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シマンテック、モバイル向けセキュリティアプリ最新版
(2012/12/5 18:30)
シマンテックは、モバイル機器向けのセキュリティ製品「ノートン モバイルセキュリティ」最新版の提供を開始した。家電量販店やオンラインストアで取り扱われ、価格は1年版が2980円、2年版が5480円。既存ユーザーは新機能を無料で利用できる。
最新版の「ノートン モバイルセキュリティ」では、ウイルススキャンなど従来の機能に加えて、以下の3つの機能が新たにサポートされた。
・電話帳のバックアップ
・個人情報を抜き取るようなグレーウェアを検出
・iOS対応。iPhone、iPadでも位置検索と連絡先のバックアップが可能に
iOS対応および電話帳バックアップにより、バックアップ→復元を経てAndroidとiOSの間で電話帳データを移行することもできる。バックアップデータは逐次記録され、誤操作で大切なデータを消しても、いくつか前のデータをロールバックして、削除前の状態に戻すこともできる。このほか、Web上からのロックなどリモートコントロール、紛失対策としてのデバイス位置検索が可能になった。またGoogle Playからダウンロードできるようになり、「提供元不明のアプリ」のチェックを入れずとも利用できる。
グレーアプリの検出
さらに、Android向けの特徴的な取り組みとして、マルウェアほど悪質な動作はしないものの、不必要に個人情報へアクセスしようとしたり、ユーザーが想定した機能以外の挙動を行ったりするようなアプリは、無害なアプリと有害なアプリの中間にあたる“グレーアプリ”として、インストールしようとすると警告するようになった。これは、定義ファイルの中にグレーアプリのデータを収録することで、実現している。
アプリがグレーとされる基準について、同社では、アプリが振る舞う行動として、「通知バーに広告を出す」「ブックマークを勝手に変更する」「SMSの受信ボックスに広告を配信する」「ブラウザのホームページURLを勝手に変更する」ことなどを挙げる。他にもいくつか条件はあるが、同社がチェックして、ユーザーが想定していない機能のなかでも、上記のようなアクションをするアプリは警告する形にしていく。ただ、こうした基準は、セキュリティアプリベンダーごとに違うのが現状とのこと。
モバイルの重要性が増す
説明を行ったシマンテック リージョナルプロダクトマーケティング シニアマネージャーの吉田一貫氏は、スマートフォンの普及で、オンラインショッピングもモバイルでの利用が増加し、購入額も増えているなど、クレジットカードなど金銭に関わるデータがスマートフォン上でも扱われつつある現状を指摘する。
一方、そうしたユーザーを狙う犯罪も増えつつある。モバイルをターゲットにしたマルウェアは、今年1月の1万件から、直近では12万件と急増している。そうしたマルウェアはアプリケーションを配布するマーケットからスマートフォン、タブレットへインストールされる。
こうしてモバイル端末を狙うマルウェアが増加する一方で、個人情報の抜き取りを企むアプリも後を絶たない。今回、グレーウェアとして検出されることになったが、「ノートン モバイルセキュリティ」として警告を出す形となったが、最終的にはユーザーが判断してインストールすることになる。Androidの場合、アプリのアクセス権限の許諾を求める画面がインストール時に示されるが、個人情報へのアクセスなどには今後も注意が必要だろう。