの一機能として取り入れられるパターンや、1つの正規プロダクトとして独立するパターンなどがある。「Google マップ」「Google デスクトップ」「Google リーダー」なども当初はGoogle Labsで始まったプロダクトであり、こうした卒業生は現在までに18プロダクトに上る。

 なお、Google Labsでの実験を打ち切るかどうかの判断基準については厳密な取り決めはないが、だいたい公開から9カ月後にユーザーからのフィードバックなどの実験結果を見て判断することになるという。

Google Labs Google Labsの卒業生

 他社の“ラボ”との違いについてRheingold氏は、「一握りの選ばれたエンジニアが明日に向けた開発を担当するという孤立した開発プログラムではない。Googleではオープンで革新的な文化、ボトムアップの文化を推奨しており、Googleにいる全エンジニアがラボの科学者、全社がラボであるという考え方」と説明する。

 Googleのエンジニアは世界の拠点におり、Google Labsの公開プロダクトも米国発に限定されない。英語環境のPCからブラウザー上で各種言語を入力できる「Google Transliteration」は日本・インド・中国のエンジニアによるものだし、インド発ではインド音楽を検索する「Indic Music Search」というものもある。「Google Wave」を継承したコラボレーションツール「Google Shared Spaces」は、オーストラリア発だ。

 Google Labsが目指すのは、各国の開発拠点でイノベーションを加速することだという。統括チームは今回、日本のエンジニアに対して革新的なアイデアやプロダクトを促進させるために来日した。

 「イノベーションは大きなリスクをとることも意味するが、たとえそれが機能しなかったとしても、Google Labsではエンジニアがさまざまな新しいアイデアを試すことができる。ユーザーから直接フィードバックも得られる。ユーザーが何を気に入っており、何がうまく機能しなかったのかというフィードバックをプロダクトに取り込んで改善したり、あるいは別のアイデアへと切り替えていくことができる。」「Googleのイノベーションを目指す精神の中心に位置するのがGoogle Labs。」(Rheingold氏)

Google Labsでの公開ペースは速く、2010年12月には6つのプロダクトが公開された。そのうちの1つ「Body Browser」はOpenGLを利用し、ウェブブラウザー上で3D人体模型を表示する




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(永沢 茂)

2011/3/9 17:15