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デジタルネイティブ世代はスマホのガラパゴス機能に興味なし? 近畿大調査


 現在の大学生はほぼ平成生まれの“デジタルネイティブ世代”であり、同世代は「何事も携帯電話で済ませてしまう若者」とのイメージがあるが、そうした利用シーンはすでにスマートフォンへ移行しているという。近畿大学が行った「大学生の携帯情報端末の利用に関する調査」で指摘している。スマートフォンに搭載している“ガラパゴス仕様”の機能が大学生にはあまり利用されていないことや、ノートPCでメールやSNSを利用する学生の割合が3割未満であることも報告された。

 調査は、近畿大学経営学部の鞆大輔准教授が2011年11月、同学部の学生607人に対してアンケートしたもの。専攻は、情報系が16.1%、非情報系が81.4%。学年は、1年が57.2%、2年が37.6%、3年が3.0%、4年が0.7%。

 まず、携帯端末の所有率は、携帯電話が78.6%、スマートフォンが56.4%で、回答者全員がいずれか、もしくは両方を所有していた。また、ノートPCは63.9%に上ったが、タブレットPCは6.9%にとどまった。情報端末の所有率は1年生よりも2年生の方が高く、就職活動を意識したIT化が進んでいるものと推測している。

携帯情報端末で利用する機能(「大学生の携帯情報端末の利用に関する調査」より)

 携帯電話で使う機能として最も多かったのは「通話・メール」で87.4%。以下、「ブラウジング」が54.1%、「メディア視聴」が51.4%、「メモ」が40.3%、「SNS」が38.4%、「デジカメ・QRコード」が36.7%、「ゲーム」が32.9%、「電子辞書」が29.4%、「ワンセグ」が26.4%、「PCファイル閲覧」が6.5%、「電子マネー」が4.2%。

 「通話・メール」以外は多いものでも50%程度であることから、「学生の多くは携帯電話の基本機能である通話およびメールのための端末として利用しており、デジタルネイティブの一般的なイメージである『何事も携帯電話で済ませてしまう若者』はむしろ少数派のようだ」としている。

 スマートフォンでも最多は「通話・メール」の88.6%だが、これに続いて「ブラウジング」が85.7%、「メディア視聴」が78.9%、「ゲーム」が73.4%、「SNS」が64.6%、「デジカメ・QRコード」が62.0%と比較的使用率が高い。以下も、「メモ」が51.8%、「PCファイル閲覧」が50.0%、「電子辞書」が48.0%と半数程度で利用されている。携帯電話と異なり、学生はスマートフォンの機能を駆使していることがうかがえるとし、「デジタルネイティブの一般的なイメージを体現している学生の多くは携帯電話ではなくスマートフォンを利用していると考えられる」としている。

 一方、「ワンセグ」は14.9%、「電子マネー」は4.1%にとどまった。このことから、「携帯電話メーカーが積極的に市場投入している日本独自の携帯電話機能を盛り込んだ『ガラパゴススマートフォン』は、大学生にあまり需要がないものであるとう点も興味深い」としている。

 ノートPCで利用する機能として最も多かったのは「ブラウジング」の83.2%で、以下は「メディア視聴」の75.3%、「PCファイル閲覧」の63.1%、「ゲーム」の30.2%と続く。「SNS」は27.3%、「メール」は27.1%で、3割に満たなかった。「大学生にとってメールとは携帯電話やスマートフォンによるものであり、コンピューターでのメール送信は少数派」と指摘している。

 今回の調査では、携帯情報端末の1つとして電子辞書、およびその対比で紙の辞書についても聞いており、電子辞書の所有率は85.5%、紙の辞書は75.1%だった。ただし、紙の辞書については所有者の80%以上が使用していないと回答。期末試験などへの持ち込みが認められるのが紙の辞書のみであることが理由とみられ、「日常の調べ物については電子辞書もしくは携帯電話等での検索が主流であることが伺える」としている。


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(永沢 茂)

2012/1/24 12:28