「シマンテック・サイバーディフェンスアカデミー」が開校


 株式会社シマンテックは5日、企業・組織のセキュリティ人材を育成するためのトレーニングコース「シマンテック・サイバーディフェンスアカデミー」を開校した。

シマンテック総合研究所取締役会長兼サイバーディフェンスアカデミー校長の平山孝雄氏

 一般社員向けのセキュリティ基礎教育から、IT管理者向けのリスクマネジメント、セキュリティスペシャリスト向けのマルウェア解析やフォレンジックなど、それぞれの階層に必要な知識・技術を提供するコースを設けている。

 具体的には、最もレベルの高い専門的な階層として、防衛省などの上級セキュリティスペシャリストを対象にした「マルウェアアナリスト」「フォレンジックアナリスト」「セキュリティアナリスト」「インシデントハンドラ」といったコースがある。

 次に、中級セキュリティスペシャリスト向けには、「サイバー脅威の検出」「インシデントレスポンス&リカバリ」がある。

 さらに、ネットワークやセキュリティ全般のIT管理者向けには「セキュリティインシデント初期対応プログラム」「セキュリティリスクマネージメント」「ネットワークセキュリティ基礎」「電子認証(PKI)」がある。

 以上の3階層はサイバー演習を伴うコースとなっており、各コースは計5日間、各日10~18時までが受講時間となっている。

 その下の階層としては、営業・SE向けの「セキュリティソリューション提案能力強化」、一般社員向けの「セキュリティ一般基礎教育『シマンテックセキュリティ意識向上プログラム』」を用意する。これらの階層は演習はなく、1日間のコースとなっている。

 シマンテックではこれまでも情報セキュリティに関するエデュケーションコースを提供していたが、同社製品の使用を中心に据えたものだったという。これに対してサイバーディフェンスアカデミーは、広く情報セキュリティについて知識・技術を伝えるものとなる。

 アカデミーの強みとしては、シマンテックによるセキュリティ情報の蓄積がまず挙げられるという。世界6460万以上の攻撃検知センサーで、200カ国以上で攻撃活動を監視し、マルウェアやセキュリティリスク、脆弱性、スパムに関する分析を実施しているとしている。また、講師陣は、シマンテックのセキュリティリサーチセンターやセキュリティオペレーションセンター(SOC)で活動している同社のアナリストやエンジニアのほか、コンサルタントなども担当。最新の情報をもとに、実践で得られた知識と技術を伝えるという。実習を多く取り入れている点も特徴だとした。

5日午前に行われた開校式

 アカデミーの初日となる5日には、同日からスタートする「サイバー脅威の検出」コース(定員12名)の受講者が出席してアカデミーの開校式を開催。シマンテック常務執行役員/ジャパンデベロップメントセンター長の藤田幸雄氏、シマンテック総合研究所取締役会長兼サイバーディフェンスアカデミー校長の平山孝雄氏があいさつした。

 平山氏は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が4月に発表した情報セキュリティ人材についての調査結果から、国内の従業員100人以上の企業で情報セキュリティに従事する技術者は約23万人おり、約2.2万人が不足していること、また、23万人のうち約14万人がスキル不足であることを紹介。「シマンテックとしては、高度化・複雑化するサイバー脅威の中、情報セキュリティ人材の育成とスキルの向上を、ネットワーク化していく社会への貢献ととらえ、本アカデミーを開設した。受講者の皆様には、最新の情報と技術を持つ講師から実践的なトレーニングを受け、それぞれの職場において真に役に立つ情報セキュリティのプロフェッショナルとなられんことを期待する」とコメントした。

 なお、「サイバー脅威の検出」コースは、次回は2013年1月21日~25日に実施する予定。このほか、「インシデントレスポンス&リカバリ」コースが2012年11月26日~30日、2013年2月25日~3月1日に予定されている。受講料はいずれも35万円(税別)。


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(永沢 茂)

2012/11/5 13:15