ニコ動やぐるなびなどがIE9対応、「SVG女子」の日本語版も公開


日本マイクロソフト代表執行役副社長の堂山昌司氏

 日本マイクロソフト株式会社は、4月26日午前0時から提供開始するウェブブラウザー「Internet Explorer 9(IE9)」日本語版についての説明会を開催した。

 IE9は、米国時間3月14日に39言語向けに提供を開始したが、日本語版については東日本大震災の影響によりネットワークインフラへの負荷軽減の配慮などから提供が延期されていた。

 日本マイクロソフト代表執行役副社長コンシューマー&オンライン事業部担当の堂山昌司氏は、IE9の特徴として「高速」「洗練」「信頼」「相互運用性」の4つのキーワードを挙げ、HTML5やCSS3、SVGといった標準技術に準拠し、GPUハードウェアアクセラレーションの利用などで高速に動作することで、「ネイティブアプリケーションと同じエクスペリエンスをウェブにも提供する」とした。

 また、マイクロソフトがテーマとして掲げる「マルチスクリーン&クラウド」の中心となるOSがWindows 7で、その上で動作する重要なクライアントソフトがIE9とWindows Liveになると説明。さらに、2011年にはWindows PhoneにもIE9を提供する予定で、今後IE9がウェブアプリケーションの重要なプラットフォームになっていくとした。

 すでに海外で公開されたIE9の状況については、ベータ版と製品候補版(RC版)の合計ダウンロード数が4000万以上あり、Windows 7におけるIE9の利用率は公開17日間で3.6%に達するなど、過去最高のペースで普及が進んでいると説明。IE9の新機能に対応したサイトも1000以上あり、日本においてもコンシューマー向けサービスや企業向けアプリケーションでIE9の公開前からパートナー企業と開発を進めているとして、ぐるなび、ニコニコ動画、ヤフー、面白法人カヤックといったパートナー企業の取り組みを紹介した。

Windows PhoneにもIE9を提供Windows 7のIE9利用率は3.6%に
IE9対応パートナー企業企業向けアプリケーション&ソリューションでもIE9への対応が進む
(左から)ぐるなびの半田純也氏、ニワンゴの杉本誠司氏、日本マイクロソフトの堂山昌司氏、ヤフーの是井真氏、カヤックの杉政英樹氏

 株式会社ぐるなび執行役員の半田純也氏は、タスクバーにウェブサイトを登録できる「ピン止め」機能や、タスクバーアイコンの右クリックメニューがカスタマイズできる「ジャンプリスト」機能などのIE9の新機能が、ぐるなびで利用可能になることを紹介。今後は店舗向けの管理ページなどにもこうした機能を取り入れることで、ぐるなびから店舗への情報通知に利用していきたいと語った。

 ニコニコ動画を運営する株式会社ニワンゴ代表取締役社長の杉本誠司氏も、「ピン止め」機能や「ジャンプリスト」機能などがニコニコ動画で利用可能になるとともに、ニコニコ動画向けにカスタマイズした「ニコニコ動画版IE9」を5月11日に提供開始することを紹介。「IE9の新機能は、ユーザーが行きたいページに直感的にすぐ行ける」点がメリットだとして、マイクロソフトにはさらにこうした機能の開発やAPIの公開をお願いしたいとした。

 ヤフー株式会社R&D統括本部制作本部制作部長の是井真氏は、「Yahoo! JAPAN向けIE9」を今週中に公開するとして、Yahoo! JAPANではIEが8割以上のシェアを占めており、「IEが進化することでヤフーが提供できるサービスも進化する」と説明。サービスの開発側からは、これまでは各ブラウザー向けにコードを個別最適化してきたが、今後はこうしたコードが標準化されていくことに期待したいと語った。

 面白法人カヤック企画部の杉政英樹氏は、米国で4月に開催されたイベント「MIX11」で披露された、IE9のデモコンテンツ「SVG女子」を紹介。SVGにより作成されたアニメーションコンテンツで、インタラクティブに色が変更できるなどSVGならではの機能も盛りこんでおり、「MIX11で披露した際には会場からどよめきが上がった」と反響の大きさを紹介。IE9日本語版の公開に合わせて、「SVG女子」の日本語版も4月26日に公開することを明らかにした。

ぐるなびはIE9の新機能「ピン止め」「ジャンプリスト」などに対応「ニコニコ動画版IE9」を5月11日に公開
ヤフーは標準技術のサポートによる開発のスピードアップを期待カヤックが制作したSVGアニメーションコンテンツ「SVG女子」

関連情報


(三柳 英樹)

2011/4/25 20:28