米Cisco、MSのSkype買収を欧州委員会が承認したことに対して控訴
米Cisco Systemsは15日、Microsoftによる約85億ドルのSkype買収を欧州委員会が承認したことに対して控訴したと発表した。CiscoのシニアバイスプレジデントであるMarthin De Beer氏が同社公式ブログで明らかにしたものだ。この控訴には、欧州のVoIPサービスプロバイダーであるMessagenetも参加している。
Ciscoは買収そのものに反対しているわけではなく、業界標準規格を使用する他社製ビデオ・音声通話システムとSkypeが通話できないことを問題視している。そのため、標準規格に基づいた相互運用性を実現することを買収承認条件として付加するよう欧州委員会に求めている。
De Beers氏は、「もしあなたが電話できる人々が、同じキャリアまたは同じ特定ブランドの電話機を使用している人のみだったとしたら、どんなに不便だったかを考えてみて欲しい。Ciscoはビデオ通話の未来がこのようになることを防ぎたいと願っている」と、控訴の動機を説明している。
なお、買収承認に関する欧州委員会のヒアリングには、Ciscoもコメントを提出していた。
MicrosoftはSkypeの買収発表時に、将来的にSkypeをMicrosoftのビジネス用ビデオ・音声通話テクノロジー「Lync」に組み込むことや、Xbox、Windows Phoneなどに統合する計画を検討していることも明らかにしていた。
関連情報
(青木 大我 taiga@scientist.com)
2012/2/16 11:43
-ページの先頭へ-