慶應義塾大学、ヴィントン・サーフ氏に名誉博士号を授与


 慶應義塾大学は13日、TCP/IPの設計に携わり「インターネットの父」と呼ばれるGoogle副社長のヴィントン・サーフ氏に、名誉博士の称号を授与した。

ヴィントン・サーフ氏

 サーフ氏は、1967年から1972年にかけてカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でインターネットの起源となるARPANETホストプロトコルの研究開発に従事し、その後スタンフォード大学でインターネットの通信技術となるTCP/IPプロトコル体系を設計。ISOC(Internet Society)やICANNといった組織の設立においても主導的な役割を果たしている。

 授与式では、環境情報学部長の村井純教授が推薦理由を説明。サーフ氏はインターネット技術の生みの親であるばかりでなく、インターネット発展の世界的な指導者であり、学術分野全般の飛躍的な発展と自由はもとより、あらゆる人々の知的活動と生活空間を発展させ、世界人類の人権と民主主義、文化を支える最も重要な社会基盤の構築に貢献した業績は特筆すべきものがあると語った。

 清家篤塾長から名誉博士号を授与されたサーフ氏は、インターネットのこれまでの発展状況や、インターネットのデザインコンセプトなどを語るとともに、「インターネットはまだ完成していない。デザインは進化し続けており、あなたがそれを作ることもできる」とコメント。セキュリティ問題やプライバシー問題、ガバナンスなど、解決すべき課題のデザインを続けていくことを呼び掛けた。

清家篤塾長から名誉博士号を授与されるサーフ氏村井純氏とサーフ氏

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(三柳 英樹)

2012/9/14 06:00